■スポンサードリンク
(短編集)
パズル崩壊
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
パズル崩壊の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
普通でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「黒のマリア」から、だんだん怪しくなってくる・・・。 そんな中で気に入ったのは、「トランスミッション」。 何とも不思議な話なのですが、もう感覚的に”これ好き!!”。 これはいい不条理。 そして「カットアウト」。 ページ中の文字の密度が異様に濃く、また文章も堅いので読みづらかったのですが、 ”彼等”が日本に凱旋してくるあたりから、モリモリ面白くなってきた。 桐生が妻の遺体に筆を入れた真意とは・・・・・ 既存のネタにモチーフがあるとはいえ、それまでの過程を踏まえると、ちょっと泣ける。 読み始め当初は”何とも思わないんだろうな”でしたが、読み終わってからは ”この作品載ってるから、本書は手放さないでおこう”に変わりました。 ポロックが好きな人に感想を聞いてみたいものだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何故かAmazonではこの『パズル崩壊』が不相応な好評価を受けていますが、実際はそんな大したものではありません。法月綸太郎は他にもたくさんの短編集を書いていますが、それらの中でもこれはいっとうパッとしない、優れたところの無いただバラエティに富んでいるというだけの駄作短編集です。法月綸太郎を読んだことのない方は、先に「死刑囚パズル」と「都市伝説パズル」が収録されている『法月綸太郎の冒険』及び『功績』を読むことをおすすめします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
法月氏の推理短編集だが、同じ短編集である法月綸太郎の○○シリーズのような論理的なガチガチの本格志向の推理短編はあまり期待しない方がいい。 最初の2編ほどを除いて、一応ミステリーの体裁はとっているが、どちかというとショートショート的なオチのものが多くなっている。 注目はカットアウトで、ポロック論と二人の芸術家の友情と反目がまるで純文学のように綴られた異色作で、著者の新たな側面が伺える意欲作である。 ラストは長編になるはずだったボツ小説の冒頭のみ収録。これを読まば作者の苦悩と葛藤がこのような非本格系の作品集を生み出さざるを得なかったのが納得できる。 法月氏の短編集としては王道路線ではないので、初心者にはあまりお勧めできないが、氏の創作履歴を語る上では外せない作品である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
◆「ロス・マクドナルドは黄色い部屋の夢を見るか?」 リュウ・アーチャー対フィリップ・K・ディックという構図 のもとに書かれた、ロス・マクドナルドのパロディ。 生臭く凄惨な事件の後にかまされる《最後の一撃》は、 脱力必至なシロモノで、まじめな読者なら怒るかもw まあ、この結末も、私立探偵リュウ・アーチャーが〈複雑に入り組んだ人間関係 と、陰惨な家庭の悲劇にまつわる面倒な事件〉に巻き込まれながらも、一貫して 傍観者の立場を崩さず、まさに「視線」そのものといえる存在であるゆえです。 ◆「カット・アウト」 前衛画家が、妻の死に際して、遺体に絵を描いた理由とは? 90年代初頭の新本格批判に対する作者なりの返答、ともいえる作品。 昔から、本格ミステリは「人間が描けていない」というテンプレート化された物言いに さらされがちです。本作では、抽象絵画に対する警鐘として〈自然や人間に発する豊饒 なイメージを切り捨て、平板な画面とそれを見つめる視線の強度のみを追求し、不毛な 超越感覚と自己充足に埋没〉といった批評を挙げ、新本格批判と重ね合わせています。 その上で、敢えて人間を描かないことで、描ける ものもあることを作者は高らかに宣言するのです。 ◆「重ねて二つ」 ◆「懐中電灯」 ◆「黒のマリア」 ◆「トランスミッション」 ◆「シャドウ・プレイ」 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
◆「ロス・マクドナルドは黄色い部屋の夢を見るか?」 リュウ・アーチャー対フィリップ・K・ディックという構図 のもとに書かれた、ロス・マクドナルドのパロディ。 生臭く凄惨な事件の後にかまされる《最後の一撃》は、 脱力必至なシロモノで、まじめな読者なら怒るかもw まあ、この結末も、私立探偵リュウ・アーチャーが〈複雑に入り組んだ人間関係 と、陰惨な家庭の悲劇にまつわる面倒な事件〉に巻き込まれながらも、一貫して 傍観者の立場を崩さず、まさに「視線」そのものといえる存在であるゆえです。 ◆「カット・アウト」 前衛画家が、妻の死に際して、遺体に絵を描いた理由とは? 90年代初頭の新本格批判に対する作者なりの返答、ともいえる作品。 昔から、本格ミステリは「人間が描けていない」というテンプレート化された物言いに さらされがちです。本作では、抽象絵画に対する警鐘として〈自然や人間に発する豊饒 なイメージを切り捨て、平板な画面とそれを見つめる視線の強度のみを追求し、不毛な 超越感覚と自己充足に埋没〉といった批評を挙げ、新本格批判と重ね合わせています。 その上で、敢えて人間を描かないことで、描ける ものもあることを作者は高らかに宣言するのです。 ◆「重ねて二つ」 ◆「懐中電灯」 ◆「黒のマリア」 ◆「トランスミッション」 ◆「シャドウ・プレイ」 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
◆「シャドウ・プレイ」 高校の日本史教師である僕のところに、深夜、推理作家で友人の羽島彰から 電話が掛かってくる。羽島は、芥川龍之介がドッペルゲンガーに遭遇した話の 出典を教えてくれ、と言うのだが……。 『野性時代』の「アリバイ」特集に書かれたもので、 「分身」がモチーフとなっています。 作者はアリバイものが苦手だそうで、正攻法の アリバイ崩しにはなっていません。ただ、……。 ◆「……GALLONS OF RUBBING ALCOHOL FLOW THROUGH THE STRIP」 酒場で編集者にダメ出しを喰らった法月綸太郎。 彼はそこで、工藤俊哉という若い役者と出会う……。 『ふたたび赤い悪夢』の次に構想されていた、幻の長編の第一章にあたるもの。 作者は、『十日間の不思議』と『長いお別れ』を足して二で割ったような ストーリーを考えていたそうですが、おそらく今後、その長編が日の目 を見ることはないでしょう。 ところで、本作に登場する工藤俊哉は、明らかに『密閉教室』の主人公、 工藤順也を念頭においたもので、作者は綸太郎と工藤という、みずから の「分身」同士を対置する物語を書こうとしていたのだと考えられます。 そう考えると、やはり読んでみたい気もしますねw ◆「重ねて二つ」 ◆「懐中電灯」 ◆「黒のマリア」 ◆「トランスミッション」 ◆「カット・アウト」 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
◆「懐中電灯」 現金強奪の共犯殺しを題材とした、倒叙形式のクライム・ストーリー。 タイトル通り、懐中電灯が重要な手がかりとなりますが、 いやはや、人間の痕跡は、いたる所に残るものですねw ◆「黒のマリア」 入れ子になった三重密室に、血を吸う呪われた絵 という、オカルティックな味付けがなされた作品。 葛城警部と謎の女が、事件を振り返り、検討を加えながら、 互いの腹の探り合いをする、という形式が採られています。 最後のオチは安易とも思いますが、超自然 現象の処理としては、それなりに巧いです。 ◆「重ねて二つ」 ◆「トランスミッション」 ◆「シャドウ・プレイ」 ◆「カット・アウト」 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
玉石混交かな(;^ω^A 最初の二話は「さっすが法月綸太郎!!」って感じなんだけど、そのあと数話は「え?( ̄Д ̄;) 」ってものや、 斜め読みしてしまったものまで色々でした(笑) でも、短編にもかかわらず、とっても濃い〜ものを読むことができました。 さすがは法月綸太郎!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1998年に講談社のベルスとして出たものの文庫化。 著者の第二短編集。ただし、名探偵・法月綸太郎は、番外編的な一編を除いては登場しない。 ひとつのアイディア(トリック)を短編ミステリに仕立てた8編が収められている。アイディアありきで書き始められているのだが、そのアイディアが最大限の効果を発揮するよう、物語が工夫されている。物語自体がトリックになっているというか。それだけに読み応えがある。 古典的・正統的な謎解きに疑問を突きつけるような作品が多い。著者の試行錯誤がうかがわれて面白い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
法月綸太郎のミステリ作家としての転機が「頼子のために」 ならば、作家としての転機はこの「パズル崩壊」ではなかろうか。 短編集であり、それぞれの物語に独立性がありながら、 物語の配列の妙により、筆者の狙いが徐々に見えてくる。 なぜこのタイトルであるのか、最後まで読み終わるとわかるだろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
エラリークイーンへのオマージュや試験的試みで、好みの分かれる作家法月倫太郎。シリーズ外初短編集は装丁の美しさと相まって、作家法月倫太郎の枠を超えた内容となっている。短編だからこそ、という仕掛け、読者への問いかけもかいま見えるので、読む人によってまた形が変わっていく作品だと思う。食わず嫌いの方如何ですか? | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!