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恐怖の存在
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【この小説が収録されている参考書籍】
恐怖の存在の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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今となっては、マイクル・クライトンほどの人が、なぜこんな小説を?といぶかしまざるをえない。近年の状況では、気候変動に対する人間活動の影響の証拠は圧倒的で、これを認めない科学者は、よほどの変わり者か、トランプ支持者にあるようなカルト的リバタリアン、または反共主義者でしかないということが常識になっている。ところがこの小説でクライトンは、気候変動に警鐘を鳴らす人々が、まるでデータを故意に操作して、科学とは別な動機で無用の危機を煽っているかのように描いている。事実は全く逆で、実は温暖化否定論者のほうが、主として保守系シンクタンクなどからの要請を受けて、温暖化の証拠に疑いがあるかのように見せる操作を執拗に行っていたことが、様々な調査から明らかになっている(『世界を騙しつづける科学者たち』ナオミ・オレスケス/著 参照)。このようなリバタリアン勢力の行動は過去の、タバコ問題、オゾンホール問題、DDT規制問題などに共通する現象である。従来、科学的なアプローチに定評のあったマイクル・クライトンにして、なぜこのような間違った解釈をしてしまったのか、不思議でならない。私はクライトンの大ファンであったが、当作品は最大の汚点であると思う。 | ||||
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作者がこの作品を書くにあたって行った(であろう)リサーチ量には感服する。しかし、クライトンは第一に小説家であったはず。彼の作品に私が求めるのはなんといっても、「ジュラシックパーク」のようなスリルであり、テンポよく進んでいく話なのだ。それがこの作品には決定的に欠けている。設定が荒唐無稽すぎ。話の場所がばらばらで、一つ一つの話に奥行きがない。話の展開が飛躍しすぎ(突然出てきた人食い族はなんだったのか)で、読んでいて興ざめである。暇でなかったらおそらく通読はしなかっただろう(実際、氏の「タイムライン」は作品半ばで放り出した)。 また、この作品を読んで「地球温暖化は起こっていない」などと言い出す輩に何度か会ったことがあるが、「起こっている」にせよ、「起こっていない」にせよ、地球温暖化の現状をそう簡単に断言できる、と言う感想をこの本を読んで得たならば、笑止千万といったところだ。作者もいい迷惑だろう。 | ||||
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ずーっと以前に読んだジュラシックパーク以来の、Michael Crichton でしたが、ストーリー展開が安易で、「環境テロ」素材を殺していました。特に最後の方。本筋とは関係ない、人肉を食す部族が出てきたり、わけわかりません。情報操作の恐ろしさをテーマにするなら、それをじっくり料理してほしかった。主人公が世界中を駆け巡り、ジェームズボンドばりの活躍(?)に、白けるばかりです。Airframe の方が、ずっと面白かった(これにしても、主人公が意味不明に追われたりしますが・・・)。英語は平易で読みやすく、通勤の共にはぴったりです。 | ||||
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恐怖の存在は、フィクション小説として割り切れば楽しめるかも知れませんが、末尾の付録でも明らかにされているように、クライトン自身の環境科学に対する問題意識がバックグランドとなっており、彼の主張には、多くの意図的または意図せざる誤解が含まれているため、結果的に、彼自身がまさに指摘するような恐れるような科学の政治化に利用されてしまっています。たとえば、小説の登場人物が、キリマンジャロの積雪の減少は地球温暖化とは無関係であると説明するシーンがありますが、環境科学者もこのケースは温暖化の影響であるとは考えていません。また、NASAのハンセン博士の証言の説明は、他の人物による博士の発表したグラフの一部を意図的に削除した上で行った説明に基づいており、博士の意図と大きく異なっています。米国では、brookings Institutionやpew center on global climate changeをはじめ、既にさまざまな団体がクライトンの主張に反論を試みており、小説の背景を理解する上で大変参考になると思います(上記2つのサイトの解説は日本語版がネット上にアップされています)。 | ||||
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まったく引き込まれていかない、どちら側にも魅力的な登場人物がいない、突っ込みどころ満載、まあ、酷い。映像でならカバー出来るのか? とてもそう思えない、じゃあなぜ? マイクル先は暗いとんちゃうの。落ちてもいない^^; | ||||
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クライトンも純粋にSFに徹してればいいものを下手に政治色を出したもんだから、はっきり言ってハチャメチャになっています。政治性が前面に出たためか、真骨頂のテクノホラーも今回は空振り気味。津波兵器(確かにタイムリー!ではありましたよ)、氷床破壊システム、人工雷雨とスケールでかいんですね。これ、みんな”環境テロリスト”が地球温暖化デッチ上げるための小道具に使われるんですけど、ヤレヤレでした。9.11事件後遺症がこんなところに出ているとは思いもよりませんでした。ちなみに軽薄な自然賛美環境保護論者が人食い人種に食われるというのは、皮肉っているつもりなんでしょうか? | ||||
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