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切り裂きジャック
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切り裂きジャックの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.37pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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出版された時に読んでいます。面白いです。そうなんだ〜という素直な感想。 反論が多かったらしいですが、Cornwellがいみじくも「真犯人がわかってしまったら困るからでしょう」と言ってるように、Jack the ripperで食ってるヒトたちが多くて、Cornwellのように巨額の資金を投じることができない輩の嫉妬心があったろうと思う。 Jack the ripperからの手紙というのは、読んでみると19世紀末には、容疑者として挙げられた中で、教養があった人物でなければならない 筆跡、文章などで合致する人物がいなかったように思う。 文中、血液についての言及があり、医者であれば当然持っていて当たり前の「血液凝固作用」という知識を知らない、という分析をしていたScottland Yardの捜査官がおらず、本当にイギリス人はJack the ripperの真犯人を知る気があるのか、と疑ってしまう。 Jack the ripperが手紙をインクを赤で書いた、演出めいているところは、なるほど画家であればペンは黒文字で書くという概念がないのが当然と思えて来る。 シッカートは犯行の始まりの頃、28歳程度の若い青年であり、初めは俳優になろうとしていることから、どうも自分というニンゲンは世間で名のある人物と思われたいという欲求があったことが推測できる。 カネだけが目的であれば、職業は他にあるワケで、わざわざ俳優や画家を選ぶ辺り、相当、自己陶酔癖があったと思わざるを得ない。 絵画業界で名声を得るようになった頃、Jack the ripperの主だった犯行が無くなっていることも興味深い。 初期の頃の被害者のチャップマンの前の被害者は、East endでは知られた娼婦だったらしいから、目立つ犠牲者を選んでいるのは、賢い選択とは言えない。 目立つ犠牲者を選んでいるのは、それなりの理由があるはずだ。 初めの頃、直接死んでいないが、局部に鈍器入れられて死んだ被害者は、おそらく、Jack the ripperが客として現れて「カネ出すから、こういうことさせろ」と言って、かなりおいしい金額を提示したんだろう。 finger printという犯罪捜査における技術革新は知られていたので、finger printを残さないようにしていることは、それなりの地位や、知識を 得られる環境にいたと推測できる。 惜しいことに、シッカートの絵画をx rayで鑑定してないらしい、油絵というのは、Da Vinciの頃より、乾いた絵の具の上に塗り重ねることで、 画家が「描き直し」できるので、ぜひx ray鑑定をしてみるといい。 シッカートは白々しくもCamden town murderというtitleの絵画を描いている、これは、serial killersがよくやる、「署名」行為で、 自分の作品として、犯行を記念品的にする行為。 なかなか興味深い。 シッカートは極めて黒に近いgreyな存在だろうと言える。 シッカートの顔写真を見て思うのは、楽しくて仕方ない、っていう表情を浮かべてることですが、いくつだろう、50才くらい でしょうか、写真を撮影できるようになれるーこの時代では特権階級しか写真は撮影できないーことがうれしくてどうしようもないという表情。 この写真が撮影される20年前は殺人を重ねてたワケですが、この連続殺人の被害者たちが全員、はっきり言ってまともな職業 に就いてたワケじゃないんで、シッカートからしたら「殺されても誰も困らない」ような被害者たちに同情心なんてみじんも 感じてなかっただろうね、と変に納得する。 | ||||
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「~誰なのか」っていうタイトルの割には、既存の犯人を特定していて、その状況証拠を固めていくというドキュメンタリ作品? もう少し新しい事が書いてあれば、それなりに価値は上がると思うんだけど、とくに目新しさはない感じ。 「7億の巨費を投じた」と書いているけど、なににその巨費を投じたのか、大括りではなくて明細がしたいところ。 | ||||
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上巻に続いて、下巻も同様。 「犯人は彼こそにあらん」ってな調子で状況証拠固めに終始している。 それ自体は悪いとも言えなくもないけど、 すくなくとも画像にある帯の「背筋が凍る恐怖から もう、逃げられない」には共感できない。 これが小説スタイルならば、きっとおもしろい作品になっただろうなぁ、って思う。 | ||||
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読みにくい。 いつもならぐんぐんと引き付けるように1冊を読み進められるはずの面白さが無い。 この本では、著者の性犯罪者への憎しみや偏見が先立ち、痛々しく、冷静に読み進める事ができない。 | ||||
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欧米では切り裂きジャックについての知識が一般にあるのだろうか。 切り裂きジャックの犯行といわれる殺人事件の全貌、未解決に終わった捜査の問題点、ジャックからの手紙とされるものの信憑性、そしてこれまであがってきた容疑者たち。 そうした知識が先にないと、本書を楽しむことは難しい。 さらに、本旨に説得力が薄い。 これまであげられた容疑者たちとどこが決定的に違うのか。おそらくそれは著者の中に確信としてあるのだろうが、提示にしかたが演繹的でなく、インスピレーションに頼っているようにしか受け取れなかった。 | ||||
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実際に検視官である(でしたよね?)コーンウェルが、もう語り尽くされた感のある古い古い事件を、あらためて現代の技術で追います。すごいお金をかけて、スタッフを動員して。突き止めてもなんの見返りもないのに、とりつかれたように語っていきます。 どうしてそうなのかは、最後まで読むとわかります。職業人としてのコーンウェルが考えていることが、腑に落ちます。 決して読んで愉快な本ではないですが、コーンウェルと同様に、切り裂きジャックに関心のある方には、とても読み応えのある本だと思います。ただし重苦しいです。個人的なことですが、冬のロンドン旅行に持って行き、読みながら旅をしたのでした、バカでした。本が迫力がありすぎでした。 当時の社会的な事情もわかりやすく書かれていて、女性史的なおもしろさもあります。 | ||||
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私はPatricia Cornwellのシリーズはすべて読んでいると思いますが、これはかなり異質です。 ドキュメンタリーのつもりで読まないと意図が理解できません。 その意味で小説のファンにはおススメしません。 Patricia Cornwellの気持ち、社会に訴えたい気持ちを理解するための ドキュメンタリーと分かったうえで読む方にオススメします。 | ||||
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1880年代のロンドンで発生した引裂き魔による連続殺人事件の真相を、現代の法医学に精通した著者が追求。当時の法医学的な知識・技術が未熟だとはいえ、もう少し何かできたんではないかと思ってしまう。又現代の法医学技術が発達したとは云え、証拠物をしっかり現場で確保しなければ何もできないこともわかる。当時の証拠の太宗は喪失しており、手紙などの一部の証拠しか分析できないが、本書を読むと誰が犯人か、その真相は何かがわかる。 非常に残忍な描写、写真などが掲載されているが、一方警察を馬鹿にした様な文書のコピーも掲載され、見ていると捕まらないまま事件は終止符を打った事が非常に残念になる。現代の様な捜査能力があれば、この様な連続殺人が発生する前に犯人を捕まえ更なる犠牲者が出なかったに違いない。 19世紀末のロンドンの東武地区の荒んだ様子もよくわかる。 | ||||
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P・コーンウェル女史の作品なので、ワクワクしながらページをめくったのですが…。 読めば読むほどシッカート犯人説に固執する理由が分かりません。確かにサイコパスと思われる人は当時も沢山いたでしょうし、ましてや芸術家なら尚の事その傾向があってもおかしくはないと思うのですが。 120年以上前の犯罪に、当時の証拠(?)品のみで犯人を特定するにはかなり無理があるのではないでしょうか? 期待していただけに、少し残念です。 | ||||
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作品としてはとても面白いと感じた。だが、推理しているというより、まず犯人を決め付けて、証拠をそれに当てはめていっている感覚はどうしても拭えなかった。特に、描いたスケッチや、絵画に、現場をあてはめる形などは、確かに犯人と思えばそうとれなくもないといった印象で・・。犯人と考える証拠だけを固め、犯人ではないという証拠は見えない、数えない、眼中にいれない、そういった推理の仕方なら、確かにこれが【切り裂きジャック】の真相かもしれないと思った | ||||
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生殖器不能+精神病=猟奇殺人者という考えに固執している気がしています。 そして、シッカート=切り裂きジャックという、彼女の『結論』が出来上がってる。 だからシッカートを無理やり、乱暴に、生殖器不能によるサイコパス指定している気がします。 だけどそこらへんの偏見をとっぱらって読むと、 1888年前後のロンドンやシッカートの人物像が垣間見える気がします。 彼はただ自己顕示欲が強いだけだと思います。 よく犯人不明の殺人事件のニュースがあったとき、(不謹慎ですが)面白半分に「あ〜、あの犯人俺、俺。」って言っているのと同レベルだと思う。 それに殺人をテーマに創作するぐらいなら、わざわざ実際殺人を起こさないものだと思います。 内なる感情をキャンパス上に発散するのが絵画であり、芸術。 シッカートほどの著名な画家がキャンパスの外に感情を発散させる必要はあったのでしょうか? 切り裂きジャック | ||||
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切り裂きジャック が誰なのか、初期の段階で提示し、その後に事件の概要と提示した犯人がどういう人物であったかを交互に紹介していく形で本文が展開していきます。 作者が「この本、いやでたまらないわ、」と著作権代理人に語る場面があります。 作者が、犯人とした人物の利己的で残虐な性格に打ちのめされながらも、 「犯罪を許しがたい」 という思いにつきうごかされて書いた本です。 なので、読後感が重い本です。 「殺人はなぞときではない。私の使命はペンによってそれと闘うことだ」 という文がとても印象的でした。 | ||||
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あまりにもシッカートだけにこだわりすぎて他の容疑者達をおろそかにしすぎていた気がする。ドゥルイットとかガル卿なんか頭ごなしだし。ガル卿は当時70歳過ぎだからその気持ちは解らんでもないけど。シッカートが犯人であれば死ぬ前に何かの形で自白をしたんじゃないかなあ?また、後に息子?のジョゼフ・シッカートがいろいろ言ったせいで余計に胡散臭くてシッカート説を否定したくなる。私の見解ではロバートドンストンスティーブンソンが怪しいと踏んでるんだけど…。まあこの人もアレイスタークロウリーに黒魔術を教えてたりした人だから相当胡散臭いんだけどね | ||||
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この手の『ジャック関連本』と分類される多くの書籍は、作家(研究家)の長年の思い込みや執念が反映されており、持論に有利な資料や証言のみを取り上げて結論付けているものが多い。私がこれまでに読んだ数冊の著者も、かなり無理がある説を「さも見てきたような」書きっぷりで堂々と本にしていて、読んでいて恥ずかしかった。「コーンウェル女史がジャックを捕まえた!」などというコピーを見ても、何億円つぎ込んだと聞いても「きっと誰かの説の焼き直し」だと思っていました。本書を手に入れても、すぐには読まず「いつか暇になったら読んでみよう」くらいの軽い気持ちで放置していました。気付けば文庫版が発売されていて、そろそろ読まなきゃな~~ということで、パラパラめくっていて驚きました。スティーブン・ナイトの説を真っ向から否定しているではないですか!ナイト氏の著書『切り裂きジャック最終結論』は、映画『フロム・ヘル』の原作でもあるので、これを否定する本書は多方面に衝撃を与えたことでしょう。コーンウェル女史の作品だけあって、導入部からぐいぐい引き込まれること間違いなし。遺体や関係者の写真、多数の書簡はさすがに巨額を投じただけあって充実しています。これまで他の研究家によって犯人とされてきた人物「ガル卿」「クラレンス公」「モンタギュー・ドルイット」「フリーメーソン」などを指して、コーンウェル女史は冤罪だと断言しています。同時にシッカート発言を鵜呑みにし、彼を「無実の傍観者」や「ガル卿の共犯者」として仕立て上げた研究家をバッサリ切り捨てています。多くのジャック研究家にとって、本書の出版は頭の痛い事件になったことでしょう。 | ||||
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巻頭のシッカートの写真や手紙類、被害者の写真を見ているうちにすぐ後ろに切り裂きジャックがいるような怖さを感じました。もちろん、科学的論理的な分析がパトリシアコーンウェルの今までの検視官シリーズのように冴え渡っているのもありますが。1世紀も前の事件を綿密にあぶりだしていく様は見事です。ただ、率直に読んでいて怖かったです。面白かったんですが夜中に一人では読めませんでした。 | ||||
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百年も前の事件である切り裂きジャックに作者が挑んでいるが、推理小説のようにいろいろな登場人物に”疑い”が掛けられて、という訳ではない。どちらかというと、”刑事コロンボ”のように最初に犯人が読者に知らされるのである。違うのは作者が、当時は見過ごされた様々な証拠を、現代の法医学等の科学的な視点から再度検証し、そして全ての証拠が”犯人”に対して向いていることを証明しようとしている点だ。あたかも犯人逮捕後の裁判での証拠調べのようだ。分析は、科学的な視点、”犯人”の精神的分析、歴史的な記録からの”犯人”の足取り分析等々について多面的に行われており、百年前の事件ではなく証拠も生々しい最近の事件について書いているような錯覚すら覚える。加えて、作者の緻密な表現塊??のために読むと目の前に惨状が広がるようで気分が悪くなるほどだ。”本”としてページ数は多いが、引き込まれつつ最後まで一気に読んでしまう。切り裂きジャックについて、何の知識を持たない読者にも楽しめる作品であろう。 | ||||
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『ついに切り裂きジャックの正体を突き止めた!』 読んでいくうちに本当にこう唸りたくなるような本です。ヴィクトリア朝末期のロンドンで売春婦があいついで殺された切り裂きジャック事件。犯人はだれか?永遠の謎と言われていたこの問いに遂に終止符が打たれた。読み終わって本当にそう感じるくらいよく出来た理論構成です。さすが7億円の巨費と現代科学を駆使しただけのことはあります。とにかく面白いです、この本は!!!切り裂きジャック事件に興味を持たれている方は必読です。「検視官」シリーズの著者、パトリシア・コーンウェルの情熱と気迫、執念が迷宮入りの難事件を解明したと言っても過言ではない力作です。 | ||||
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論文と考えるには科学的根拠となる証拠データの提示が少なすぎ、彼女のミステリを愛読していたものが求める読み物としては混乱している。が、これまでに流通している「切り裂きジャック」を扱ったものの中では最も真実に近いのではないかと思わせる説得力がある。「医者/医学生説」「王室関連説」「警察機構内部犯説」など枚挙に暇がないが、「切り裂きジャック」とされる個人をここまで執拗に著したものは他にないだろう。また被害者である売春婦が置かれた状況の詳細さや、当時の検察機構の説明、検死の実態などを、現代のレベルと比較して描いている点など非常に面白い。本書はP.コーンウェルを彼の古の殺人鬼と結びつける切欠を作ったのがリンダ・フェアスタイン(誤殺/絶叫)という出来すぎのような状況説明の後、いきなり切り裂きジャックが名指しされる。ウォルター・リチャード・シッカート。イギリス印象派の画家。証拠としてコーンウェルは彼の筆跡やタッチとスコットランド・ヤードおよび新聞各社に送られた「切り裂きジャック」からとされる書簡の類似点を上げる他、ミトコンドリアDNA配列の類似点を示す。しかし、「切り裂きジャック」本人と書簡を書いた「切り裂きジャック」が同一人物であるという実証が彼の作品中の人物と被害者の類似だけでは薄い。そう感じるのは私だけであろうか。 | ||||
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