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煙霞



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【この小説が収録されている参考書籍】
煙霞
煙霞 (文春文庫)

煙霞の評価: 5.67/10点 レビュー 3件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.67pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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(7pt)

美術教師と音楽教師、素人二人のドタバタ犯罪劇

新聞連載を加筆・改稿した、ノンシリーズの長編小説。女子高の美術教師と音楽教師の2人組が、ひょんなことから学園理事長の誘拐騒ぎに巻き込まれ、本物の悪を相手に金塊を奪い合うというアクション作品である。
身分の不安定な非常勤講師の熊谷は、正規講師だが校長ににらまれて左遷寸前の音楽教師・正木菜穂子とともに、不正をただすために理事長に強制談判しようと言う同僚に誘われ、話に乗った。愛人と欧州視察旅行に出かけようとした理事長をつかまえ、不正の証拠を提示して話し合いに応じさせることに成功したのだが、その後、理事長と愛人の姿が消えた。熊谷と菜穂子の二人は身分保証さえ得られれば良かったのだが、二人を操った黒幕の狙いは最初から不正蓄財された隠し財産を奪い取ることだったのだ。隠し財産は金塊100キロに姿を変え、それを狙った悪党たちが丁々発止の駆け引きを繰り広げ、熊谷と菜穂子も否応なしに争奪戦に巻き込まれたのだった・・・。
ただの芸術系講師の二人が行き当たりばったりながら悪党相手に知恵を絞り、裏をかいて行く、暴力より頭の良さと運が左右するアクション・ストーリーである。最後は治まるべきところへ治まる物語なのだが、次から次へ読者の予想を超える問題が起き、二転三転するストーリー展開で飽きさせない。舞台はもちろん大阪で、おなじみの大阪弁のやり取りがテンポよく繰り返されて行く。ノンシリーズではあるが、いつもの黒川博行ワールド全開で楽しめる。
黒川博行ファンには文句なしのオススメ。明るいノワール・アクションのファンにもオススメしたい。

iisan
927253Y1

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