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そして誰もいなくなるのか



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そして誰もいなくなるのか

そして誰もいなくなるのかの評価: 7.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
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(6pt)

そして誰もいなくなるのかの感想

2023年度の鮎川哲也賞 優秀賞作。
死に戻りによって残された余命の中で事件が展開する、特殊状況下のミステリーです。
おすすめな読者はミステリーを読み"慣れていない"人向け。90年代のミステリーが盛り上がった頃の作品が味わえます。

個人的に悩ましく感じた理由は、設定が多いミステリーであるため、人物や物語の広がりが限定的に感じられた点です。ある程度ミステリーに慣れている読者にとっては、「こういう展開になるのだろう」と結末が予想の範囲内に収まりやすく、結末が見えることで設定作りの意図も逆算的に読めてしまいます。その結果、驚かされるはずが「やっぱりな」という感覚に落ち着いてしまうのではないでしょうか。また展開が強引に感じられる部分もやや気になる点でした。

本作を読んで感じたのは、90年代ごろの尖ったアイディアが詰まったミステリーを読んでいるような印象でした。見慣れてますが好きなので読んでいて楽しいです。そのため細かいことは気にせず、物語がどのような結末を迎えるのかという気持ちでの読書。ただ、結末の描き方も90年代当時に見られたネタに近く、なんというか本書はその当時に盛り上がった設定が集まってできた作品であると感じました。おそらく著者もこの時代のミステリーを愛する方なのでしょう。作者名"小松立人"は岡嶋二人(おかしなふたり)みたいな感じで、小松立人(困った人)と命名していますし、先人のアイディアを多く感じる内容でした。ポジティブに考えると好きなもので作られた作品です。

気軽に楽しめるミステリーとして、わかりやすい構造は好みでした。ただ真相の明かされ方やネガティブな思考の描写は、読んでいてあまり気持ちの良いものではなく、読後感が悪くなってしまいました。そのため人に薦めづらい点が残念でした。

▼以下、ネタバレ感想

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