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死を弄ぶ少年



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【この小説が収録されている参考書籍】
死を【弄/もてあそ】ぶ少年 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

死を弄ぶ少年の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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(7pt)

サイコパス取りがサイコパスになる、イヤミスならぬイラミス

大学で小説創作の教鞭を取る新人作家の長編デビュー作。6年前に自分の娘を溺れさせようとしたと思っている甥を引き取ることになった大学教授が、甥が邪悪な本性を隠していると疑心暗鬼になり、その本性を暴くことに取り憑かれていく心理サスペンスである。
不幸な事故で大金持ちの両親を亡くした17歳のマシューが、母親の遺言で後見人となった叔父・ギルの家にやってきた。N.Y.の豪邸で何不自由なく育ったマシューは学業成績も抜群で、知的な好青年に見えた。だが、6年前にギルの娘・イングリッドがプールで溺れかけたのはマシューの仕業だと信じるギルはそんな外見が信じられず、夫婦と娘二人のギル家族に災いをもたらすのではないかと不安を抱き、警戒心を募らせていた。そんなギルを嘲笑うかのようにマシューはギルが教える創作講座に参加し、ワークショップで短編小説を発表したのだが、その登場人物はギルの家族を想像させ、ストーリーは家族の死を描いたものだった・・・。
マシューは羊の皮を被ったサイコパスなのか、ギルの被害妄想が作り上げたモンスターなのか。真相追及のプロセスはギルの一人芝居の様相を呈し、ミイラ取りがミイラになるような心理サスペンスでちょっとイライラさせられる。金持ち過ぎるマシューと両親のライフスタイルもちょっと鼻白むのだが、それを補っているのが状況設定のユニークさで、なるほど、そう来たかと思わせる。謎解きミステリーとしては凡作だが、最後まで読者をイラつかせるイラミスとして評価できる。
ラストが不完全でも気にしない、心理サスペンス好きの方にオススメする。

iisan
927253Y1

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