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解剖学者と殺人鬼



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【この小説が収録されている参考書籍】
解剖学者と殺人鬼 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

解剖学者と殺人鬼の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

犯人と探偵の頭脳対決のはずが、ずるい設定で肩透かし

2022年、デビュー作である本作がニューヨーク・タイムズのベストセラーで2位に登場したという新人女性作家の長編ミステリー。因縁がある連続殺人犯から挑戦された監察医が謎を解いていくサイコ・サスペンスである。
ルイジアナ州のバイユーで発見された女性の惨殺死体。身元が分かる物はなく、凶器も見つからなかったのだが、検死を担当した監察医・レンは死体が冷凍されていたと推測し、それを聞いたニューオリンズ市警の刑事・ルルーは2週間前に同じくバイユーで発見された女性の死体との関連性に気付いた。さらに、現場には2つの事件のつながりを示唆する犯人からのメッセージが残されており、連続殺人犯がさらなる犯行を目論んでいる可能性が高まった。集まった証拠品の中に、自分の記憶を刺激するものがあることに気付いたレンは、一連の犯行は自分に向けられた挑戦ではないかと直感する。一方、バイユー内の広大な敷地に住む連続殺人犯・ジェレミーは拉致してきた「客」を敷地内に放ち、追い詰めて殺すという「人間狩り」に耽っていた…。
ストーリーは探偵役となるレンと殺人犯・ジェレミーがそれぞれの視点で語る章が交互に繰り返されて進み、最初から犯人は分かっている。従って物語のポイントは犯人探しや動機の解明より、サイコパスと病理学者の知恵比べ、互いが命をかけて追い詰め合うサスペンスにある。そして迎えるクライマックスには、思いがけない仕掛けが隠されていた。この仕掛けをどう捉えるか、好きか嫌いかで評価が大きく異なる作品である。
サイコ・サスペンス好きならまずまず楽しめるが、謎解き、心理サスペンスが好きな人にはやや物足りない。読者を選ぶ作品である。

iisan
927253Y1

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