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このやさしき大地



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このやさしき大地

このやさしき大地の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

川の向きが変わるたびに世界は広くなる・・情感豊かなロードノベル

エドガー賞をはじめ数々の賞に輝いた「ありふれた祈り」の姉妹篇。大恐慌時代の中西部を舞台に、過酷な環境の寄宿学校を逃げ出した孤児の少年が擬似家族である三人の仲間と共に探し求める家(ホーム)がある信じるセントルイスまで川を下って行くロードノベルであり、成長物語である。
大恐慌時代のミネソタ州で孤児となった12歳のオディが兄のアルバートと一緒に預けられたのは、インディアンのための寄宿学校だった。「黒い魔女」と呼ばれる冷酷な女性院長が支配する施設は児童虐待も日常で、我慢できなくなったオディはある事件をきっかけにアルバート、インディアンの少年モーズ、竜巻で母親を亡くしたばかりの6歳の少女エミーと共に施設を逃げ出した。4人が目指したのは叔母の住むセントルイスで、唯一の交通手段であるカヌーでミシシッピ川まで下ろうという冒険旅行だった。まだ少年の4人が大恐慌で荒れた世の中を巡る旅で出会ったのは善良な人々も悪人もさまざまで、想像以上に波瀾万丈な出来事の連続にオディは社会に対する目を開かされるのだった。
仲間の3人をはじめ関係者が個性的で、冒険に満ちたロードノベルが楽しめる。大恐慌時代という舞台設定も興味深い。しかし、何よりも施設育ちで世の中を分かっていなかったオディが迷いながらも理想の家族を信じて進む姿が清々しい。ロードノベル、成長物語のファンには絶対のオススメ作である。
なお、著者は別項となっている「ウィリアム・K・クルーガー」と同一人物であることにご注意を。

iisan
927253Y1

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