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ブート・バザールの少年探偵



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【この小説が収録されている参考書籍】
ブート・バザールの少年探偵 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ブート・バザールの少年探偵の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ミステリーを期待してはいけない

インドの女性作家のデビュー作であり、2021年度エドガー賞の最優秀長編賞受賞作。しかし、ミステリーというより少年冒険小説ととらえるべき作品である。
インドのスラムに暮らす9歳の少年・ジャイは、同じ地域の同級生が行方不明になったのに学校も警察も真剣に対応しようとしないことから、親友二人を助手に誘って探偵団を結成し、張り切って捜査に乗り出した。親から行ってはいけないと言われている地域にも出かけ、怖い人や親切な人たちに話しかけ、同級生を見つけようとするのだが、何の成果も上がらないうちに他にも子供が失踪する事件が相次いだ。事件の背景には恐ろしいたくらみが隠されており、やがては安全なはずのジャイの家族にも災いが訪れようとしていた……。
ジャーナリストとして教育や子供の問題の取り組んできた経験に基づき、インドの貧困がもたらす悲劇を追及した作品だが、9歳の少年の目を通すことで社会悪断罪一辺倒の書にはならず、子供の夢や希望にも目を配ったエンターテイメントに仕上がっている。通常の報道では目に触れないインド下層社会のリアルが読みどころと言える。
謎解きやサスペンスは期待せず、未知の世界に旅するような好奇心で読むことをオススメする。

iisan
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