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デセプション・ポイント



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デセプション・ポイントの評価: 6.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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No.1:
(7pt)

デセプション・ポイントの感想

歴史×ミステリーが好きだと言っておきながら、ダンブラウンは初めて読みました。「天使と悪魔」や「ダヴィンチコード」は既に映画で見てしまったのでそれ以外と思って探していたら、テーマも好みに合いそうな本作をこのサイトで見つけました。ダンブラウンは、もっと歴史蘊蓄を語るのが大好きといった思い込みをしていましたが、本作は期待とは違っていました。それでも科学空想+政治陰謀といったabsintheの大好きなジャンルでした。

本作は、NASAが北極で科学上の大発見をしたけれども実は発見は捏造で、それは誰が何のために仕組んだのか?という流れで進みます。発見が捏造であるというのはネタバレではありません。冒頭の4ページで読者にばらされています。タイトル自体がデセプション(欺き)ですしね。
NASAの存続を標榜する現職大統領とNASAの分割民営化を訴える上院議員の対立と、捏造を隠ぺいしようとする組織と暴こうとする主人公たちの対立が見ものになっています。最後には実は黒幕が……という大どんでん返しがあって仰天します。(absintheは、すっかり騙されました。少しズルイとは思いましたが。)そしてラストにもう一回ぎゃふんとさせられサービス満点です。
まったく想像で根拠なしに、ダンブラウンという作家はもっと繊細で緻密なのかと思ってましたが、ケレン味たっぷり豪快で大胆な作風で、アクションも冒険ものに引けを取らないくらい面白かったです。ダンブラウンは、むしろジェームズロリンズやクライブカッスラーに近いのですね。

absintheは大満足ですが、アクションより緻密な話が好きな人に向いていません。
悪の陰謀組織と暴こうとする正義の人という単純な勧善懲悪はかろうじて避けています。しかし、賄賂の話や陰謀に加担する人々の描写はやっぱり紋切り型の感がぬぐえません。
政治駆け引きに関する会話は、全体的に底が浅い印象を受けました。NASAをめぐっての討論でテンチがいう「NASAを全廃か存続かの2択で答えなさい」という問いかけは幼稚で、トンデモ論者に典型的によくあるパターンです。「お前、先生が死ねって言ったら死ぬのかよ。」みたいなレベルであまり知性が感じられません。こんな挑発に簡単に乗ってしまうセクストンも情けなく、NASAの諸問題を討論の時にはじめて考えたようにしか見えないのです。ある程度単純化しないとスピード感が損なわれるので致し方ないのですが、良くも悪くも底の深さよりスピードを優先した作品となっています。
発見が捏造であることは既に読者に明かされているので、小説の冒頭から捏造が暴かれるまではだいたい先が読めてしまいます。途中で急展開してから俄然面白くなってきて退屈だったことなど忘れてしまいますが、それ以前に止めてしまう人もいるかもしれないと思うと残念です。

absinthは読み終わるまで知らなかったのですが、本作も映画化されていたようで、確かに映画化しやすい話だなぁとは思いました。absintheはまだ未見です。


▼以下、ネタバレ感想

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absinthe
BZLMTCHK

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