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鷲は舞い降りた



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鷲は舞い降りたの評価: 8.25/10点 レビュー 4件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.25pt

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No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

鷲は舞い降りたの感想

チャーチル暗殺を命じられたドイツ軍特殊工作部隊のお話です。でも、設定だけ見て凡百の戦争冒険アクションと混同してはいけません。

シュタイナー中佐(主人公は)ユダヤ人少女を助けたばかりに上官と対立し、反逆者の罪を追わされます。この過程からして格好よく、上官に投げつけるセリフもきっちり心に残っています。長いものに巻かれることができず、人間としての誇りにこだわる硬骨漢なのです。
これだけ読むと単細胞の熱血漢を連想するかもしれませんが、彼の行動は万全の準備をしたチェスプレーヤーの如く、常に冷静です。
冷静沈着にして豪胆。古き良き騎士道精神を残した冷徹な熱血漢という感じです。
懲罰として自殺に等しい作戦を命じられた主人公は、限られた時間で絶望的な状況を克服しなければなりません。主人公に絶対の信頼を寄せ、彼のためなら命を捨てることも厭わない忠実な部下たちが献身的にサポートします。その関係もまた感動的です。これだけ壮大な設定を与えられながら、アクションはむしろ控えめでケレン味はなく質実剛健な仕上がりです。

とにかく主人公と周辺の登場人物がみなカッコイイのです。
読んでから20年も経つのに人物の印象が鮮明です。
限られた時間の中で、登場人物たちはみなぎりぎりの選択をします。彼らが見せる各瞬間の選択がどれもこれも背景を連想させて、人物にとてつもない厚みを与えています。

結末は悲しいです。でも本書に他の結末はありえなかったでしょう。

映画にもなりましたが、映画の方はイマイチでした。

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戦争アクションで、殺した敵兵の服をちょいと拝借して・・というくだりを軽く扱いすぎている小説も散見されますが、重大な陸戦条約違反です。
本書は、その重大さがきちんと描かれていますが、そういった細部の扱いが甘い小説は、本書の後に読むと全部物足りなくなってしまいます。


▼以下、ネタバレ感想

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absinthe
BZLMTCHK

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