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IQ2



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【この小説が収録されている参考書籍】
IQ2 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

IQ2の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

報われない奴だなぁ、IQは。

デビュー作「IQ」がシェイマス賞など3つの新人賞を受賞し、MWA、CWAの最優秀新人賞にもノミネートされた日系人作家の第2作。シリーズ物の基本に忠実に、しかも話のスケールをでかくして成功した傑作ハードボイルドミステリーである。
IQは、亡き兄・マーカスの恋人・サリタから「妹・ジャニーンがギャンブルで泥沼に入り、高利貸しに苦しんでいるのを助けて欲しい」と依頼され、腐れ縁の相棒・ドッドソンとともにラスベガスに赴いた。ところが、ジャニーンは恋人のベニーと二人で金を作ろうとして中国系マフィア三合会の秘密を盗み出したため、高利貸しに加えて中国系マフィアからも追われていた。凶暴なギャングたちを相手にIQとドッドソンは知恵を絞って二人を助けようとする。同じ頃、マーカスの事故死に疑問を抱き続けてきたIQは、マーカスを轢いた車の廃車を発見し、マーカスは意図的に轢き殺されたのではないかという推論を組み立てた。そして、二つのエピソードが交わる場所でIQは壮絶な戦いに巻き込まれ、命の危険にさらされるのだった・・・。
前作では舞台がLAに限られていたのが、本作はラスベガスまで広がり、さらに関係して来るのも黒人、ヒスパニックに加えてアジア系ギャングが登場し、より複雑な展開を見せる。基本的には地元密着で、わずかな報酬でもめ事を解決するボランティア的探偵のIQだが、本作では大金を動かす組織犯罪を相手に派手なアクションでイメージを一新させた。その分、従来のPIもの、アメリカン・ハードボイルドに近づいて、前作のようないい意味での特異な軽さが減じているのが、ちょっと惜しいのだが、まさに現代のストリートを反映した傑作エンターテイメントであることは間違いない。
シリーズ物なので、まず前作から読み進めることをオススメする。

iisan
927253Y1

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