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フクロウの囁き: オスロ警察殺人捜査課特別班



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【この小説が収録されている参考書籍】
オスロ警察殺人捜査課特別班 フクロウの囁き

フクロウの囁き: オスロ警察殺人捜査課特別班の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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No.1:
(7pt)

常軌を逸した犯人、と、捜査陣

オスロ警察殺人捜査課特別班シリーズの第2作。前作と同じミアとムンクのコンビを中心とする特別班が、儀式のような奇怪な演出が施された少女殺害事件を捜査する、サイコ・サスペンスである。
フクロウの羽根を敷き詰めた上に横たえられた少女の遺体は口に白い百合の花を差し込まれ、ガリガリにやせていた。しかも、死体の周囲には5本のロウソクが五芒星のカタチに置かれていた。特別班の班長・ムンクは、6ヶ月前に復帰させた天才捜査官・ミアを中心に個性豊かなメンバーたちを率いて、この陰惨な事件の解明に取り組むのだが、犯行動機すら推測できず、捜査は泥沼にはまり込んでしまう。さらに、ミアは薬とアルコール漬けが抜けておらず、自殺願望に囚われており、ムンクは10年前に別れた妻の再婚話に動揺し、班の主要メンバーであるカリーは婚約者とのトラブルで壊れかけていた。常軌を逸したサイコパスの犯人に対し、常軌を逸しかけている捜査陣は事件を解決に導くことが出来るのだろうか・・・。
前作同様、かなり奇怪な犯行で、その様相の描写だけでかなりスリリングだし、次々に怪しい人物が登場する捜査プロセスもきちんとしているのだが、前作同様、最後の最後で物語の構成が崩れ、緊張感が失われている。犯人と捜査官の手に汗握る知恵比べ、犯人を追いつめるサスペンスが乏しく、事件の背景の掘り下げも途中までは興味深いのだが、最後には「何、これ?」というバランスの悪さ。犯人が精神のバランスを崩しているというのはサイコものとして当然なのだが、捜査官まで精神のバランスに問題があると、北欧警察ミステリーでは肝になるリアリティが薄められてしまう。
前作よりパワーダウンしているが、シリーズ愛読者なら楽しめるだろうし、北欧警察ミステリー、サイコ・サスペンスファンにもオススメできる。

iisan
927253Y1

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