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僕が愛したすべての君へ/君を愛したひとりの僕へ



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僕が愛したすべての君へ/君を愛したひとりの僕への評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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(8pt)

僕が愛したすべての君へ/君を愛したひとりの僕への感想

並行世界の存在が実証された世界におけるSF恋愛小説。☆8(+1好み)

2つの作品『僕が愛したすべての君へ』/『君を愛したひとりの僕へ』で1セット。上下巻という意味ではなく、どちらから読んでも楽しめる作品です。
私の読書順序は『僕愛』→『君愛』の順で読んだ後、→もう一度『僕愛』を読みました。

どちらから読むかの参考として
『僕愛』の方は作品の構造を曖昧とし、登場人物達のドラマをメインで楽しめます。
『君愛』の方は作品の構造が明確になり、世界設定を把握して楽しむ作品となります。

ミステリ―好きの人は『僕愛』→『君愛』の順序が良いかと思います。普段から序盤は謎で最後に真相がわかるような作品を読み慣れていますのでこの順序の方で問題なく楽しめます。一方、よく分からない事が苦手で全容がわかった上で作品を楽しみたい方は『君愛』→『僕愛』となります。

時間ものの恋愛作品において、本書の特徴として面白いなと感じたのは、並行世界が全員に認識されている事です。その設定で恋愛要素が含まれると、違う世界線での恋愛に抱く感情はどのようになるのかが興味深く読めました。今の時間軸の恋人と、違う時間軸の恋人を大切にした場合、並行世界を認識している恋人の視点からは嫉妬や羨みの感情はどのような形で納得するのかとか、夜の関係や結婚の瞬間に対してはどうかなど、なかなか踏み込んだSF作品として楽しめました。表紙はライトノベルっぽいですがしっかりと早川書房のSFだなと感じた次第です。

全てを読んだあとでハッピーエンドなのか、そうではないのか、読者に委ねられます。読者がどの世界やキャラをメインで考えるのかで変わる事でしょう。恋愛アドベンチャーゲーム(ある意味平行世界)やSF作品、特に某有名なSF映画の結末に近しいものもあるので、この手の作品はそういう所に落ち着くのかなと感じる次第でした。何はともあれこの手の作品は好みなのでとても楽しい読書でした。
単体でそれぞれ2作品の結末を楽しみ、両方を読むとその関係性をメタ的に俯瞰できる面白い試みの作品でした。

egut
T4OQ1KM0

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