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横浜1963



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【この小説が収録されている参考書籍】
横浜1963
横浜1963 (文春文庫)

横浜1963の評価: 5.00/10点 レビュー 1件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt

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No.1:
(5pt)

横浜1963の感想

「社会派ミステリー」のキーワードで上位にピックアップされた作品。
そういう理由で手にした一冊であるが、著者作は初読みとなる。
60年代前半の横浜を舞台にした作品で、二人の登場人物が、日本人女性惨殺事件の犯人を追いかけるという基本ストーリー。
その一人が、主人公の日本人でありながら見かけは全くの白人であるハーフ警官ソニー。もう一人が、副主人公で、逆に米国人でありながら見かけは全くの日本人である日系三世の横須賀基地所属のSPショーン。
ただし、単なる犯人探しがテーマではない。
主題は60年代当時の米軍基地がある街の雰囲気・空気感をモノクロ的に描きながら、混血児に対する日本人の偏見、白人の有色人種に対する差別意識、戦勝国民の敗戦国民に対する侮蔑感。こうした風潮を事細かく写出していく。
そういう意味で、本書は徹底した社会派小説であり、ミステリー要素はそれらしくどんでん返しを準備してはいるが、あくまでも付録である。

さてでは、社会派という面で本書を評価すると、二人の主人公たちを含めて、全てが良くも悪くもステレオタイプで、今さら感満載。もっと、その裏の隠された内面・意識を読みたい。
ミステリー面でも、犯人の犯行心情が画一的で面白く無く、また被害者たちの内面が全く描かれていない。そういう意味で、形式的。
また、60年代前半東京オリンピック前年の雰囲気も、いまいち、書き込み不足。物足らなかった。

ということで、評価は中庸の5点とした。

マッチマッチ
L6YVSIUN

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