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テミスの剣



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【この小説が収録されている参考書籍】
テミスの剣
テミスの剣 (文春文庫)

テミスの剣の評価: 7.00/10点 レビュー 7件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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(9pt)

テミスの剣の感想

冤罪をテーマにした作品ですが、冤罪被害者とその家族にとどまることなく、日本の司法制度そのものに一石を投じた社会派ミステリーです。
メッセージ性の高い作品を多く世に出す作者ですが、その中でもこの作品は際立っているかも知れません。
テミスは、右手に権力を意味する剣を、左手には正義を測る秤を携える法の女神。
警察官、弁護士、裁判官。
彼ら或いは彼女らは、普通の人が持ち得ない「人を裁く力」を持っている特殊な人種である事を改めて思い知らされる。
そんな彼らが過ちを犯した。
人一倍に責任を感じてしまう者、開き直る者、狡猾に他人を陥れようとする者、そして模範囚の仮面を被って出所してくる改心ゼロの真犯人。
更に、一方で全てを隠蔽せんとする巨大な力。
権力に媚びず、組織に背を向け、自分の信念を貫く一人の刑事。
この異端児を格好いいとは思えなかった自分は未熟なのだろうか。
全編通してずっしりと重く、決して面白い作品ではないのだが、色々考えさせられた作品である。
高野和明「13階段」を読んだ時と同じ胸のつっかえを感じた作品。

それにしても、この作者さんの作品は最初から順番に読んでいかないとダメですねー。
作品間のリンクが半端ない。

梁山泊
MTNH2G0O

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