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秘密資産



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【この小説が収録されている参考書籍】
秘密資産 (ハヤカワ文庫NV)

秘密資産の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

金融事件だが読みやすい

2012年のデビュー作「ブラック・フライデー」でシェイマス賞最優秀新人賞を受賞した実力派新人マイクル・シアーズの第2作。デビュー作と同じく、ウォールストリートで華々しく活躍していながら金融不正の罪で2年間服役して出所した元花形トレーダー・ジェイスンを主人公とする作品である。
一代で大手投資銀行を築き、大富豪として知られた銀行家が巨額の投資詐欺で逮捕され、拘置所で自殺した。遺族は、父親には30億ドルという巨額の隠し資産があるのではないかと疑い、ジェイスンに調査を依頼する。スイスに500万ドルの年金を隠してはいるものの当面の仕事にも金のやり繰りにも苦労していたジェイスンは、高額の報酬に惹かれて調査を引き受けた。自殺した銀行家の関係者への聞き取りからスタートしたジェイスンは、銀行家が麻薬組織のマネーロンダリングに加担していた疑いを深めていく。それと同時に、ジェイスン本人と家族にあからさまな脅迫が加えられるようになってきた。
投資詐欺やスイスのプライベートバンクを利用した資産隠しという金融犯罪を扱った作品だが、高度な金融知識がなくてもストーリーが理解でき、ミステリーとしてのストーリー展開もよく出来ているので、最後まで退屈することなく読みこなせる。さらに、ジェイスンと発達障害を持つ息子・キッドとの親子関係、あるいは離婚した妻、バーテンダーである父親などとの家族関係などが物語の背景として上手く描かれており、父と息子の心の交流を描いたハードボイルドとしても楽しめる。
このシリーズは好評を得ているようで、すでに3作目を執筆中だという。シリーズ作品なので第1作から読むのがベストだが、本作品から読み始めても問題なく楽しめること、請け合いだ。

iisan
927253Y1

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