とっても面白い。考えて、感じて楽しめる作品です。
社会の不条理な仕組を弱者の視点で表現する…そんな太田愛氏の作風が大好きです。
でも、先に読んだ「幻夏」でも感じましたが、脇の登場人物一人一人までもその生き様を大切にするがために、そこは読者の想像力にお任せ下さい…といった「too much感」が残るのが少し残念なところです。
そうはいっても、絶対おすすめです！

長い。長いけど登場人物のキャラがわかりやすく内容構成もしっかりとしてて余計な無駄がない作品でした。結末部分もう少し簡潔に絞ってもよかったのでは、、、。
個人的には巨悪を暴くところまで行って欲しかったな。

殺人者に追われっぱなしの3人がいよいよ反撃に転じる後半。そこからは更にスピード感があり、良かったです。隠蔽体質の企業とそれに立ち向かう内部の人間、病気と闘う家族、そして三人の絆、これらをつなぐ子どもを思う親の愛情とが絡み合って絶妙のストーリーでした。

▼以下、ネタバレ感想