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太陽の塔



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【この小説が収録されている参考書籍】
太陽の塔
太陽の塔 (新潮文庫)
太陽の塔〈2〉 (大活字文庫)

太陽の塔の評価: 6.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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No.1:
(6pt)

太陽の塔の感想

この作家の作品は、以前 『夜は短し~』と『有頂天家族』以来の久しぶりとなる。

その時には、巷で絶賛の『夜~』は理解が出来ず 続いて『有頂天~』では全く合わずに途中で断念したことから、この作家の作品はもう読むまいと思っていた。

今回なぜにこの森見作品に手を出したかというと、単に表題が気になったから。

個人的に、岡本太郎は 大のお気に入りなのである。

もともと京都の町屋で生まれ育ち、少なからず作品の主人公同様 「塔」には親近感はあった。子供の頃の太郎のイメージは、「芸術は爆発だ~」と喚いている変わったおっさんくらいしかなかったのだが、その後 抽象というものに対する知識がわずかながら増えて 彼の作品、特に「塔」に接した時に、ピカソに通じる 彼の天才性に衝撃を受けた記憶がある。

そんなこんなで、ほぼ表題だけで 久しぶりにこの作品に手を出した訳である。

読み始めて感じたのは、以前に比べ比較的入り込みやすかった。

内容としてはなんの事もない、青年がモテず振られた理由を、うまく回らない人生を自己弁護し現実逃避するために頭の中で「妄想」を繰り返す。

ただ その「妄想」レベルが、頻度もレベルも半端なく、言えばその妄想活劇だけで最後まで突っ切つのである。

なので、ある意味ついて行くには疲れる。

テンポはあるのの、非常に読みづらく 遅々として進まない。

しかし、昔を思い出して、そうそうこんな事を考えていたという記憶とともに若さに圧倒されながら、無意味に最後まで突っ切るパワーは、この年代にしか書けないものかと。

何とはなしに、万城目学のデビュー作「鴨川ホルモー」を思い出し、彼も森見とほぼおんじような経歴かと、外からやって来て京都で学生として過ごすうちに、京都という伏魔殿に取り込まれしまったということか。

ハードカバーの帯に遠藤周作の名を見て、なるほど狐狸庵先生の随筆もこんな感じだったなあと、昔読み耽った事を思い出しながら、なぜか郷愁に耽ることのできる作品であった。

とも
4ND5R58B

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