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【この小説が収録されている参考書籍】
窓
窓 (講談社文庫)
新装版 窓 (講談社文庫)

の評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

失われた家族に戸惑う若者たち

1991年の「鍵」と同じ兄妹を主人公にした、1996年の作品。よって立つ基盤を見つけられない若者たちの形のない不安が引き起こした殺人を描いた青春ミステリーである。
麻里子は高校3年になり、進学や恋愛など様々な場面で聾者であることから湧き上がる不完全感に苛立ち、自分の気持ちを整理できないでいた。そんな時、兄の友人で新聞記者の有作から毒入りジュース事件で容疑者にされた少年・直久が聴覚障害者と聞き、会わせてくれるように依頼する。突然現れた麻里子に戸惑う直久はぶっきらぼうな態度をとったのだが、直久が健聴者に向ける敵意が気になり、まりこは何とかコミュニケーションを取ろうとする。一方、毒入りジュース事件を起こしたケーキ屋の息子・恩は親の過干渉に苛立ち、胸の中で育っていく怒りを犯罪で解放しようとしていた。そんな三人が見えない糸で結ばれ、思いがけない事態が起きたのだった…。
事件の犯人は最初から明示されていて、謎解きミステリーではない。事件の背景となる家族の不確かさ、自分を信じきれない若さの揺れがメインの青春小説である。シリーズ作品だが、解説にあるように前作を読んでいなくても問題はない。軽いテイストの家族物語、青春ミステリーのファンにオススメする。

iisan
927253Y1
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

窓の感想

『鍵』の続編になる本書は、前作から半年後くらいでしょうか。
高校3年になり、耳が聞こえないと言う障害ゆえに進路や将来のことで塞ぎこんでいく主人公の麻里子。
自分の思うことの半分も伝えられないと感じるジレンマから、親友とも憧れの兄の友人とも少しギクシャクしてしまいます。
物語は最初から読者には犯人がわかっていて、その犯人の心理描写も絶妙と言うか、最近の悲惨な事件に共通するものがあるのではと思わずにはいられません。
また犯人を目撃し、容疑者と疑われてしまう同じ聴覚障害を持つ少年と出会うことで、少しずつ前向きに考え方が変っていくあたりは、同じような障害を持つ人にとっても素晴らしいエールになっているのではないでしょうか。最後の方で一皮向けたお兄ちゃんが少年に語る言葉がいいですね。


▼以下、ネタバレ感想

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たこやき
VQDQXTP1

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