「我慢しなくていいんですよ」　 天才的揉み師のお梅が、 あなたの身体と心の闇まで ほぐします。

江戸は神田の袋物屋・三島屋は風変わりな百物語で知られている。語り手一人に聞き手も一人。

自分を苦しめた相手を癒すーー。お葉が挑む、医療の険しい道。

村に染まれず、江戸に欠け落ちた男たち。当時の江戸は一季奉公の彼らに支えられていた。

神田界隈で、一家全員が突然、唄い踊り出していなくなるという事件が相次いだ。

無宿者と寂れた旅籠。

安芸津藩の改易で浪人となり、江戸で渡り用人として糊口を凌ぐ片桐弦一郎。

絵双紙本屋の紀の字屋に出入りする浪人・清七郎は、弱い者を見過ごしにできぬ性分。

神田連雀町の小間物屋『淡雪堂』の一人娘おゆきが突然姿を消した。

―旅姿の男を襲う二人の浪人。仲裁に入った片桐弦一郎は、仲違いで負傷した浪人を長屋に連れ帰る。

次期藩主の座をめぐる政争が幕府に露見し、安芸津藩はお取り潰しとなった。

吾妻橋―主君への忠義のため、惚れた女房を苦界に沈めた男。

将軍・徳川吉宗の命で、江戸城内で最強を誇る目付阪崎左兵衛尉を咎め、改易に追い込んだ惣目付の水城聡四郎。

女医桂千鶴のもとに重い下痢を訴える商人三人から立て続けに往診依頼が入る。

縁切り寺「慶光寺」に来て半月のおきよの亭主竹次郎が亡くなった。

片桐弦一郎の用人仲間である但馬佐兵衛が、何者かに殺された。懐中にあった大金が紛失している。

川に落ちた小娘を自ら飛び込んで救った渡り用人の片桐弦一郎。その人助けが噂になり、小大名小栗藩から仕事が舞い込む。

新大橋―逢瀬を重ねた男に裏切られた女を包む涙雨。赤羽橋―捨て子と知った少女。

主人公が江戸の切り絵図製作に携わる「切り絵図屋清七」、古本屋に集まる噂を追って主人公が真偽を〝見届ける〟 「見届け人秋月伊織事件帖」、女たちの愛の姿を炙り出す傑作人情譚を収めた「雪の果て　人情江戸彩時記」、 雇われ用人が武家などの建て直しを図る「渡り用人　

「消息を絶った密偵を捜してほしい」―縁切り寺慶光寺の御用宿「橘屋」の用心棒・塙十四郎は、元老中の楽翁こと松平定信から密命を受けた。

一人の武士の遺骸が河岸で見つかった。男は村塾の教師・梶与五郎。

自らの藩が取り潰しとなり浪人となった塙十四郎。

幼い頃、父母の喧嘩が元で顔に火傷を負ったお花。

楓川に架かる新場橋で人足姿の若者が迷子になった老人を背負って立ち往生していた。

両親の死の謎がようやく解け、江戸の隅田川沿いにある旅籠〈雪月花〉の女将・里緒は寂しさを抱きつつも懸命に仕事に打ち込んでいた。

江戸の華〈祭り〉をテーマに人気時代小説作家が競作! 宮部みゆき「三島屋変調百物語」の最新作など、読み応え十分のアンソロジー。

駆け込み寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」に、大店の薬種問屋「小国屋」の内儀おきくが駆けこんできた。

荒れ狂う海と未知の島、そして異国の民。

「八歳の女子が赤子を生んだ」「他人の墓石を勝手に磨いて回る何者かが出現」江戸旅篭町の古本屋「だるま屋」には公儀の裏事情から町の噂まで、さまざまな風聞が集まる。

柚月裕子の13年がつまった短編集 美しい花には毒がある 献身的に母の介護を続ける娘の楽しみとは……。

藍染橋の袂に診療所を開いている千鶴のもとに、身元の分からない白骨が持ち込まれた。

江戸の切り絵図屋・清七を主人公に描かれる、書き下ろし時代小説シリーズ第5弾。

上総の国から『橘屋』へやってきたおふきは夫の和助に離縁されたが復縁したいと言う。

「慶光寺」の御用宿「橘屋」に、身重の武家の妻女が駆け込んできた。

久里浜沖で流人船が難破した。助かったのは、流人の鹿之助ひとり。

橋上に芽生える愛、 終わる命… 情をもって剣をふるう、江戸・橋づくし物語 永代橋——桜の季節、愛しい男を待って橋の袂に佇む女。

縁切り寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」に雇われた元築山藩藩士の塙十四郎。

新大橋近くで旅の侍が何者かに襲われた。

江戸で大評判の伽羅油「花の露」を扱う桔梗屋の主、吉蔵が多額の借財を残して姿を消した。

軽微な罪で入牢していたおまちという女が、娑婆に出てまもなく、本所堅川の土手で無残な遺体となって見つかった。

女医者千鶴の助手をしているお道の幼馴染み・おふみが、許嫁の松吉にわけも告げず、吉原に身を売った。

縁切寺慶光寺の御用宿「橘屋」に、醤油問屋「紀州屋」の番頭がやってきた。

駆け込み寺「慶光寺」の主・万寿院の知人の娘・お結を、京から連れ帰ってきた「橘屋」の用心棒・塙十四郎。

昔の思い出に生きる女を救えるか、平七郎――。

立花平七郎は懇意の酒屋での聞き酒会の最中、巾着切りの少年を捕らえた。

縁切り寺「慶光寺」御用宿「橘屋」に、小料理屋「鶴亀屋」の仲居お勝が駆け込んで来た。

幼馴染みのおまつとの約束をたがえ奉公先の婿となり主人に収まった吉兵衛は、義母の苛烈な皮肉を浴びる日々だったが、おまつが聖坂下で女郎に身を落としていると知り…(「夜明けの雨」)。

縁切り寺「慶光寺」御用宿「橘屋」の雇われ人、塙十四郎は、捨てられていた赤子を拾い、慣れぬ子育てに悪戦苦闘していた。

弾正橋―生き別れになった母への切ない慕情。千住大橋―都落ちし、再起を誓った男女を襲う悲劇。

牢医師を務める千鶴は、子殺しの罪で小伝馬町の牢に入っているお勝から、娑婆に一人残してきた娘の暮らしぶりを見てきてほしいと懇願された。

江戸の切り絵図制作を始めて一年半。

長崎でシーボルトの警護役を務めていた井端進作が、役目の上の不手際で自害した。

新兵衛はお店に押し込んだ賊の目を見て凍り付く。故郷の桜の下、幼い友情を誓い合った日の記憶が浮かぶ(「百年桜」)。

ならず者の弥蔵が遺体で見つかった。

武家を捨て、町人として生きる決意をした清七郎改め清七。

神田川沿いで岡っ引の彌次郎の刺殺体が引き上げられた。