無実はさいなむ

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初版刊行(参考)
種別
長編
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4,059回
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3
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8
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あらすじ

2004年06月30日 無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

慈善家の老婦人が殺され、評判の悪い養子のジャッコが逮捕された。彼はアリバイを主張したものの有罪となり、獄中で死んだ。それから二年後、外国から帰ってきた男が、ジャッコの冤罪を告げに遺族の住む屋敷を訪れた。が、その来訪は遺族にとって迷惑だった。落着したはずの事件が蒸し返されることになったのだ。(「BOOK」データベースより)

評判

無実はさいなむの評価:

0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク

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無実はさいなむの総合評価:

8.36/10点 レビュー 28件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.28
(5pt)

読むべき一冊でした。

アガサ・クリスティーファンなら是非!
「春にして君を離れ」を先に読んでからだと尚更彼女の凄さに身震いします。
無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300929
No.27
(5pt)

最後の最後まで謎解きを

他にはない設定で、読むほどに引き込まれる。探偵は登場しないが、ドラマチックな展開で一気に読み終えました!秋の夜長にぜひ。
無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300929
No.26
(5pt)

カップル成立数が最高クラス

母親を殺した罪で投獄された息子が、病気で獄中死します。
独裁的で疎まれていた母親と鼻つまみ者の息子が居なくなって、他の家族はそれなりに仲良く暮らしていましたが、息子の無実を証明する証人が現れたことで事態は一変。
誰が真犯人なのかお互い疑心暗鬼に陥ってしまいます。

こんなストーリーなので登場人物はよく作り込まれており、家族一人ひとりの葛藤や苦悩が丁寧に描かれているうえ、それらが上手く物語に絡めてあります。
大仕掛けのトリックはなく、登場人物の個性も控えめで、全体的に大人しい印象ですが、上述の通り人物造形や心理描写に重きを置いた作品かと思うので、静かにじわじわと惹き込まれていく質の高さを感じました。

唯一、残念だったのが探偵役です。
正義感が押し付けがましく、その正義も理解はできるものの自己満足からきているように見えて、最後まで好きになれませんでした。

ちなみに終盤の怒涛のカップル成立にはちょっと笑ってしまいました。
クリスティーの作品にはよくあることとはいえ、この成立数は最高クラスではないでしょうか。
無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300929
No.25
(4pt)

死してなお、家族を縛(しば)る婆さんが恐い

予想してたよりかなり面白く、読みごたえがありました。巻末解説に《愛すべき失敗作》とタイトルがついてるけど、失敗作だとは思わなかったけどなあ。濱中利信氏の解説文にある《本書の最大の難点は、事件に対する視点が一定していないことにあるのでは》p.427 にしても、私は違和感を感じなかったし。作者が上から俯瞰(ふかん)して物事を眺めている視線、登場人物たちにその眼差しを照射して語らせている味わいがあって、これはこれでありなんじゃないのと思ったんだけど。

本作品でまず印象に残ったのは、二年前に殺されたレイチェル・アージルという人物のキャラクターでした。この人、クリスティーの『春にして君を離れ』の主人公・ジョーンの系譜に連なる人かなあと。
自分では自覚せずに他者を抑圧し、彼らの自由を奪っている人。一見、大人物の立派な人とも見えますが、その実、自己満足の塊と言ってもいい独裁者。殺されたこのレイチェルって婆さんの養子として引き取られた某人物の次の台詞など、ぞっとしちゃいましたよ。
《「わたしが憎んだのは、お母様がいつも正しいことばかりしていたからよ」(中略)「いつも正しい人間なんて、こわくない? 見ていると、こっちが無能力者みたいな気持ちになってくるわ。(後略)」》p.308

もう一つ、本書の肝(きも)としてスリリングで面白かったのは、過去の事件が蒸し返されたことによって起こる家族間の疑心暗鬼、そのぞくぞくする恐怖でした。それは、次の文章に要約されるものです。
《「あの一家に嫌疑がかかるとすれば、その嫌疑は永いあいだ──たぶん永久に晴れないかもしれません。そして真犯人が家族の一員だとすれば、それが誰なのかということは、かれら自身にも分からないのです。アージル家の人びとは、お互いに顔を見合って、疑心暗鬼で‥‥‥そう、それが一番おそろしいことではありませんか。誰かが犯人なのに、それが一つの家のなかですら分からないという‥‥‥」》p.84

小笠原豊樹の訳文。初出は1960年なので、今から六十年以上前の訳文です。ですが、ほとんど違和感なく読んでいくことができました。古びていない、しっかりとした訳文だなあと感じました。

それと、文庫の表紙カバーの写真が、なかなかに意味深なものではないですか。大きな環(わ)に、いくつもの環がからまって付いている鎖(くさり)の写真。これあたかも、作中のアージル家を暗示しているみたい。ふと、ショスタコーヴィチの『交響曲第5番』の音楽が脳裏をよぎりました。妙なさむけを覚えました。
無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300929
No.24
(4pt)

死してなお、家族を縛(しば)る婆さんが恐い

予想してたよりかなり面白く、読みごたえがありました。巻末解説に《愛すべき失敗作》とタイトルがついてるけど、失敗作だとは思わなかったけどなあ。濱中利信氏の解説文にある《本書の最大の難点は、事件に対する視点が一定していないことにあるのでは》p.427 にしても、私は違和感を感じなかったし。作者が上から俯瞰(ふかん)して物事を眺めている視線、登場人物たちにその眼差しを照射して語らせている味わいがあって、これはこれでありなんじゃないのと思ったんだけど。

本作品でまず印象に残ったのは、二年前に殺されたレイチェル・アージルという人物のキャラクターでした。この人、クリスティーの『春にして君を離れ』の主人公・ジョーンの系譜に連なる人かなあと。
自分では自覚せずに他者を抑圧し、彼らの自由を奪っている人。一見、大人物の立派な人とも見えますが、その実、自己満足の塊と言ってもいい独裁者。殺されたこのレイチェルって婆さんの養子として引き取られた某人物の次の台詞など、ぞっとしちゃいましたよ。
《「わたしが憎んだのは、お母様がいつも正しいことばかりしていたからよ」(中略)「いつも正しい人間なんて、こわくない? 見ていると、こっちが無能力者みたいな気持ちになってくるわ。(後略)」》p.308

もう一つ、本書の肝(きも)としてスリリングで面白かったのは、過去の事件が蒸し返されたことによって起こる家族間の疑心暗鬼、そのぞくぞくする恐怖でした。それは、次の文章に要約されるものです。
《「あの一家に嫌疑がかかるとすれば、その嫌疑は永いあいだ──たぶん永久に晴れないかもしれません。そして真犯人が家族の一員だとすれば、それが誰なのかということは、かれら自身にも分からないのです。アージル家の人びとは、お互いに顔を見合って、疑心暗鬼で‥‥‥そう、それが一番おそろしいことではありませんか。誰かが犯人なのに、それが一つの家のなかですら分からないという‥‥‥」》p.84

小笠原豊樹の訳文。初出は1960年なので、今から六十年以上前の訳文です。ですが、ほとんど違和感なく読んでいくことができました。古びていない、しっかりとした訳文だなあと感じました。

それと、文庫の表紙カバーの写真が、なかなかに意味深なものではないですか。大きな環(わ)に、いくつもの環がからまって付いている鎖(くさり)の写真。これあたかも、作中のアージル家を暗示しているみたい。ふと、ショスタコーヴィチの『交響曲第5番』の音楽が脳裏をよぎりました。妙なさむけを覚えました。
無実はさいなむ (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-30) Amazon書評・レビュー: 無実はさいなむ (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-30)より
4150700303

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