■スポンサードリンク
egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数54件
閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
吹雪の中、列車事故が発生。近くのホテルに避難したものの、そこで殺人事件が発生する。外はマイナス20度の猛吹雪。作者のクリスティに捧げる意気込みや、シチュエーションが最高!と思って購入したのですが、個人的には期待外れの内容でした。
実際読んでみると乗客の数は200名超え。1人、2人と被害者が増える中、登場人物の発言で『そして誰もいなくなったを思い出した。』とクリスティとの結び付けの表現があるのですが、いやいやいや、先長っ!と、ツッコミ入れてしまう心境です。 ミステリとしてもクリスティ的なサスペンスとしても惹き込まれる要素が自分にはありませんでした。また、実は本書がシリーズの8作目だった事に若干困惑。主人公の同性愛の設定がシリーズ序盤で社会へのメッセージとなっていた事や、途中で現れる知人など、本書から読むと設定がわからず混乱してしまいました。 さて、舞台となるホテル『フィンセ1222』は実在するホテルでした。読後知りましたが、読む場合は最初に見ておくと良いです。 『連絡通路が車両でできている』事や、200数名の乗客が猛吹雪の中到着できる線路近くのホテルなど、どんな感じなのか、あまりイメージが掴めなかったのですが、実在するホテルの外観を見て合点しました。 フィンセはスターウォーズEP5の撮影場所になっていたりと、知る人は知っている有名スポットな模様です。 勝手に期待してしまった事もあり、ミステリとしては好みに合わない本でしたが、ノルウェーの気候や人柄、観光スポットを知るうえでは楽しめた本でした。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
作者と担当編集者の方は、過去2作と違う人でしょうか?そんな風に思うほど違う印象。
今までと違い、話のテイストを変え、今作では趣味全開のノリノリで描く作者の楽しそうな姿が見えます。キャラや会話のテンポは良いのですが、独特な世界観の情報が不足で、頭の中に情景が浮かび辛い作品でした。編集の整え方が過去と違うのかと思うぐらい読み辛いのも難。 私はゲームもRPGもミステリも好き。ライトノベルも問題なし。だけど本作は合わなかったです。商業作品というより作者の趣味本であると思いました。 章タイトルから感じるスクエニ系のゲームネタや、ゲーム・アニメの定番のセリフなど、クスっときました。超能力ネタなどミステリとして活用されているよさもあります。ただなんというか、全体としてピタっと結びつく考えられたものというより、ネタの詰め合わせの印象です。 過去2作はミステリの根底を大事にしつつ悪ふざけのノリを小出しにしてましたが、本作は逆の作りで趣味全開でした。 期待とのギャップでの点数となりますが、合いませんでした。 ただ作品は気になる作家さんなので、今後も期待で買ってしまう魅力があります。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
多くの死傷者を出した爆発事故の最後の1分間について、1章を1秒間として描く物語。
試みが非常に面白くて興味がわきました。最後の1分間を深く掘り下げ、爆発事故の被害にあった、ごく普通の一般人の人生の一コマを描いているわけです。 ただ、たった1分間の物語なのに非常に内容が把握し辛かったです。 まず、1秒を描く特性から場の状況を事細かに説明されます。会話文は秒数が掛かるので殆ど使用せず、誰々がどこにいて、何があって、周りはこんな状況でと言った具合の文章。さらに登場人物が60数名もいるので、人物と場面切り替えが頻繁で把握が困難でした。 これだけ多くの無関係の人々が一瞬の爆発事故で被害にあったんだと言う訴えはよく感じましたが、小説の面白さとしては、主要人物は10人以下でもう少し把握しやすかったらよかったのにと思う次第でした。 せめて被害者一覧や現場状況の図は本書冒頭にほしかったです。名前や場所が把握できるだけでも本書は随分楽しめやすくなると思います。 1秒の描写にしてはとても長く感じられるのも違和感でした。最後の5秒ぐらいはテンポが良かったです。 勝手な想像で、もしかしたら個々の行動を正確に追っていくと、被害者の入れ替わりや、事件の黒幕が中にいると言った仕掛けがあるのかもしれません。が、本書にはそれを読み解きたくなる魅力が得られなかったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
特殊な環境の心理模様に定評がある著者の作品ですが、この作品は正直好みに合いませんでした。
あらすじ通り、ゾンビが存在する世界を演じる物語。 『死体が蘇る……』と訴える精神病を患ってしまった深雪の為に、ホームセンターの閉ざされた空間内でゾンビが存在する世界を演じて、深雪を認めてあげながら徐々に正気を取り戻す治療を試みるお話。 読者に対して序盤から虚構を明かしている為、ゾンビに襲われる!というイベントが起きても緊迫感がありません。 ホームセンターやら演出などは確かにゾンビ映画の定番を活用しており、分かるネタが見つかるとクスっときますが、それでも何か滑稽な演劇を見ているような気分でした。 思わぬ闖入者が混じり虚像劇がうまくいかない展開や、そもそも何故深雪がこのような精神病になっているのかなど、謎やサスペンスの要素はある事はあります。 ただどうも他の著者の作品と比べると、脱出したい、生き残りたい、といった渇望の目的がありません。今回は各人の狙いがバラバラで根幹となる目的がよく分からず、どこにも感情移入ができなかったので面白さが感じられませんでした。 面出しの状態で本屋で並べてあったのですが、、、何か話題になったのか。ただの書店員の好みだったのかと不思議に思う次第。 ▼以下、ネタバレ感想 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
『死神の精度』の続編で本作は長編。
率直な感想としては好みではない。前作が好きだっただけに期待値が上がってしまいました。 まず、自分が気に入っていた死神像の千葉は短編で活きているんだと気づきました。普通の人間と感性が違い、一般人とはちぐはぐなになってしまう会話も短編毎で初対面の人物同士のやりとりではクスっとくるのですが、長編で同じ人物とずっと続けていると、この人たち大丈夫か?となります。作中でも苦労してそうで、千葉さんは不思議な人だ。と、割り切ってまとめている様子が感じられました。 物語はどうかと言うと、作者の他の作品でも感じる『悪意に満ちたキャラクター』が登場するのですが、それが強調されすぎています。悪意のキャラはサイコパ スであり、主人公の娘を殺した後日からのストーリー。主人公達はこのサイコパスへの復讐劇の話でして、悪意でドロドロしていて重く、千葉が登場する死神のシリーズとは別でやってほしかったと言うのが正直な感想です。 話を和らげようとする千葉のコミカルさはなんか苦しかったり。結末もなんだかしっくりきませんでした。 死神として関わる生と死を考えるような題材は本作は弱く、千葉のユニークなキャラクターを使ったという、望んでいたシリーズとは別物の印象でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
本書は単品作品としては楽しめず、1作目『リライト』2作目『リビジョン』を読んでいて、なおかつ設定を事細かく把握していないと楽しむ事ができません。
1作目『リライト』のタイムパラドックスにおける不可思議さ、理不尽さ、なんだかわからない様子も想像で楽しめる良さが利点となっていたのですが、2作目、3作目と順を追うごとに蛇足というか前作の解説本になってしまっている感じが好みに合わずでした。 前作までの設定をちゃんと把握していないと、実はこうだったと驚きの真相を言われてもちんぷんかんぷんで、楽しむ為の敷居が高いと感じます。 個人的には1作目『リライト』単品だけでシリーズは完結している事にします。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
1作目のリライトは好み。3作目の評判が良い為、間の2作目を読書…。
が、これは訳が分からず正直面白くなかった。 注意事項として、まず本書『リビジョン』は単品作品としては楽しめません。 1作目『リライト』を読んでいる人が前提であり、扱うタイムパラドックスの話から、1作目の舞台裏でこんな事がありましたと、前作に助けを借りてしまっている点や、おそらく3作目の為の設定作りを感じる所が本書単品で楽しめず、橋渡し作品な印象です。 過去が変われば未来が変わる。すなわち、未来を変える為に過去を変える。時間作品の設定を理詰めで展開するのですが、こだわる点と大雑把で突如現れる設定が混ざり、ルールが崩壊してしまっているのが残念です。ミステリとしてもSFとしても何だか分かりませんでした。 3作目も購入済みなので、この破綻した内容が次作に、どう活きるのか見てみようと思います。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
意地悪な、おばあちゃんがガン宣告を受けて余命僅かだから、楽に死なせておくれ。と子供たちにお願いする。
痛かったり苦しいのは嫌。また、犯行がばれて捕まってしまっては元も子もないので、完全犯罪をしておくれ。 一番良い案を出したものに賞金をあげます。 と言った内容で、明るくユーモアに描いているとはいえ、個人的には不謹慎で合わず。 知能戦や驚きも感じず、古い本であるので、これも時代せいかなと思いました。 おばあちゃん+犯罪劇のミステリは、天藤真の『大誘拐』を思い浮かびます。おばあちゃんの知恵袋や年季が入った他人に動じぬ立ち振る舞いなど魅せる要素が本作にもあった所は良かったです。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
読中は色々と揺さぶられて良い本だとは思いますが点数は好みの問題で。
なんと表現したら良いか複雑ですが 真理子に起きた年齢がスキップしてしまった現象は、 第三者視点の読者と文章により、 綺麗で前向きに感じさせられてしまいますが、 我に返って考えれば、これは相当な悲劇です。 家族や関わる仲間たちに恵まれている暖かさを強調し、 全体的に柔らかで光が差し込むような心地よい印象を持たせてますが、 私にはそれが強がった仮面のような印象を受けてしまいました。 もっと真理子がパニックになってドロドロしていれば好みかと言えば違うのですが、 何と言うか他人事な気分で読まされた感じだった次第です。 疎外感はあったものの、 物事の教え方や学内の雰囲気はとても良い印象でした。 これは、著者が国語の先生という事もあり、 とても温かみのある言葉や感情がよかったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
映像制作合宿で起きる現実と虚構の事件。
現実と虚構の不確かさを魅力的に描くミステリ作品は多くありますが、 本作は分かり辛く物語が楽しめなかったのが正直な感想です。 何故こんなに把握し辛い読書になってしまったのか、 個人的に考えてみたのですが、それは『登場人物達の名前』が関係していると思いました。 よくある小説では人物の初見登場時には名前のルビを振りますが、それが本書にはありません。 人物紹介にもルビがありません。 それでいて名前が現代の子の名前なので、こう読むのだろう。と言う推測で読みます。 すると、文章中の名前の漢字が記号として頭の中で認識するのですが、 使用されている『漢字の形や印象』の重複が多いので混乱します。 "真壁"、"真由"、"真琴"、"真綾"、『真』が多いですし、 "遊佐"、"佐伯"、"佐織"で『佐』。 "大迫"と"佐伯"、で白 "彩菜"、"日菜子"、"晴花"で、菜や花のイメージ。 似ているものが多い為、読書中の無意識下で人物の分担がうまくいかなそうです。 さらに1人に対して、『名字』『名前』『あだ名』『偽名』で呼び合うので、 誰が誰で、現在このシーンに誰がいるのかわかり辛く、 さらに、章区切りで人物の視点も変わるので、物語の把握が困難でした。 名前を記号化して他の要素を引き立てる手法がありますので、 前向きに捉えれば 現実と虚構の交差や酩酊状態を演出する為に、意図的に設定した仕掛けかもしれませんが、 本書は物語に入れない状況になってしまい、私には合いませんでした。 逆に、名前の区別がしっかり出来れば作品の印象が変わる勿体なさを受けました。 2作目だからシリーズとして書く事になった気がするのですが、 前作をネタばれしないように気を使った書き方なども苦労に感じてしまい、 本書のネタとシリーズ化がミスマッチだった気もしました。 悪い事ばかりですみませんが、 前作が好みだったので少し残念でした。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
『少女たちの羅針盤』に続く2作目。
前作の結末後の話なのでネタバレなしに1作目は先に手に取られた方が良いです。 前作が好みで期待値が上がり過ぎてしまったか、 今作は謎と登場人物たちの魅力は分散していて複雑さが残った印象でした。 後輩達や先生方など関わる面々がドロドロしており、 なんか足を踏み入れては行けない所に来ちゃった不安だけが残ります。 そんな雰囲気なだけに前作で苦手だった渡見が自分の思いに真摯で輝いて見えました。 羅針盤のメンバーにまた会えたのは嬉しかったのですが、 言い換えれば、夢中になれた読みどころはそこかな。。 作中作の演劇のシナリオの「かいぶつのまち」は面白いと思いました。 演劇のシナリオは魅力があります。 またいつか羅針盤のメンバーが活躍する話を楽しみにしてます。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
毎年1冊刊行される倉阪先生のバカミス。
事件や物語の内容そっちのけで今年はどんな事をやっているのか、 ついつい気になって本を手に取ってしまう稀有な作家さんです。 もう、この手の本を読んできた人の為のマニア向けの本になっており、 かつ、その人たちは何を求めて本書を手に取るかは、作家さんも意識している為、 一筋縄ではいかないぞと、回を重ねる毎に複雑化してしまった印象を受けます 複雑故、物語に面白味が無いのが正直な所ですが、 事件中の大トリックやどんでん返しは脱力物で、 そことバカミス技巧を毎度繋げてくるのは面白いというよりは感心して、 今年も走り続けたな。。。とどこか遠くを見つめてしまう気分に浸ります。 年に一度の定期購読本ですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
|
||||
|
|
||||
【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
|
||||
---|---|---|---|---|
著者の本は初めてです。
短編集だからという訳ではないですが、 何か強烈なものを受けたという感覚が得られませんでした ただ、なんと言うかSF、ホラー、ミステリと 多種多様な小説を描いている方なだけあり、不思議な世界観を味わいました。 死後150万年前の死体に関する「更新世の殺人」については、 設定が「星を継ぐもの」を思い出し、SFかな?と思いきや、 ジャンルがバカミスなのもあり、そのまま脱力。 「遺体の代弁者」はSFホラーを感じさせる 記憶を移植した話で、これは設定含めて好みでした。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
デスゲームモノ。
著者の過去3作読んできているので傾向を踏まえての読書ですが、 これはダメでした。 緊張感が無かったりキャラが記号だったり、 そういうのは今まで通りなので全然問題ないのですが、 今回は楽しみ要素のゲームの内容にまったく魅力がありませんでした。 ゲームにしても、相手を自由に動かせる超能力者がいたり、 麻薬常習犯なので発言の内容は嘘か本当か自分でもわからない。 など、謎を考えても無駄であり、ルールが破綻してます。 過去作からルールが破綻していると言われているから、 今回は穴を隠す事なく全面的に崩壊させた投げやり感でした。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
|
||||
|
|
||||
【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
|
||||
---|---|---|---|---|
|
||||
|