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ちんちろりん さんのレビュー一覧

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レビュー数77

全77件 41~60 3/4ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.37:
(8pt)

症例Aの感想

550ページを超える文庫本にしてはかなりの容量ですが、苦にならず最後まで読めました。
サイコ系というと猟奇的で現実離れしたモノが多いですが、この作品は地味ながら精神病とそれを取り巻く人々がリアルに描かれていて、その部分がこの作品の大きな魅力になっていると思います。
その後を読者に委ねる様な終わり方ですが、それをよしとするかどうかで評価に差がつきそうです。

▼以下、ネタバレ感想
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症例A (角川文庫)
多島斗志之症例A についてのレビュー
No.36:
(7pt)

死にぞこないの青の感想

ヒエラルキーというか、学校での子供の力関係が構築されていく過程がとてもリアル。
この作家は短編を書くのが上手ですね、ページ数は決して多くありませんが読み応えを感じました。

▼以下、ネタバレ感想
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死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)
乙一死にぞこないの青 についてのレビュー
No.35: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ボトルネックの感想

残酷な話。
話のオチは途中で否応なしに想像がつきましたが、ジワジワと真綿で首を絞めるように主人公が追い詰められていく展開は見事でした。
ミステリらしさを期待すると肩透かし気分になりますが、苦い読後感は癖になりそうです。

▼以下、ネタバレ感想
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ボトルネック
米澤穂信ボトルネック についてのレビュー
No.34: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

龍神の雨の感想

雨と二組の兄弟をモチーフにした作品です。
作中ずっと降り続く雨もあり、物語が佳境に差し掛かるまでは澱んだ何かにゆっくりゆっくりと沈む様な展開で、ページを捲る度に鬱屈とした気分にさせられます。
しかし、最後には決して快晴とは言えませんが、暗い雲から薄日が差すような微かな救いも感じられるストーリーで、個人的には今まで読んだ道尾作品の中では一番好きな作品かもしれません。

▼以下、ネタバレ感想
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龍神の雨 (新潮文庫)
道尾秀介龍神の雨 についてのレビュー
No.33: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

冷たい密室と博士たちの感想

物語の主人公が理系の助教授と学生というコンビのため、周りいる教授や研究者といった人間も必然的に多く登場しますが、作者自身がそうだからでしょうか、一般人とはどこかズレた価値観を持つ学者という人種を、上手く描いていると思います。

前作「すべてがFになる」と比べると衝撃度が欠けるのは否めませんが、それなりには楽しめました。

▼以下、ネタバレ感想
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冷たい密室と博士たち (講談社文庫)
森博嗣冷たい密室と博士たち についてのレビュー
No.32:
(5pt)

タイトルマッチの感想

作品名通りボクシングのタイトルマッチを舞台にした物語です。
作者がボクシング界の事情に詳しく、タイトルマッチの興行権やマッチメイクにおけるジム同士の馴れ合いなど、華やかな表舞台だけでなく、業界の裏側も描かれている部分は興味深く読めました。
アッと驚くような仕掛けはありませんが、登場人物それぞれの焦りをモノローグを巧みに使った描写で読者に印象付けています。
良くも悪くも無難な作品といった印象です。
タイトルマッチ (講談社文庫)
岡嶋二人タイトルマッチ についてのレビュー
No.31: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

青の炎の感想

全編を通して主人公の心理描写が丁寧に描かれていて、前半分を読み終わる頃にはすっかり感情移入してしまいました。
物語の最初から最後まで、主人公の健気な姿に切なく心打たれる作品です。

▼以下、ネタバレ感想
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青の炎 (角川文庫)
貴志祐介青の炎 についてのレビュー
No.30: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

あわせ鏡に飛び込んでの感想

全10篇からなる短篇集で、頁数も短めのものが多く短時間でサクサク読めるものが多かったです。
書かれた時期にかなり幅があるので、題材として少し古く感じるものもありましたが、手紙のやり取りだけで話が完結する『書かれなかった手紙』は良かったです。
巻末の大沢在昌氏との対談も、創作過程の葛藤などにも触れており、両者の作家としての個性の違いが感じられて興味深い内容でした。
あわせ鏡に飛び込んで (講談社文庫)
井上夢人あわせ鏡に飛び込んで についてのレビュー
No.29:
(6pt)

ソロモンの犬の感想

モノローグにやたら反復法が使われているところなど、序盤は会話にも大学生らしい若さとゆるさが感じられる青春小説です。
クライマックスでは上手い騙しもありますが、登場人物たちの動機や伏線がちょっと強引というか無理矢理な印象を受けましたね。
切なさ、やるせなさ、爽やかさの混じった、奇妙な読後感のある作品でした。
ソロモンの犬 (文春文庫)
道尾秀介ソロモンの犬 についてのレビュー
No.28:
(3pt)

藁の楯の感想

殺人事件の犯人を警察官が庇うという設定は面白かったです。
護衛をしている人間たちのやるせない気持ちをはじめ、人物の心情は上手く書かれている感じがした反面、設定上あり得ないんじゃないの?という矛盾を感じるシーンがあったり、リアリティに欠ける描写がいくつかあったのが残念でした。
ラストシーンも海外のアクション映画を彷彿とさせる展開で、映画のワンシーンのようでイイという意見もあるのでしょうが、個人的には変に映画に影響されすぎて演出過剰になっているなと感じるだけでした。

映画化を知ってから読んだ先入観からかもしれませんが、なんというか映像化を前提に脚色されたような文章で、全体を通して場面場面が過度に演出されすぎている作品という印象です。
藁の楯 (講談社文庫)
木内一裕藁の楯 についてのレビュー
No.27: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

黒い家の感想

前半はテンポも悪く、ありきたりで無難な話だな、ぐらいにしか思わなかったのですが、物語の核心に近づく後半からは怒涛の展開でした。
特に終盤は手に汗握るシーンの連続で、続きが気になって最後まで一気に読んでしまいました。
犯人がわかってからの展開がこの作品の肝だと思うので、ミステリーというよりはサスペンス色の強いストーリーですね。
残虐的な描写も多くホラー要素も濃い作品なので、その手の話が苦手な人は心して読んだ方がいいです。

▼以下、ネタバレ感想
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黒い家 (角川ホラー文庫)
貴志祐介黒い家 についてのレビュー
No.26: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

クラインの壷の感想

今から20年以上も前に書かれたとは思えないほどに、設定に未来と新しさを感じる作品です。
主人公への感情移入が強ければ強いほど、読後に訪れる興奮と不安も大きなものになるでしょう。
もしかするとこの話は、科学に傾倒するような人間にとってはどんなホラーよりも恐ろしいかもしれません。
SFとミステリーが絶妙に組み合わさった名作だと思います。

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クラインの壺 (講談社文庫)
岡嶋二人クラインの壷 についてのレビュー
No.25:
(4pt)

デンデラの感想

姥捨て山のその後を描いたとても面白そうな話だったのですが、登場人物が多く皆そろって覚えにくい名前ばかりです。
そのため誰が何をしたかがわかりづらく、緊迫した場面でいざ名前が挙がっても、その人物が頭に思い浮かばず興をそがれてしまいました。
最後まで読みましたが、読後もなんとなく消化不良な感じで、私にはイマイチ合わなかったです。
デンデラ (新潮文庫)
佐藤友哉デンデラ についてのレビュー
No.24: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

暗いところで待ち合わせの感想

視力障害者の家に殺人事件の容疑者が潜む、というシチュエーションが秀逸でした。
作者はよくこんなストーリーを思いついたものです。
アキヒロとミチル、それぞれの視点から話が進むと言う点も、お互いの心情がわかり良かったです。
少ない登場人物と限られた場所でのやり取りを、短めのページ数に上手くまとめた作品だと思います。
暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)
乙一暗いところで待ち合わせ についてのレビュー
No.23: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

私の男の感想

読む前に想像していたとおり、重く暗いストーリーでした。
淳悟と花という奇妙な親子を中心に時間軸が逆に描かれているので、読んでいくうちに少しずつ二人の関係が明らかになっていきます。
鬱屈させる内容で残虐性とは違ったグロさがあるので、生理的に受け入れない人もいるかもしれません。

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私の男
桜庭一樹私の男 についてのレビュー

No.22:

噂 (新潮文庫)

荻原浩

No.22: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

噂の感想

タイトルどおり物語の中心に噂があります。
ステルスマーケティングなどの戦略や広告業界の様々な裏事情にも触れられており、興味深く読めました。
最後に仕掛けがあるのですが、それに気づくと気づかないとで作品に対する評価が変わると思います。
ジャンルに囚われずいろいろな作品を書く作家ですね。

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噂 (新潮文庫)
荻原浩 についてのレビュー
No.21:
(5pt)

神様からひと言の感想

登場人物もキャラが立っていて、心の機微を上手く捉えている作品だと思います。
読後感は爽やかで、良質なコメディドラマを見た後に似た感覚を覚えました。
面白かったですけど、ミステリー要素はほぼありませんね。
神様からひと言 (光文社文庫)
荻原浩神様からひと言 についてのレビュー
No.20: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

GOTH リストカット事件の感想

人それぞれだと思いますが、私の場合ミステリーを読むときに最も楽しみにしているのは意外性とそこから来る驚きなので、読んでいる時はできるだけ先を考えないようにしています。
ようするに騙される気満々で読んでいくのですが、それでも読んでいるうちに犯人やトリックに気づいてしまうことがあります。
そのような作品は評価が辛くなってしまうのですが、この作品は最初から最後まで期待以上に驚かせてくれました。
暗い作風が嫌いじゃなければ、読み易いしかなりオススメです。
文庫本なら夜の章、僕の章の順番で読むのがよいでしょう。

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GOTH 夜の章 (角川文庫)
乙一GOTH リストカット事件 についてのレビュー
No.19: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

すべてがFになるの感想

ミステリアスなタイトルで読む前から期待感が高かったのですが、予想を超える面白さでした。
ミステリー作家には珍しい理系出身なためか、犀川が結論へ辿り着くための考え方や、それを淡々と語る口調に理系の学者らしさが感じられて、とても良かったです。
作品中頻繁にコンピューターに関する専門的な言葉が出てくるのですが、パソコンを自分で組める程度の知識がないと、すんなりとは理解できないかもしれません。
しかし、そのあたりの難解さを考慮しても、ミステリーとして傑作といえる内容になっていると思います。

シリーズ作品の1作目なので、これは是非シリーズ10冊最期まで読んでみたい、自分にとってはそう思わせる作品です。

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すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)
森博嗣すべてがFになる についてのレビュー
No.18:
(9pt)

暗黒童話の感想

初の長編である今作の文庫版では、作者が自虐的でユニークなあとがきを書いていますが、私にとってはホラーだけでなくミステリーの要素も存分に堪能できる良作でした。
物語の肝となる特殊な設定があるのですが、それをすんなりと受け入れられるかどうかで、楽しめる楽しめないもだいぶ変わってくる作品だと思います。

▼以下、ネタバレ感想
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暗黒童話 (集英社文庫)
乙一暗黒童話 についてのレビュー