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歌舞伎蝶 さんのレビュー一覧

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レビュー数46

全46件 1~20 1/3ページ
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No.46: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

神様の裏の顔の感想

軽い文体は読みやすいのですが、
序盤は少しウザいかなと感じてました。
中盤、聖人に見えていた人物にいくつもの疑惑が浮かんできて…。
終盤伏線を回収しつつの展開は楽しめました。
若干アンフェアな部分もありますが、
絶妙な後味の悪さが最終的には非常に気に入りました。
面白かったです。
神様の裏の顔 (角川文庫)
藤崎翔神様の裏の顔 についてのレビュー
No.45: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

恩讐の鎮魂曲の感想

御子柴シリーズの三作目。
このシリーズ本当に面白いですね。
前作ほどの衝撃は無いものの、
無機質だった御子柴が徐々に人間味を持ち出して変化していく過程が丁寧に描かれています。
一見無関係なプロローグからメインストーリーへの繋がり、
現代社会の社会問題となっている介護士問題に法の限界の問題提起。
詰め込みすぎな内容でありながら絶妙なバランスで書かれた素晴らしい作品だと思います。
ダークヒーローとも呼べる御子柴礼司の成長、活躍していく姿をまだまだ見続けたいと思いました。
恩讐の鎮魂曲 (講談社文庫)
中山七里恩讐の鎮魂曲 についてのレビュー
No.44: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

追憶の夜想曲の感想

御子柴シリーズの第二弾。
物語の途中まではよくあるリーガルサスペンスで、
結末もなんとなく予想の付く予定調和な雰囲気なのですが…

やっぱりね…
えっ!?…
嘘でしょ…!!!

すさまじいカタルシスを味わえました。
前作を読んでいることが前提となりますが、
私が今まで読んだ著者作品の中での最高傑作だと思います。
惜しむらくは前作を読んでいることが前提な点でしょうか。
前作を上巻、今作を下巻ととらえれば満点評価でも良いと思います。
素晴らしい作品に出合えたことに感謝します。
追憶の夜想曲 (講談社文庫)
中山七里追憶の夜想曲 についてのレビュー
No.43: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

犯罪者 クリミナルの感想

ここ最近読んだ小説の中では文句なしで一番面白かった作品です。
少し長いのが欠点と言えば欠点でしょうか?
これだけの登場人物が出てくる作品で混乱しないで読めるのは、
作者の力量というよりほかないでしょう。
一介の殺人事件のサスペンスにとどまらず、
複数の人物の思惑が交差する知略戦が楽しめるシーン有り。
スリリングな展開にドキドキするシーン有り。
やや詰め込みすぎな印象もありますが、
読みどころ満載の盛沢山仕様でお気に入り作品となりました。
著者の別作品も是非読みたいと思います。
犯罪者 上 (角川文庫)
太田愛犯罪者 クリミナル についてのレビュー
No.42: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

アルバトロスは羽ばたかないの感想

前作『七つの海を照らす星』読後から早3年半。
何度もハードカバーを買おうか悩んだ末、
ようやく待ちに待った今作の文庫化。
読前のハードルは今まで読んだどんな作品よりも高かったと思います。
そんな中で
「えっ!?」
と思わず声を上げてしまった今作。

児童養護施設を舞台に大人と子供との間にあるリアルな心情の描写が、
暖かくもあり残酷でもあり心地よく胸に響いてきます。
そこからの衝撃。
素晴らしい作品だと思います。

残念なことに前作から間が空きすぎていたため、
登場人物のリンクがいまいち上手くいかなかったことが悔やまれます。
もう一度前作を再読しようと思っています。
アルバトロスは羽ばたかない (創元推理文庫)
七河迦南アルバトロスは羽ばたかない についてのレビュー
No.41: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

検事の本懐の感想

前作の『最後の証人』でがっちりハートを捕まれたことで、
ハードルが上がった状態で読んだ佐方シリーズの第二弾でした。
短編集と知らず読み始めたのですが、大好きな横山秀夫さんばりのヒューマンミステリーで、
改めて柚月さんの実力に驚かされました。
実際に横山秀夫さんに傾倒されていることを知り納得です。
主人公は佐方貞人で間違いないのですが、佐方目線の作品は「恩を返す」一作品のみで、
その他の作品は全て別視点からの描き方をされています。
それでいてしっかりと全作品佐方貞人のキャラクターが光る工夫がされていてお見事でした。
素晴らしい一冊だと思います。
検事の本懐 (角川文庫)
柚月裕子検事の本懐 についてのレビュー
No.40:
(9pt)

螻蛄の感想

疫病神シリーズ第4弾で今のところシリーズで一番面白かったです。
今作はコンゲームの要素も含みつつ、二宮と桑原のコンビネーションに円熟味が増してきたように思います。
文句を言いながらも二宮を助ける桑原。
ところどころ鋭い感を見せる二宮。
それに加えて今回は若頭の嶋田の頭脳戦と見どころたっぷりでした。
螻蛄
黒川博行螻蛄 についてのレビュー
No.39: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

さよならドビュッシーの感想

こういう作品好きです。
ピアノの世界を舞台にした青春スポ根物語+ほんのりミステリー仕立てといった作品でしょうか?
専門的知識がほとんど無いのにも関わらず演奏の描写等の音楽シーンはかなりの迫力を感じました。
読みやすいライトな文章は玄人受けは良くないかもしれませんが、
私個人としては面白ければ何でも良いので素直に楽しめました。
音楽を題材のスポ根として読んだ方が楽しめると思います。
私もミステリーであることを忘れていたので楽しめたと思っています。
さよならドビュッシー (宝島社文庫)
中山七里さよならドビュッシー についてのレビュー
No.38: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

国境の感想

まず一言おもしろい。
疫病神コンビがひょんなことから北朝鮮に潜入という舞台設定が素晴らしいです。
北朝鮮の内部描写の凄惨さに背筋を凍らされたかと思えば、
最高指導者を『パーマデブ』発言で笑わせる。(これ大丈夫なのでしょうか?)
このようなシリアスで緊張感のある展開を軽快な口調で緩和させるバランス感覚が絶妙です。
さらにラストも満足。
極上のハードボイルドエンタメ小説だと思います。
国境 (講談社文庫)
黒川博行国境 についてのレビュー
No.37: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

名探偵に薔薇をの感想

『小人地獄』という名の架空毒薬。
毒の痕跡を残さず殺害ができる、完全犯罪可能なミステリ小説においてはいわゆる反則アイテムです。
この毒薬をめぐって繰り広げられる難解な見立て殺人を本格推理ヨロシクな手法で解き明かす第一部。
二部構成作品の第一部も完成度が高くて良かったのですが、
第二部を読むと第一部はあくまでも前菜であることに気付かされます。
この第二部の二転三転していく展開と主人公である探偵瀬川の心の動きの描き方は本当に見事です。
更に読み終わった時に初めて気付かされる『名探偵に薔薇を』という秀逸すぎるタイトル。
真相こそ正直私の好みのではありませんでしたが、それを補って余りある作品です。
賛否の分かれそうな小説ですが私は傑作だと思いました
名探偵に薔薇を (創元推理文庫)
城平京名探偵に薔薇を についてのレビュー
No.36: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

奪取の感想

ユーモア溢れる軽快な文章は読みやすくて非常に面白いです。
全体を通して長さを感じさせないのでコンゲームサスペンスとして評判通りの秀作です。
ただ話が進むにつれどんどんスケールアップして行くのですが、
個人的には第一章くらいのスケール感が一番リアリティがあって面白かったかもとは思いました。
偽札作りはもちろん重罪ですけど、殺人事件とは違ってなんか夢がある気がして楽しめました。
奪取(上)-推理作家協会賞全集(86) (双葉文庫)
真保裕一奪取 についてのレビュー
No.35: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

果断 隠蔽捜査2の感想

隠蔽捜査シリーズ2作目。
相変わらず面白い。
前作よりもミステリー度が更に上がっています。
ただこの作品の魅力は描かれる登場人物の掛け合いと心理描写にあります。
特に主人公竜崎の魅力が半端ないです。
正直ミステリー要素がなくても十分楽しめる警察小説であるうえ、ミステリーも同時に楽しませてくれる素晴らしさです。
しかし作者は本当によくこのような主人公を思いつきましたね。
竜崎の虜になってしまっている私です。
嫁さんかっこ良すぎでしょ。
果断―隠蔽捜査〈2〉 (新潮文庫)
今野敏果断: 隠蔽捜査2 についてのレビュー
No.34: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

サクリファイスの感想

ロードレース(自転車レース)という全く馴染みのない世界が舞台のため高評価の有名作品でありながら、
今まで読むことを躊躇していました。
さっさと読めば良かったです。
複雑なロードレースの魅力を簡潔ながらも存分に体感できる臨場感は文句なしです。
ミステリー小説というよりは青春小説のミステリー風味といった塩梅でしょうか?
アシスト、エースというロードレース独特の役割分担がある程度理解できた時、
結末に賛否はあると思いますがサクリファイス(犠牲)というタイトルは個人的には見事だと思いました。
次回作も読みたいと思います。

▼以下、ネタバレ感想
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サクリファイス (新潮文庫)
近藤史恵サクリファイス についてのレビュー
No.33: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

隠蔽捜査の感想

東大卒のエリート中のエリートの官僚警察官。
その上常に人を見下した上から目線のため感情移入ができないどころか、むしろ嫌悪感すら抱かせる主人公竜崎の設定。
見事なトリックがあるわけでもなく、派手なアクションがあるわけでもありません。
登場人物の心理描写の描き方が秀逸なため臨場感が半端なく、リアルな緊張感がひしひしと伝わってきます。
それだけでも充分読む価値があるのですが、
序盤は嫌悪感すら抱かせる竜崎の性格が、読み終わる頃にはブレない姿勢が好感度の高いヒーローへと変貌している不思議。
更に清涼感抜群の読後感。
見事すぎます。
続編も是非読みたいと思います。
隠蔽捜査 (新潮文庫)
今野敏隠蔽捜査 についてのレビュー
No.32:
(9pt)

ロスジェネの逆襲の感想

半沢直樹シリーズ第三弾。
通常シリーズ物の三作目ともなればストーリーが徐々にマンネリ化していくため、前二作を超えるのは至難の業だと思うのですが…。
前二作を読んでいるかドラマを視聴していることが前提にはなりますが、この作品は前二作よりも面白いです。
ミステリーではありませんが、池井戸節満載の痛快活劇に大満足です。
小説の映像化は基本的には好きではないのですが、この作品に限ってはドラマもしくは映画化を心待ちにしています。

▼以下、ネタバレ感想
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ロスジェネの逆襲 (文春文庫)
池井戸潤ロスジェネの逆襲 についてのレビュー
No.31: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

空中ブランコの感想

シリーズ物の続編というのはどうしても前作からの期待値が高くなってしまうため、
前作を越えられない作品が大半だと思うのですが、
この作品はその難易度の高い壁を越えた稀有な例だと思います。
伊良部先生のハチャメチャぶりは相変わらず、むしろ更にエスカレートしています。
そんな中で前作よりも患者の症状が少し現実的になったことがこの作品を一段上の作品へと押し上げたのではと個人的に思っています。
ミステリーではありませんが手軽に読めるエンターテイメント作品としては最上級の部類に入ると思います。
空中ブランコ (文春文庫)
奥田英朗空中ブランコ についてのレビュー
No.30: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

火の粉の感想

ミステリーではなくサスペンス。
しかもかなり上質のサスペンスです。
主人公格の二人の女性の心理描写が絶妙なためリアリティが半端ないです。
その上それぞれの旦那の行動への苛立ちが物語の臨場感を更に現実的にしていると言えます。
この辺りの家族を描く文章だけでも一見の価値があると思います。
序盤から中盤までの静かな展開の中に潜ませた隣人への違和感。
中盤からラストまでの恐怖感あるスリリングな展開。
直球勝負のサスペンスは久々に震えました。

▼以下、ネタバレ感想
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火の粉 (幻冬舎文庫)
雫井脩介火の粉 についてのレビュー
No.29: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

ジョーカー・ゲームの感想

なんの予備知識も無く読み始めたところ驚く程の面白さで一気に読んでしまいました。
シリアスで硬派な文章と世界観は一見読みにくそうですが、
一話一話の長さがちょうど良くテンポよく読めるところに作者の力量がうかがえると思います。
短い話の中に切れ味鋭いラストは、私が大好きな横山秀夫さんに匹敵すると思いました。
全話ハズレ無しの短編は久々に出会った気がします。
主人公の結城中佐という人物も魅力たっぷりで満足の一冊でした。
ジョーカー・ゲーム (角川文庫)
柳広司ジョーカー・ゲーム についてのレビュー
No.28: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

大誘拐の感想

なんと素敵なおばあちゃんでしょう。
この作品が30年以上も前に書かれた作品だということに驚きです。
ただの痛快なエンタメ小説ではなくて、
緻密に計算された仕掛けがしっかりミステリーしているところが何よりも素晴らしいです。
名作と呼ばれる所以だと思います。
大誘拐―天藤真推理小説全集〈9〉 (創元推理文庫)
天藤真大誘拐 についてのレビュー
No.27: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

64(ロクヨン)の感想

D県警シリーズの第四弾というよりも、横山秀夫の集大成と呼ぶべき作品だと思います。
広報官という警察組織の中でもそれほどなじみのない役職からの視点でありながら、
主人公である三上の苦悩や息づかいは手を伸ばせば届きそうな距離に感じるくらいです。
これ程の臨場感にあふれた描き方には感動すら覚えます。
登場人物が多く人物名が混同してしまうことも少しありましたが、
ノンフィクションかと錯覚してしまうほどに緻密に計算されたサスペンスでもありミステリーでもある本作品は、
文句なしで傑作小説の一つだと思います。
64(ロクヨン) 上 (文春文庫)
横山秀夫64(ロクヨン) についてのレビュー


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