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マッチマッチ さんのレビュー一覧
マッチマッチさんのページへレビュー数40件
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沼田まほかる氏というと、「ユリゴコロ」・「九月が永遠に続けば」など有名で、評価も結構高い。
どちらも読んだが、当方も、ともに高得点を付けた。 内容的には、イヤミス感・ホラー感・サスペンス感が当方にとって、ツボに嵌る。好きな作家だ。 さて、そういうことで手にした一冊であるが、読み始めはすこぶるイイ! 子を授かり損ねた中年夫婦の前に現れた一匹の捨てられた仔猫。 この仔猫への接し方がイヤミス感たっぷりで、この後、なにか不穏な出来事が起こりそうな気配を濃厚に漂わせます。 このゾクゾク感、なかなかイイですね。 そしてその後夫婦の前に現れた、トカゲのような一人の少女。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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特級長編ホラーということで期待しながら読み始めましたが・・・?
怖さはほとんど無いですね。ホラー系よりオカルト系の方が強いのではないでしょうか。 でも、当方は、SFファンタジー小説の感覚で読み終わりました。 とにかく呪物・呪物・呪物の嵐です。 古今東西の呪物の博覧会のような様相です。 物語の舞台は、戦国時代から続く名家・福森家の屋敷。この屋敷で起こったという凄惨な事件。 この事件現場に、惨殺された福森家主の甥である亮太と霊能者賀茂禮子が訪れたところから、物語は始まります。 冒頭から、庭木の吉凶の話題、風水、鬼門、魔除け・・・。 屋内に入ってからは数々の呪物のオンパレード。この呪物の紹介が長々と続きます。 そして、驚くべきはその呪物の謂れ因縁・怨念・歴史を、賀茂禮子が一目見ただけで得々と語るのです。 見ただけでというのも少々浅はかだが、霊視が出来るスーパー霊能者として位置付けるならオカルト小説として許容範囲でしょう。 問題なのはその解説が微に入り細に入り淡々と語られること。 こうして呪物の解説が長々と続くわけなので、ちっとも怖くない。 呪物の博物館で、展示物を眺めながら解説をじっくり読んでいるような感覚なんですね。 著者の作品に「黒い家」とか「天使の囀り」という名著があるが、こちらは、何とも言えない得体の知れない怖さがありました。まさに一級です。 本書にはそれが全く無いんです。 その原因の一つとして前述のことが影響しているでしょう。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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現在の食の問題に関して書かれた社会派小説。
社会派ミステリーとまではいかない。著者からの啓発・啓蒙小説という立ち位置か。告発までは行かないであろう。 そういう意味では、かつて大きな話題となった有吉佐和子氏の「複合汚染」に似たようなスタンス。でも、決してルポではなく娯楽小説である。 食の問題の中身については、2010年頃の作品なので、現在では、世間的にほぼ知られた内容ではある。ただし、当時著者が相当情報を収集し、取材・調査された様子がうかがえる。当時の意欲作である。 また、単なる食の問題だけに的を絞っているわけではなく、食品加工場における外国人労働者、技能実習生の問題についても、ある程度丁寧に記述されている。 500ページほどあるが、上記のようなスタンスではあっても読みにくくはなく、サラっと読んでしまう。読み易い。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「ジェンダー・クライム」直訳すると、男女にかかわる犯罪ということですか。
本書は、昨今のジェンダー問題を扱った社会派警察ミステリーである。 著者のあとがきによると、『永遠の仔』を書いた20数年前の当時では書けなかったジェンダーにまつわる様々な課題を今回本書で届けた、ということらしい。 数年前に起こった集団レイプ事件。これをベースに、さまざまな出来事が発生する。殺人・虐待・DV・家出・・・さらにはセクハラまで。どれもにジェンダーが関わっている。 また、日常生活におけるジェンダー格差。男女間の意識差。性差に関する文化の習熟度。こうした話題までも散りばめられ、まさに多種多彩である。悪く言えば総花的か。 結局それも、あとがきに書かれていたように著者が最も意図したかった事であろう。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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前評判も知らず事前情報も無しに、作者名と文庫本の厚みの手頃さから手にして読んだ1冊。
読み終わった第一感想は、ちょぴり哀しい青春小説という印象。 時間軸のズレで二つの物語が進行するが、登場人物は少ないので非常に分かり易い。 そして、時間軸のズレは最後に収斂するスタイルと思われるので、当然そこには何らかの仕掛けがあることも予想される。 しかしながらその仕掛けは本冊のテーマでは無いだろう。著者のおまけ的なお遊びという程度で捉えていいのではないか。 だから、この小説をミステリー本という位置づけで評価する必要は無い。この部分は遊びの付録なんです。 さてでは、この小説のテーマであるが、若さと純粋さと正義と葛藤と死であると思う。 まさに青春その物。しかもそれは儚く哀しく切ない。 そういえば、同じ仙台を舞台にした「砂漠」という著者の作品があったが、似たようなテイストだったと思う。 あちらは後味が良かったが、こちらは少々重い。 また、琴美と椎名のちょっとした行動にイラつく。※「もう少し何とかしてよ!」と思ってしまう。 さらに、動物虐待、外国人差別、HIV偏見という社会性のあるテーマにも触れてはいるが、それぞれの深堀は無く、総花的になってしまい却ってぼやける。 そういうこともあり、「砂漠」でつけたポイントより1点下げて6点というところか。 最後に、残された二人はその後どうなるのか。 余韻は残った。 |
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失敗しちゃった。
Anotherの評価がえらく高いので、これは面白そうだ読み始めたのが、これ。 これ、AnotherじゃなくてAnother2001という続編。 読んでいる途中で気づいて、がっかりしちゃった。 結構楽しんで読めたが、果たしてこの後Anotherを読んで、楽しめるだろうか。 どちらかというとそっちの方が気になってしまう。 完全にホラーミステリーですね。 結局は、正体がつかめない不可解な世界。 やっぱり、この手の不可解で奇怪な出来事は、その正体が明らかになることで、物語がしっかり腑に落ち楽しめる。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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この小説を読み終わったすぐあと、Yahooのニュースで下記のような記事を見つけた。
「16歳で1回手取り2000円の格安風俗に入店…4つの性感染症にかかり、医者から「風俗の仕事をやめて普通の仕事に就きなさい」と言われてもやめられない理由」2023/12/23(土) 17:01配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/ec4280d1dd0ec71792400e4dbdc34df9ce5a392a やめられない理由が、まさにこの小説に登場した女性たちのそのままであった。 この小説、かなり好き嫌いがはっきりしそう。万人向けではない。 また、誰の視点から書かれたのか分かりづらいところもあり、やや読みづらい。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ひょんなことから手にした。
古い本である。 本書は元々1963年に刊行されているが、手にしたのは1990年に文庫化されたものでる。 故にさほど古臭さは感じられなかった。 典型的な警察小説である。 二部構成になっており、一部は事件の推移、二部は犯人から見た事件の真相、ということになっている。 刑事達の捜査活動と心情、犯人の心理がうまく描かれています。 面白く読めます。伏線がどうだとか何だとか、難しく構えずに読めました。 当時の警察も今の警察も同じようなものだと、警察組織を考えることができましたね。 |
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好みが別れる作品ですね。
ファンタジー小説のような設定で物語は始まりましたが、中盤までは本格的な謎解き小説です。 よって、当方には少々退屈な流れですね。読むのが少し面倒でした。 ただ、中盤以降の「毒スープ」·「囚人脱獄」.「デーン人来襲」辺りからテンポが良くなって、一気に面白くなってきます。そして、終盤はお決まりの謎解き解明。そこで驚くような真実が明らかにされる。 この終局は、かなり説得力があって納得出来ました。面白かったです。 あとは評価のポイントだけど、これは冒頭で書いたように、もう好みだけの問題ですね。 とにかくリアルに拘るなら、そもそも高評価は望めない。 ということで、当方はアマゾン評価の平均点ということで、サイト評価6点にしました。 |
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20年程前の作品。
今の時世、新型コロナの時代にピッタリですかね。 当時としては良く勉強されて書かれているようです。 ただ、今これを読んでみると、やや大雑把。ちょいと非科学的な場面も見られます。 未知のウイルスによるパンデミック小説の体裁ですが、さほど緊迫感もなく怖さも全く感じられません。 当方は、どちらかというと、お粗末で危機感の無い行政の職員やシステムを皮肉った一種の社会派小説という感覚で読んでいました。 ところで、本文中にはワクチンに関する記述が多数出て来ますが、このコロナ時代のワクチン推進派と反ワクチン派のドタバタを目にすると、昔も今も変わっていないのだなと思わず笑ってしまいました。 作品の評価に関しては、やはりヒリヒリするような恐怖感、未知のウイルスの怖さ、こういったものが殆ど味わえなかったので、やや渋めの評価にしました。 |
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短編集でした。連作短編集と言った方がいいかもしれませんね。
有能な刑事が、道警で起こった不祥事の影響で配置換え、地方の駐在所勤務となる。 その駐在所お巡りさんが関わった5つの事件の話である。 俗に言う「お巡りさん」というのは制服警官であり、私服警官「いわゆる刑事(デカ)」とは違って、捜査は出来ないんですね。 この小説を読んで、なるほどと思っちゃいました。 捜査は出来ないが、刑事(デカ)としての経験が捜査を強く意識する。この小説は、このジレンマを上手く描いて、一味違った警察小説に仕上がっています。 ただ、どうしても短編なので、一つ一つの事件が深堀りされていない。面白いんだけど、少々消化不良。 短編の読みどころはアッと驚くようなオチにあると思うんだけど、それも少し弱いかな。オチの切れ味と言えば、横山氏の作品集を思い出しますが、それより見劣りがします。 でも、単純に面白かったです。是非、次回は著者の長編警察小説にチャレンジしたいですね。 |
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好きな作家さんで未読でしたので、手にしました。
こういう作品も書かれていたんですね。ミステリーではありません。 日本の太平洋戦争末期に製造された人間魚雷「回天」。これに関わって短い一生を終えた青年の話です。 無性に腹立たしく、哀しい作品でした。 今まさにロシアのウクライナ侵攻もあり、戦争というものが身近に感じられます。 しかし、ひとたび戦争が起こると、このような哀しい物語が、此処彼処で進行するんですね。 ウクライナでも今起こっているんでしょう。 この時代、祖国防衛のためと拳を突き上げて檄を飛ばしている方がネット上でよく見かけられますが、考えさせられます。 私は、私自身も私の家族も個人を大切にしたいと思いました。 ところで、評価は非ミステリーで面白さという点だけで判定して、平均点の6点にしました。 |
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「ばんざい屋」という小料理屋を営む女将とその客達の人間模様が描かれた短編集。
ポイントは、女将にはそっとしておきたい何らかの過去があるということ。 よって、短編集のようにはなっているが、女将の過去が少しずつ明らかになっていく構成になっており、先を楽しみながら読み進めることが出来た。 それぞれの短編は、季節感に溢れ品よくまとめられている。味わい深い作品集だ。 ただ、それぞれの短編に添えられる事件·出来事は、無理やりミステリー調に仕上げられており、その顛末もやや都合よく粗雑な面も否めない。 もう少し、日常のよくある出来事として軽めに書き込んでいたら、この短編集もより上質な仕上がりになっていたのでは無いだろうか。 ただし、読後感は大変よろしい。 それも含めて、以上のことより、アマゾン評価3点のサイト評価6点と評価したい。 |
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