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りーり さんのレビュー一覧
りーりさんのページへレビュー数424件
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警視庁総務部動植物管理係3作目。 表題作のペンギンに加え、猿、鳥、答案用紙を食べちゃった!?ヤギの中編4集。
人間の言葉って難しいと頭を悩ます薄巡査と須藤警部補のコンビは相変わらず。 動物の興味深い知識に驚かされつつ、事件の謎はしっかりミステリー。 一作目の短編よりいくらか捻った事件の様相、そして須藤警部のツッコミが進化し過ぎです。 愉快な動物ミステリー、★は7つ!! |
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警視庁総務部総務課動植物管理係、容疑者のペットを保護する名目で設置されたその部署に半ば島流しの形で配属されたのは警部補・須藤友三。コンビを組むのは動物にしか目がない薄圭子巡査。 現場一筋鬼警部補と変わり者巡査がペットそして飼主の情報を基に事件を追う。
殺人事件の裏に動物の影有り!! 薄巡査が持ち前の知識でペットの生態、飼い主に現れる特徴から犯人に迫っていきます。 流石に証拠能力としては限度があるのでそこは鬼警部補の出番、一課で培った杵柄で犯人の動かぬ証拠を炙り出す。 ボケとツッコミも冴えわたるナイスコンビが贈るユーモラス動物ミステリー、★は7つ!! |
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大日本帝国陸軍に設立された極秘諜報組織“D機関”、冷酷なまでに人間味を削ぎ落されたスパイの頭脳戦を描いた短編集。 スパイの意義、諜報活動の定義がフィクションながら鮮明に掲げられます。 徹底した秘密主義、穏便主義の下繰り広げられる心理戦、頭脳戦は短編ながら巧緻。 楽しすぎるぞこのミステリー。 ★は7つ!! |
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宗教法人「ギヤマンの鐘」の捜査を進める警視庁刑事部。 激しい交戦が続く中、捜査管理官が凶弾に倒れてしまう。 捜査一課が浮足立ち、色めきだった雰囲気が広がるも総務部の生き物係は蚊帳の外。 そんな中スズメバチを使った事件が相次ぎ捜査にあたる生き物係、蜂を扱う犯人の狙いは? 教団との関連性は? 総務部動植物管理係シリーズの2作目。 スズメバチを扱う犯人と怪しげな教団に総務部のコンビが立ちはだかります。 もう薄圭子ちゃんと須藤警部の仲が可愛すぎて面白すぎる!! 壮大な謀略と意外な犯人、薄圭子ちゃんの長所を生かした推理と見所多しです。 ★は8つ。 |
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体長1メートル越えのワニが盗まれた!! 残された張り紙には怪盗ソロモンなる者が・・・。 動物の扱いに長けた人の犯行だろうと疑惑が渦巻く中、さらにほかの動物も盗まれて・・・。 動物園職員が奮闘するライトなミステリ。
楓ケ丘動物園シリーズの1作目。 似鳥鶏さん動物ものとかも書かれてたのですね、確かにペンネームも動物に因んで・・・って調べたら全然由来は動物好きとか関係なかった!! 獰猛なワニを盗んでいるので内部犯なのは確実なのですが、その割には登場人物全体の掘り下げが足りないような・・。 動物を盗んだ理由付けは上々、キャラクターも良し、鴇先生可愛い!! ライトで楽しいミステリ、そう考えるとラストの真相はむしろマイナスに作用するかな。 ★は5つ。 |
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法医昆虫学捜査官の二作目。 都内の倉庫に遺棄された死体、残された植物の種子と昆虫の痕跡から殺しの現場を突き詰めていく・・ 昆虫学捜査をメインにしながらも、医療問題や地方問題を交え一筋縄ではいかない内容になっています。 今作はどちらかというと警察側を主人公格として描き、その他の人物も含め一話できっちり事件の一幕による成長物語を書ききっています。 それでも要所は昆虫と赤堀さんの活躍が光ります。 やっぱりいい性格してるわ赤堀さん!!★は8つ!! |
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館シリーズの7作目にて超長編となった本作、一つの屋敷で起こる殺人事件を描くには些か分量が巨大な気もしますがそれに見合う巨大な謎と驚きをもたらせてくれました。 この奇怪な雰囲気、現実と幻想が交ざり合ったような混沌とした世界観、綾辻行人氏の書でもそれが一番濃い作品だと思います。 「十角館の殺人」でデビューし叙述トリックを用いた「新本格」なる代名詞的存在になった彼ですが「霧越邸殺人事件」や「囁きシリーズ」「Another」を読んでみるとむしろ特異な点はそのホラー感漂う独特な雰囲気ではないかと。 さて、館シリーズの集大成そして最終章のような展開を見せた今作。 ここまで長いと人それぞれに思い至る点、至らない点、何を現実とし、何を幻想とするか、万別されるでしょう。 私も色々と驚愕し想像し、この作品が館シリーズの何に、否何処に位置するのか思案しておりました。 いつか来る最期の作品を心待ちにして・・・、★は9つ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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アパート火災の遺体より不可解な蛆の塊が発見された。 屍体に密接する昆虫からアプローチを試みる「法医昆虫学」が導入され、変わり者女学者が蟲を手掛かりに捜査を始める。 147ヘルツの羽音を持つ虫が教えてくれるのは・・・? 「法医昆虫学」 これは当然絵空事ではなく、犯罪捜査の新たな境地であります。 死体に虫が湧くのは周知の通りでそれを調べれば遺体が辿った場所、死から経過した時間が判明しそうなのはなんとなく分かるでしょう。 専門的なテーマなようでも容易に想像できてしまうのは虫という存在が私達の生活に深く蔓延っているから、生態系のサイクルにおいて決して切り離せない関係にあるからでしょうか、そしてそれは屍となっても例外でないのです。 さて、この新境地のテーマがそもそも面白いのですが、それ以上に物語の展開とキャラクターが素晴らしいです。 捜査や犯罪についてはまったくの素人ながら虫については熱心すぎる「研究者」と 学術的な事には関心はないが一定の正義感と冷静な観察眼を持った「警察官」、それぞれの立場、考え、視点、行動が上手く書き分けられてると思います。 サスペンスな部分も申し分ないです。 超々当たりシリーズ、★は9つです!! |
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<小市民>シリーズの3作目。 前回は一夏の苦い事件が描かれたけれど今作は秋冬春夏と季節を一周、時間的に大きく進んでゆく一方でなんと例の二人に恋人が!! <小市民>らしい高校生活を送っていたはずなのに巷で起こる連続放火事件に狼の影がチラつき、狐は首を突っ込んでしまう・・・。 青春物語としてはシリーズでもっとも面白く、おそらく区切りを迎えるであろう次作への下地も整った感じです。 時折見えるユーモラスさも冴えてて青春ミステリとしては申し分ない一方で放火事件の謎が平易過ぎな気も・・・。 自分も栗きんとんはお節のしか良く知らないです。冬の食べ物じゃんって思ったもの、★は7つ!! |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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いつだったか映画かドラマは見た気がするのだが「犬神家」や「八つ墓村」程覚えていない。 何故だろうホラー的なインパクトが足りなかったからだろうか。 というわけで遅まきながら小説を手に取ってみた。
終戦の余燻が残る昭和中期、恐ろしい遺言を受けてしまった探偵金田一は単身獄門島なる海に浮かぶ集落に乗り込む。 狂気的に飾られた死体が出現し、斯くして孤島での殺人事件の幕が上がった・・・。 やはり金田一の人間味感じるキャラクターに尽きます。 トリックも中々に多様ですし、書かれた時代がそのまま昭和時代なので設定も抜かりなしです。 ★は7つ ▼以下、ネタバレ感想 |
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烏賊川市シリーズの7作品目にあたる短編集作品。 タイトルは朱美さんの心証だろうか、今作は助手役として戸村君より朱美さんが強調されています。つまり私好みです。
トリックとしては今まで以上に論理よりも大胆さが目立つ出来になっているでしょうか、神社の話と204号室の話は特にそれが顕著だと感じます。 短編集なので精巧なロジックよりかは読者を驚かせるマジックのようなストーリーを狙って、推理小説よりかはキャラクターの掛け合いを楽しむライトミステリのような作品に仕上がっています。 シリーズも大分円熟してきて探偵トリオの掛け合いがとても楽しい。大きな展開はないが息抜きに楽しく読める短編集になっております。 |
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陰湿な雰囲気と暗いストーリーで賛否が分かれながらもベストセラーとなった本作。 ミステリーと呼べるのかは人それぞれであろうが伏線の回収の素晴らしさはまさに一流のそれである。 読んだのは大分昔ですけど、やはり道尾秀介は素晴らしい。 時々読みたくなる独特な魅力を感じる。 ★は7つ |
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館シリーズの第4作。読者に挑戦的態度を突き付けた異色作である。 今回の館は過去と打って変わって街中に出没。 送り火が見えるような京都の巷間で降りかかる災厄と連続殺人の謎に迫る。 評価はまぁ周知の通りでしょうか。 なにせミステリーの常識を覆したような結末であるからでしょう。 セオリーに拘泥しないことは悪ではないが、問題なのは納得させられるかどうかです。 今作はあまりに突拍子無く、空も無いのに霹靂が来たようで、異色作というより理不尽であると言いたいです。 オチはともかく舞台設定や事件自体は悪くないと思います。 それが逆にラストへの期待をさせてしまう罪な要素なのかも ★は3つ。 |
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青空文庫より 160頁中編 4人が泊まる屋敷にて夫妻が他殺された。 決定的な証拠「自白」を以て裁判にかけられる容疑者の男。 怪しすぎるぐらい素直な自白に弁護士の「私」は何もできない。 本当に彼が殺したのか? 正直すぎる自白の理由は? 残された手記から衝撃的な真相が・・・ 凄く良かったです。 少ない人物、異物の入り込む余地のない狭いステージ、それでいてここまで予想外の展開を作り出せるとは・・。 作者が弁護士でかつ麻雀も深く嗜んでいたらしく、法廷と麻雀の描写はかなり細かいですね。 麻雀の方は精通してないとチンプンカンプンだこれ。 手記から真相が明かされますが感嘆するばかり、★は9つ!! ▼以下、ネタバレ感想 |
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「呪い」で人を殺せるか? そんなことは無理だろうと一蹴することは簡単であろう。 しかし事実として被害者の傍に眠っていたのは60年来の怨みの籠った呪術符。 調べてゆくうち明かされるは被害者の隠匿された過去と罪業、誰が何のために途方もない企てをしたのか被害者の孫と呪術専門家で迫っていく。 「呪い」を全面に押し出した作品。 この作品を楽しめるかどうかは「呪い」という非科学的、超常現象とも言えるテーマを受け入れられるかにかかっています。 私自身は好みのテーマで呪術や因習に関する蘊蓄じみた知識に嫌悪感を持つことはなかったです。 仮に興味がなかったとしても説得力を持った丁寧な説明があり理解することに苦心することは無いと思います。 この気難しいテーマを万人に扱えるように昇華させたのは作者の研究と筆力の賜物でしょう、私の想像するミステリとは些か違ったのですが、なるほどこのような作品も悪くないです。 ★は6つ ▼以下、ネタバレ感想 |
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