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りーり さんのレビュー一覧
りーりさんのページへレビュー数424件
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とはクラークの三原則。 「2001年宇宙の旅」は公開50周年、いつ見ても時代を感じさせない造りです。 そして本作もまた時代の先陣を切ったような作品、仮想現実という近未来の設定にミステリーを上手く重ねています。 SF作品の楽しさはそれを読む時期によって移り変わるものだと思う。 時代設定がはるか未来なら果てしないロマンを心に秘めるし、近未来であれば自分の存在と重ね合わせ想像する、過ぎ去った未来ならあれは違った当たってたと俯瞰して答え合わせが出来る。 本作は近未来、五感をコンピューターに支配されゲーム内の仮想世界に身を委ねた男のお話・・・。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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年末を学寮で迎える四人の男子校生。 宵の刻、ふとしたきっかけで四人は互いの隠された秘密や過去に触れる。 大人と子供の境界線で迷う青年たちの感情の吐露、7日間の成長。 青春ミステリにカテゴライズされてはいますがミステリ要素はあまりないです。 一人前の大人としてはまだ認められない一方で、もう子供じゃないんだからと言われる境界人の青年たちの想いを描いた青春小説の面が強いです。 苦々しい過去を扱いながら、一日ごとの章立てや爽やかなキャラで陰湿さを打ち消しています。 「ネバーランド」・・・大人へ向かう青年と子供だけの世界がどういった意味で繋がるのか、読んでのお楽しみ。★は7つ。 |
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舞台は新宿歌舞伎町。 様々な勢力が幅を利かせるこの街で綱を渡るように孤高に生きる男「劉健一」。 過去の因縁から人探しをすることになった劉、残された期間は三日。 自身の信念のもと一計を案じる劉の前に顕れる蠱惑の女、短兵急な計画は暗黒街の闇の中で容易く瓦解してゆく・・・。日本に巣食う中国マフィアを描いたアジアンノワール。 全員悪人を標榜した映画がありましたがあの映画だってもうちょっと善人じみた人はいたと思う。しかし本作は掛け値なしに全員悪人、油断すれば寝首を搔かれるとはこの事、誰一人信頼に値する人間はいない。 主人公の劉は仕事上「信用」は得ようとするが他人を「信頼」することはない一匹狼、恩義や血筋さえも自身の生き延びる糧として扱う。 こんな薄情な主人公を狂わせる巨悪の奸計と女への恋慕、未来を勝ち取るためでなく唯今日を生き延びるためにひたすらアウトローに徹する狼の生き様を味わってもらいたい。 ラスト数ページにて物語は帰結し主人公は完成する、常識や人情をかなぐり捨てたハードボイルド。 久しぶりのド硬派はちょっと自分には硬すぎたかな、★は6つ。 |
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首相殺害の犯人の仕立て上げられた主人公。 巨悪からの逃避の中で出会う人々、壮大な計画と驚愕の結末。 絶望的な状況での軽快なユーモラス、バイオレンスな展開ながら疾走感溢れる筆致、裏社会の人さえも愉快に、伊坂氏の才気が迸ってる作品ですよね。 豊かな伏線と鮮やかな終結といい申し分ないです。 2039年、ケネディとオズワルドと一緒にこの作品も思い返せたら幸い。 忘れちゃうかな~、今よりも電波が飛び交う世の中なんだろうなぁ。 ★は9つ!! |
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前の作者がお題を決めれる北村薫主催の連作アンソロジー。 個性が尖りすぎてる錚々たる面々が並んでおります。 題を活かしつつ、前者の要素を絡めつつ連作の要素も兼ねている短編集。 面白いですけど全体的に話が暗い、特に後半の面々はイメージ通りの苦い話を持ってきています。 短編集ならもうちょっと軽い洒脱な話が合っても良かったですね。 功労者は間違いなく辻村氏、作品の大トリを締めるポジションを見事にこなしていて、このバラバラな短編群を一つの作品集に昇華しています。 |
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法医昆虫学捜査官シリーズの第三作。 遺体の第一発見者となった赤堀さん、今回は蟲を追って河から海へ・・・。 自然に晒された屍は想像もよらない変貌を遂げる。 科学の力でどれだけ真相に近寄れるか見物です。 流石の安定したシリーズ★は7つ |
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殺意や無実の証明とは難しいものである。 科学捜査や映像証拠の乏しい昔なら尚更のことで、本作は運命のすれ違いから思わぬ終わりを迎えてしまう。 フィクションではあるが元法曹家の作者が実際に出会ってしまった事件なのかもしれない・・・。
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海野十三の短編集。 1900年代前半に書かれ、未来を希望的観測ではなく「アンチ・ユートピア」で描いた作品が目立つ。 技術を持った人類への警鐘ともとれる筆致にはドキリとされる。
特段好みな「十八時の音楽浴」では性転換やロボットといった技術が進み、人間の快楽・娯楽的部分も機械にコントロールされる世で独善的な政治が行われる。 先進的技術で国を統治したり、他国を脅かす様は核をちらつかせ為政を行う様に重なる。 予言書として書かれた作品では勿論無いのだが80年前から予想された世界に面白さも感じる一方で恐ろしさも感じる。 |
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灯台守が不可解な死を遂げた。 大胆な物理トリックに輻輳した人間関係、退屈させない。 |
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医師としての誤った診断の可能性を指摘しつつ始まる殺人事件。 真相は読者任せの藪の中・・・。 |
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夢野久作にしてはあまりに普通過ぎる探偵小説。 つまり普通に犯人がいて動機があって社会性があって理にかなっている。 そして不思議なことに凡になっているのだ。 狂ってるくらいが丁度いいですよね。 |
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岸に流れ着いた三編の瓶詰の手紙。 無人島に残された彼らの生活は豊潤な楽園だったのか、鬱屈な地獄だったのか。 読む。 また読む。 他人の感想を読んで読む。 解説を読んで読む。 わずか数十頁の短編に幾重もの解釈を見出せるだろう。 |
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ある自殺者の手記。 恋に破れた絶望者の最期の筆記は読み進めてゆくうちに違う色合いを帯びてきて・・・。 青空文庫にあるような古い作品でこのような大胆な技巧に出会えるとは何たる幸せ。 |
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