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りーり さんのレビュー一覧
りーりさんのページへレビュー数163件
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警視庁いきもの係シリーズ4作目。 ピラニア、クジャク、ハリネズミの三編。 遺伝子に従い本能のまま素直に生きる動物たちに比べ、人間のなんとも言えない機微で犯罪を犯す愚かしさよ。 そしていきもの係についに新メンバーが、敬語じゃない薄巡査新鮮です。 動機という点に注視してほしい三編でした、★は8つ。 |
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密室殺人ゲーム第二章!! ゲーム感覚で殺人を犯す若者たち、残虐思考の最期に見出した答えは・・・。 動機をかなぐり捨てた推理ゲームが帰ってきた! 前作の終わりをちゃんと引き継げてます、すごい。 設定は同じなので新鮮味はやや薄れましたがそれでもなおエキセントリックな狂人たちの戯れ、歌野晶午氏の暗いミステリーやっぱ面白いな。 ★は7つ。 |
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とはクラークの三原則。 「2001年宇宙の旅」は公開50周年、いつ見ても時代を感じさせない造りです。 そして本作もまた時代の先陣を切ったような作品、仮想現実という近未来の設定にミステリーを上手く重ねています。 SF作品の楽しさはそれを読む時期によって移り変わるものだと思う。 時代設定がはるか未来なら果てしないロマンを心に秘めるし、近未来であれば自分の存在と重ね合わせ想像する、過ぎ去った未来ならあれは違った当たってたと俯瞰して答え合わせが出来る。 本作は近未来、五感をコンピューターに支配されゲーム内の仮想世界に身を委ねた男のお話・・・。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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年末を学寮で迎える四人の男子校生。 宵の刻、ふとしたきっかけで四人は互いの隠された秘密や過去に触れる。 大人と子供の境界線で迷う青年たちの感情の吐露、7日間の成長。 青春ミステリにカテゴライズされてはいますがミステリ要素はあまりないです。 一人前の大人としてはまだ認められない一方で、もう子供じゃないんだからと言われる境界人の青年たちの想いを描いた青春小説の面が強いです。 苦々しい過去を扱いながら、一日ごとの章立てや爽やかなキャラで陰湿さを打ち消しています。 「ネバーランド」・・・大人へ向かう青年と子供だけの世界がどういった意味で繋がるのか、読んでのお楽しみ。★は7つ。 |
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法医昆虫学捜査官シリーズの第三作。 遺体の第一発見者となった赤堀さん、今回は蟲を追って河から海へ・・・。 自然に晒された屍は想像もよらない変貌を遂げる。 科学の力でどれだけ真相に近寄れるか見物です。 流石の安定したシリーズ★は7つ |
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岸に流れ着いた三編の瓶詰の手紙。 無人島に残された彼らの生活は豊潤な楽園だったのか、鬱屈な地獄だったのか。 読む。 また読む。 他人の感想を読んで読む。 解説を読んで読む。 わずか数十頁の短編に幾重もの解釈を見出せるだろう。 |
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ある自殺者の手記。 恋に破れた絶望者の最期の筆記は読み進めてゆくうちに違う色合いを帯びてきて・・・。 青空文庫にあるような古い作品でこのような大胆な技巧に出会えるとは何たる幸せ。 |
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石動戯作シリーズの1作目。 リゾート開発の計画が持ち上がった岐阜県の辺鄙「暮枝」。 癌をも治す奇跡の泉―――オカルトめいた伝説の取材に来た一同はこの土地の複雑な関係性に触れる。 やがて起きる連続殺人はわらべ歌のなぞりなのか、開発行為の利権によるものなのか、一族への復讐なのか。 技巧、メタ、幻想を兼ねた作者独特の雰囲気の一冊。 500ページ越えの大作ながら少しずつ事件の一端を明かしてゆく構成、短めに区切った多重視点で飽きずに読むことができました。 横溝正史を第一に既存のミステリーの轍を打ち破るようなメタ要素は非常に楽しい。 ハサミ男からの二作目のプレッシャー・ジンクスを完全に退けた殊能将之の遊び心、妙趣、趣味が詰まった作品になっています。 ★は7つ!! ▼以下、ネタバレ感想 |
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私は巷を騒がせた連続殺人鬼「ハサミ男」。 殺人への衝動と自殺への願望に苛まれながら日々を生きつつ、三人目の標的を定めていた。 しかし夜の公園で見つけたのは遺体となった標的、そして首に突き刺さったハサミ。 奇しくも模倣犯の犯行の第一発見者となった私は殺人鬼から探偵になるのだった。 殺人鬼側の猟奇的視点から描かれるミステリ。 冷酷な視点から世の中を俯瞰したインモラルさ、警察を煙に巻き調査を進めるロジカルが光ります。 「ハサミ男」の暗黒面に終始肉薄しつつ、犯人当ても兼ね揃えた殊能将之氏処女作にて最高傑作と言える作になっています。 ★は8つ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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小学六年生の「僕」は眠りに就くと黒猫のジェニィになれる。 巷の野良猫に意識を乗り移せるのだ。 この力を使って犯人に近づけないだろうか、クラスメイトの女子が襲われた恐ろしい事件の―――。 事件を通して描かれる少年の初めての大冒険。 西澤保彦氏のティーンエイジャー向けに書かれたSFミステリ。 あくまで主人公の少年の動向に重きが置かれています。 でも難解な苗字はいつものままでした、私都(きさいち)って何だ。 猫と化した少年のちょっと切なく温かいストーリー、それでいてミステリの芯も素晴らしい。 ★は8つ。 |
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半年程前に富士の樹海に消えた作家志望の男「小松原」、かつて神童とまで呼ばれた才能の持ち主であった彼に何が起こっていたのか? 同じく作家志望の「島崎」は彼の母親から依頼を受け彼の伝記を書くことに、調べるうち明かされていく小松原家の歪んだ過去と彼の周りに巣食う謎の「異人」。 そして島崎の周りにも「異人」の影が現れ・・・。 過去、現在、手記、インタビュー、数多の断章で構成された謎の記録。
多重視点ながらインタビューと現在の視点はきっちり交互に展開されむしろ読みやすかったです。 序盤は主人公と共に過去の詮索を行っていき、徐々に主人公は事件の渦中に巻き込まれ、終盤は読者に大きな謎を投げかける。 全容の見えないホラーでもあり、主人公が災禍に追われるサスペンスであり、ラストに衝撃を控えるミステリーに仕上がっています。 折原さんの作品では古い部類に入るのですが、集大成と言って良いと思います。 技巧はもちろんですが、樹海に作家主人公に現実の事件をモチーフにしたり得意な事を詰め込んでみた感じ、それでいてストーリーの破綻もなく600pの大作ながら綺麗にまとまっています。 読み終わると「異人たちの館」を書いた作者の想いがぐっと伝わる。 文句無しで折原氏の傑作と呼べますね、★は8つ!! ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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東京都西多摩の山道で発見されたバラバラ遺体の一部。 不自然な損壊を成された腕、そして食い違う死亡時刻。 僻陬の地には前科者とその家族、不釣り合いな一家に赤堀と話の通じる調香師、誰が殺し誰が殺されたのか、法医昆虫学捜査官シリーズ4作品目。 次々明かされていく登場人物たちの裏の一面、この動機の余地が残されてたかと想像を遥かに超えてきました。 赤堀先生と岩楯警部の仲も健在、時代は虫女ですよ虫女! ★は8つ |
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「私」は京都大学の3回生。 バラ色のキャンパスライフを夢見、それを得んとするに様々な選択肢を前にする。 映画サークルに入り人の恋路を邪魔することに興じるのか、師を仰ぎ無意味な戦争に身を窶すのか、人形と生を共にするのか、秘密組織に入るか、四畳半の部屋でその生涯を終えるのか。 幸せな大学生活・・・初恋の乙女「明石さん」との恋の成就は叶うのか、それとも悪友とともに海淵に沈んでゆくのか。 大学生活の数多ある選択肢を描いた平衡世界のファンタジー。 ちょっとおかしなキャラクターと四畳半に果てしなく広がる物語を味わおう。 ★は7つ。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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警視庁総務部動植物管理係3作目。 表題作のペンギンに加え、猿、鳥、答案用紙を食べちゃった!?ヤギの中編4集。
人間の言葉って難しいと頭を悩ます薄巡査と須藤警部補のコンビは相変わらず。 動物の興味深い知識に驚かされつつ、事件の謎はしっかりミステリー。 一作目の短編よりいくらか捻った事件の様相、そして須藤警部のツッコミが進化し過ぎです。 愉快な動物ミステリー、★は7つ!! |
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警視庁総務部総務課動植物管理係、容疑者のペットを保護する名目で設置されたその部署に半ば島流しの形で配属されたのは警部補・須藤友三。コンビを組むのは動物にしか目がない薄圭子巡査。 現場一筋鬼警部補と変わり者巡査がペットそして飼主の情報を基に事件を追う。
殺人事件の裏に動物の影有り!! 薄巡査が持ち前の知識でペットの生態、飼い主に現れる特徴から犯人に迫っていきます。 流石に証拠能力としては限度があるのでそこは鬼警部補の出番、一課で培った杵柄で犯人の動かぬ証拠を炙り出す。 ボケとツッコミも冴えわたるナイスコンビが贈るユーモラス動物ミステリー、★は7つ!! |
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大日本帝国陸軍に設立された極秘諜報組織“D機関”、冷酷なまでに人間味を削ぎ落されたスパイの頭脳戦を描いた短編集。 スパイの意義、諜報活動の定義がフィクションながら鮮明に掲げられます。 徹底した秘密主義、穏便主義の下繰り広げられる心理戦、頭脳戦は短編ながら巧緻。 楽しすぎるぞこのミステリー。 ★は7つ!! |
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