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土の中の子供



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【この小説が収録されている参考書籍】
土の中の子供
土の中の子供 (新潮文庫)

土の中の子供の評価: 3.45/5点 レビュー 86件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.45pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全47件 41~47 3/3ページ
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No.7:
(4pt)

人から否定されても、生きていたい。

虐待されたことも、暴力をうけたこともないけれど、頭も良くなく、しゃべりも下手で、美人でもない私は、学校で、就職面接先で、職場で、ショップで、コンパでなどなど、人に否定されたような感じをうけることがしょっちゅうある。(被害妄想もかなりあると思うが…。)主人公とかなり差はあるが、なんだかやたら共感してしまった。
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No.6:
(4pt)

次は長編を・・

幼児虐待や、トラウマを題材にした作品、最近では珍しくないですが、「土の中の子供」はそれを上手に現していると思います。自分ではどうしようもない感情・・それは文章にすると、やけに暗くなってしまうのですが、実はそれが本当なのではないかと思います。自分で自分の感情をもてあますような、毎日をただ過ごしているような、過去は思い出したくないけど将来も考えたくないような・・・作品自体が短いので、次回は長編を読んでみたいと思いますが、この短編の中でこれだけの主人公の内面を表現できるのは、さすが、と思います。まだ若い作者のようですので、今後の作品に期待したいです。
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4101289522
No.5:
(4pt)

とにかく暗いです

 芥川賞受賞ということで読んでみました。 「土の中の子供」 暗い話でした。リアリティのない暗い話でした。いきすぎた悲劇とは往々にしてリアリティが無くなるものです。 主人公は否定していますが、やはり死にたかったんだと思う。「死ぬ」ということが彼にとっては意味があったんじゃないかと思います。煩わしい世の中からの離脱。究極のデタッチメントと求めていたんではないでしょうか? しかし、所詮人は一人では生きてはいけません。この話の主人公は幼いころこそ恵まれていなかったけど、「今」は恵まれています。運もいい。ヤマネさんに頭をなでてもらった記憶。たった一つでも希望があれば、それは絶望に打ち勝つものだと僕は思います。 「蜘蛛の声」 これも暗い話です。 デタッチメントに囚われた人間を描き出しています。しかし、前述のように人は一人では生きていけないのです。世界に、人にコミットメントすることなしには「人間」は成り立たないと僕は思います。 最後にバッグの中にナイフがなかったのはやはりそういうことなのかなと思いました。  二つの話を通じてのこの本のテーマはデタッチメントとコミットメントの狭間で揺れ動く人間でしょうか?話が暗くて受け付けない人もいるかもしれませんが、最近の芥川賞の中ではかなりよくかけている作品であると思います。この人の長編も読んでみたいです。物凄く落ち込みそうですけど・・・。
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No.4:
(4pt)

理不尽な暴力からの精神的克服を描こうとした力作

 理不尽な暴力の被害者が、自らの恐怖心を克服することで生き延びようとする、その心理描写がとても「巧い」と思った。しかし、芥川賞選考委員の村上龍は、文芸春秋にその選評として、「虐待を受けた人の現実をリアルに描くのは簡単ではない。(中略)誠実な小説家なら、そんなことは不可能だと思わなければならない。」と酷評を載せており、また、宮本輝は、「幼児期に養父母によってひどい虐待を受けつづけた過去を持つ青年の内面に筆が届いているとは思えなかった。」と評している。確かにこの主人公の受けた虐待は本当にひどく、持続的な暴力の後にネグレクトされたあげくの果て、土に埋められ殺されそうになるが、奇跡的に脱出するというもので、8歳時にこのような虐待を受けていたら、もっとその後の人格形成において重度の障害を残すだろうと予想される。幼少時に受けた虐待がもっと程度の軽いものという設定だったら、二十七歳になった主人公の心理はすごくよく描けていると思うのだが。にしても、前々回の受賞作「蛇にピアス」のような、ただ過激なだけの作品と比べると、奥の深さは段違い。今後に期待できる作家だと思う。
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No.3:
(4pt)

重くせつなく、苦しい。

壮絶な虐待を受けて育った幼少時代。「早く大人になりなさい。そうすれば自分の力で生きていける」。施設でいわれたことを胸に、大人になった彼だが、やはり暴力は彼を苦しめる。ものを落下させるということに、自分の落ちていくさまを重ね合わせる描写、同居する女性へ向ける想い、とにかく、筆力のある作家であることは間違いないです。このあたりが芥川賞受賞のゆえんなのでしょう。ただ、いかんせん、重すぎます。読んでいて、苦しさが読み手にまでずっしりとのしかかり、いたたまれません。
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No.2:
(4pt)

現代的な純文学小説みたいですね。

 「遮光」につづいて中村さんの本を読みました。独特の空気をもつちょっとくせのある作家さんのようですね。受ける人には受け、そうでない人にはただ暗いだけのお話だと思います。 この本は、中篇「土の中の子供」、短編「蜘蛛の声」の2作から構成されています。 まずは芥川賞を受賞した「土の中の子供」ですが、過去の出来事でとらわれ、何かを探しもともる男の姿が、彼独自の虚無感の空気の中描かれています。「遮光」と違いラストにほんのりと希望が見えているのが印象的でした。 しかし2作目の「蜘蛛の声」。よく言えば現代風純文学なんですが、狂気の表現としてみると、やや難解ないまひとつ読み手に何を伝えたいのか良くわからない作品みたいです。正直、私には理解できませんでしたが、彼の作風の空気は間違いなくありました。読後ちょっと疲れましたけどね(笑)。 まずは芥川賞受賞おめでとうございますという感じです。次回作、出来たら今度は長編を読んでみたい作家さんですね。
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No.1:
(4pt)

世界を失った少年

 しんとした悲しみが底流をなす小説だった。悲しさを悲しいと表現できない。自分が生きていていいと思えない主人公が、暴力からいつまでも開放されない様が、淡々とつづられていく。 頭では、自分が悪かったのではないと分かっているのに、ままならない。そうだろうなあ。今更会いたいという、彼を捨てた父を、私も許せない。会うこと自体が、許しの一種なのだろうから。 子どもへの虐待は、ありきたりになるが、深刻だ。そしてまた今、虐待のやんだあとの心的外傷後ストレス障害について、ここに小説の形で問題提起されたのだ。 彼に世界を取り戻す日は来るのだろうか。小説を読み、同居の女性と心の交流が生まれかけている終盤は、少し希望が見える気がする。
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