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TENGU
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TENGUの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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主人公が日大芸術学部出身、作者も日大芸術学部出身。この時、作者が主人公に対し、自己投影をしているのではないかと感じた。 主人公の設定をもう少しぼかして描かれていたら、ここまで違和感を感じなかったかもしれない。 ミステリー小説はあまり読まないので他の作品はどうしているのかわかりませんが、最後の最後に2人のおっさんの会話で謎解きを全て終わらせるのはつまらないと感じた。 謎解き会話の内容についても、〝今日は疲れたので続きはまた明日”、というやりとりを何度も繰り返すので、テンポがとても悪く感じた。 最後に個人的な好みの話になるんですが、官能小説ではないので(少なくとも私はそう認識しました)エッチなシーンは極力省き、匂わせる程度で良かったのではないか、と思いました。 また、主人公や色んな男にヒロイン的な女性はモテモテでしたが、売女相手にここまで夢中になるか?、と疑問を抱きました。 本当に個人的な感想になるんですけど、話がぶつ切りで、この後のことは読者の想像にお任せします、というスタイルの小説は好きではありません。 この小説の場合、謎は解けた!→結婚!のハッピーエンドで良かったのではないかと思いました。 | ||||
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第9回大藪春彦賞受賞作。26年前の捜査資料と、中央通信の道平記者は対面した。凄惨きわまりない他殺体の写真。そして、唯一の犯人の物証である体毛。当時はまだなかったDNA鑑定を行なうと意外な事実が……。1974年秋、群馬県の寒村を襲った連続殺人事件は、いったい何者の仕業だったのか? | ||||
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文章の表現力はすごいレベルだし、構成力も優れている。現在と過去の視点を行き来するという混乱しやすい構成なのに、場面の切り替わりを明示することで読者もスムーズに作品世界に入っていける良作だと思う。さすがノンフィクション出身の作家だと思う。 ただ、いくつか瑕疵がある。 ・この小説のストーリーは、「米兵のセックスドールとなった後、売春婦を経て旧態依然とした村落で男性の共同財産となりあまつさえUMA(未確認動物)である獣人の相手まで務めるハメになった盲目の美女が、獣人を使役して夫の復讐をしていた殺人事件」ということだと理解したけれど、納得しがたい。「盲目美女を人間扱いしてくれた村落の夫」とやらは結局、結婚したものの村落内の男性たちに新妻を差し出していた訳で、今まで彼女を通り過ぎた男たちと何ら変わりなく、彼女がその亡き夫のために復讐する、という心理は首肯し難い。 ・「UMA以外のどんな存在がこんな事件を起こせるんだ?」という興味で話を引っ張っておいて、結局顛末がUMAによるもの、というのは正直興ざめだった。たとえば「一つ目小僧の正体が宇宙人だった」みたいな、非現実の種明かしを非現実にした、という答えは、結局何でもアリのような印象を残すので、フィクションでは御法度だと思う。 UMA、米国絡めた時事問題、想いを託す末期ガンの元警察、性的に乱れた聖女、ワイルドな男の生き様とか、まあそういう道具立てを好きな人にはこたえられない世界観なんだろうけど、それを優先してしまったばかりに不自然な物語になってしまい、キャラクター造形も紋切り型なので、東野圭吾や伊坂幸太郎みたいな大勢の愛読者は得られない気がするね。女性は誰も共感しないだろうし。 | ||||
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横溝正史的な雰囲気の導入部にひかれ、あっという間に読み終えてしまいました。 閉塞的な村、ベトナム戦争、911テロ、これらのモチーフをうまくからめて 中だるみなく、一気に駆け抜けます。 肝心の謎部分はUMAというものを信じてない人には納得出来ないでしょう。 そういう人も説得出来るような力量には欠けます。 しかし一番強く思ったのは、男性は「淫らな聖女」が本当に好きなんだな、という事です。 サエコのような女はいないですよ。 男のドリーム全開で所々苦笑しました。 | ||||
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26年前に起こった連続殺人事件。その調査に乗り出す記者の道平。 裏にあるのは個人的な恨みなのか、アメリカによる秘密裏の行動か。 現代と26年前とを行き来しながら、少しずつ明かされる物語。 肝心なところが最後まで明かされず、読者のページを捲る手を促す。 ミステリー・サスペンスという形を取っってはいるものの、 時空・国を越えた親子愛・夫婦愛の物語だった。 非現実的な内容であれば、とことん行くところまで行って欲しかったのが本音。 やや中途半端感は否めないが、夢という意味ではこの内容もあり。 | ||||
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この本に何を期待しているかによって評価が分かれると思います。 私は『KAPPA』を先に読んだので、 同じようにTENGUの正体を暴き、大捕物で大騒ぎ! みたいなのを期待してましたが、全然違うものでした(汗) TENGUによる殺人事件は26年前の出来事で、 それを今になって当時の資料等を調べて真相を究明していくというような感じで、 リアルタイムで事件が進行している分けではないので緊迫感は希薄です。 現在と過去の書き分けは、具体的に年代の記述が無いにもかかわらず、 それが簡単に解るようになってて、とても上手かったです。 KAPPAの正体は納得でしたが、 TENGU正体はちょっと微妙・・・とてもカラス天狗には見えませんw | ||||
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この本に何を期待しているかによって評価が分かれると思います。 私は『KAPPA』を先に読んだので、 同じようにTENGUの正体を暴き、大捕物で大騒ぎ! みたいなのを期待してましたが、全然違うものでした(汗) TENGUによる殺人事件は26年前の出来事で、 それを今になって当時の資料等を調べて真相を究明していくというような感じで、 リアルタイムで事件が進行している分けではないので緊迫感は希薄です。 現在と過去の書き分けは、具体的に年代の記述が無いにもかかわらず、 それが簡単に解るようになってて、とても上手かったです。 KAPPAの正体は納得でしたが、 TENGU正体はちょっと微妙・・・とてもカラス天狗には見えませんw | ||||
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確かに面白いです。 「未確認巨大生物」という男が食いつきやすい設定がものの見事に奏功し、ひきこまれ、どんどん読めます。 登場するヒロインの人権を完全に無視した性的暗さも絡めて、まさに男性読者をひきつける要素を完全に備えた作品です。 しかし筆者が主人公に代弁させているかのような「俺はアメリカを知り尽くしているが、アメリカを肯定するわけじゃない」というような主張が気になります。 アメリカ人と主人公とのやりとりに「国際社会通な自分」を投影したがっているようで鼻についてしまいました。 | ||||
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この作家を読むのは初めて、確かに筆力はある、面白い。 しかし、着想の奇想天外さと結末の肩透かし感、ベトナムとか911テロが絡むため、もっと深刻なミステリーを期待する向きには甘すぎる。 主人公や周辺の男達の描写は、自由に憧れる男の身勝手なロマンが横溢しており、そこに感情移入できるか否かが本書の評価の分かれ目になるだろう。女性像は男の理想系でしか描かれず、一時代前の小説を読むかのようだ。 まあ、それではあっても、彼のデビュー作となった「下山事件 最後の証言」を彼の筆致で読んでみたいという気にさせてはくれた。柴田作品は男に捧げるスピリッツか。 | ||||
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平家落人の僻村、天狗伝説が語られる寒村での連続殺人事件、米軍とその手先のような県警、遺伝子、UMA等の『魅力的』な材料で構成されるミステリー。昭和40年代・現代、僻村・アメリカと展開するストーリーはスリリングである。 がしかし、女性には全く受けないだろうな。人権云々を語るには彩恵子はあまりにも女性の人権を無視した設定だ。大薮賞選考委員は『彩恵子のキャラクターが際立って鮮やか』と絶賛したらしいが、世の女性に『男は身勝手』と言われそうだ。 とすると男性向けということかもしれないが、あんまり共感できない。 明らかに悪人の設定である男だけでなく、主人公やFBIの捜査官もやっていることは自分勝手で残虐だ。飽くなき探究心、自分勝手なジェラシーは誰にでもあると思うが、例え箍が外れても、この本に出てくる男たちのように振舞う可能性はないだろうと思った時点でリアリティを感じなかった。 ミステリーとしても不満だ。『UMA以外の何者がこんな残虐な殺人事件を起こしうるのか』を期待して読み進めたが結局はUMAの仕業。もう一ひねり期待した読者は少なくないのではないか? | ||||
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群馬県の閉ざされた寒村で起こった連続殺人事件は横溝正史的舞台設定に天狗 による犯行を思わせる目撃談と状況証拠。天狗というからには伝奇的な作品と思 いきや、読み進むと米国政府機関の暗躍から国際的な謀略が絡んでいるのではな いかという展開は不意打ちを喰らいましたが作者が、「下山事件−最後の証言」 の著者であると気付き納得しました。プロット、伏線、意外な結末とよくできた 作品だと思います。ベトナム戦争当時の世界情勢に関する勉強にもなるかと思います。 でありながら読後どうして物足りなさを感じるのか考えてみました。ストー リーや時代背景など非常に気を配って書いているのに対して、人物描写が持って いるブランドや飲む酒で表現されている点など、がやや平面的に感じたのは私だ けでしょうか。ストーリー展開や資料収集は主に編集者の仕事によるものだと思 います。作家なら誰でもそうしていると思います。では、どうして編集者作では 本が売れないのか?作家は編集者が集めてきた材料を料理してさらに登場人物に 魂をこめる事で、質の高い作品が生まれるのだと思います。本作品は素材を厳選 するあまり、最後の作業がおろそかになってしまった印象を受けました。 その分を割り引いても斬新な切り口で、楽しめる作品ですので手にとって見る 価値はあると思いました。 | ||||
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5世帯しか暮らしていない寒村のリンゴ畑で人間の仕業とは思えない、しかし熊などの動物の仕業でもない凄惨な殺人が起こった。それは連続殺人の始まり。 26年後、当時、事件を追っていた記者・道平は同じく事件を捜査していた鑑識・大貫の依頼で再び事件を調べる。事件前に起こった事故、消えた証拠品、米軍、盲目の女・・・、捜査資料を調べるうちに当時は疑問にも思わなかった事実が少しずつ明らかになっていき、さらなる疑惑が浮かび上がる。 過去の記憶と現在を行き来しつつ、次第に真相に近づいていくのだが、事件当時の人間関係のドロドロさに気分が重くなりました。ラストには全てが明かされますが、終わり方に「え!終わり?」と叫んでしまいました。もう少し、真相解明の余韻とか欲しかったかな。 これから読む方は、ラストは先に読まないでください。ネタバレしてしまいますので。 | ||||
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面白いことは間違いなし!!最後まで一気読みでした。 ただし、なぜ「大藪春彦賞」なのだろうか? 大藪春彦といえば「汚れた英雄」「野獣死すべし」等の泥臭い男臭いコテコテのハードボイルドである。 あらすじ等全く知らなかったが「大藪春彦賞」ゆえに読んでみたいと思い、男のハードな気骨を感じるストーリーを期待して購入した私である。 推理作家協会賞やメフィスト賞ならこのストーリー・ミステリレベル・謎のオチは納得してもいい。しかし、この小説は「大藪春彦」の世界では無い!! ゆえに星は3つである。 それに9.11テロの関連性を強調する宣伝は強引すぎる。 確かに面白いミステリですが、ハードボイルドを期待する方には肩透かしでしょう。 | ||||
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