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七姫幻想
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七姫幻想の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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神代の昔から江戸時代まで、織物、水、女の三題噺がつながっていき、そこに切ない事件が絡んできます。 その事件の謎を解く探偵小説的骨格がなかなかしっかりしている上、登場人物が前の登場人物の「噂」「おはなし」を聞く場面が挿入されていたり、「女の物語を描く(当世風に言えば)女流作家」が登場したりと、メタフィクショナルな味わいも濃厚で、推理小説ファンを裏切りません。 「千年の黙」がお好きな方にはおすすめ。軽い筆致で現代を描く「れんげ野原のまんなかで」では抑制されていた「物語」が、この作では前面に出てきます。これからが楽しみな作家ですね。 | ||||
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タイトルに惹かれて、図書館で思わず手に取った本だったのだが、これが大当たり。 当時初めて見る作家だったのだが、織り成す世界の美しさに一気にファンになってしまった。 舞台は、神代から江戸時代までの七つの時代。 王室、機殿、貴人の屋敷、斎院の御所、内裏などで起こった謎を読み解くささやかなミステリー。 七夕伝説における織姫の七つの異称に擬えた各章の題名と筋書きの美麗さもさることながら、 既知の和歌が物語の機能の一つとして組み込まれていたり、 歴史上の著名な人物を生き生きと活躍させたりと、日本文学専攻で歴史・伝承好きには 堪らない仕上がりになっている。 伏線の張り方もなかなか巧妙で、 「ああ、これが前の話のあの部分に繋がっているのね」と匂わせるのが実に上手い。 個人的には、第四章「朝顔斎王」で女密偵ばりの活躍を見せてくれる某少納言様がカッコよすぎる。 「彼女」に関しては、森谷氏のデビュー作「千年の黙」と併せて読むと、より楽しめるかもしれない。 | ||||
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七夕の織姫には,重層的な性格を反映して七つの別称があるそうだ.そうして七夕は水乞いの祭りであるとのこと.そこで高貴で水の神に縁のある七人の女性の愛と死が語られる.時代は伝説の古代から賀茂斎王の平安を経て江戸時代に至る.七つの物語すべてがどこかぞっとする不気味さを持つミステリーを構成するが,この著者に特徴的な豊かな細部の描写のために,必ずしもミステリーとして意識する必要はない.それぞれの物語は信じ難いほどの時代考証と文学考証の上に成立していて,史書は勿論,神楽歌までが動員される.それでも話の自立性が失われないと言う事実は作者の空想力と表現力がいかに巨大なものかを示して遺憾がない.強く推薦.なお平安時代でこの作品は 千年の黙 に連なり,賀茂斎王と森で 葛野盛衰記 に連なる. | ||||
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作者は、衣通姫の伝説に絡めつつ、オムニバス形式で7人の姫の物語を語る。 7人は織姫の7つの異称にちなんでいる。彼女たちは、古代から近代へ、水際で糸を布へと織りながら、人模様、恋模様を描き出す。 歴史の背後に一つの血筋、古い血と力を受け継ぐ一族の存在を見え隠れさせながら、時代が下るほどに姫たちは神性を失いつつ、織という行為もまた市井のものとなっていくのだ。 そこに謎解きの要素が加わるが、解くべき謎として人が死ぬ。人が死ぬのは女神たちへの犠牲であるとも見なすこともできる。 森谷さんならではのことで、さりげなく大友家持や清原元輔、清少納言といった名だたる文人らが登場しているところも見どころ。 幾重にも織り込まれたシンボルの数の多さに舌を巻く。物語を織りなす糸を読み解くもよし、解かずにすべてを眺めて楽しむもよし。いや、織られたものを解きほぐすのは、やはり無粋というものか。 多様なシンボルが織り込まれ、多重なイメージに遊ぶ、豊穣で、贅沢で、まさに幻想的な美しい物語だった。 | ||||
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日本の神話時代からの王朝文学を、七夕の織姫、和歌と絡めてありゆるやかに読めました。後味がイマイチと感じるものもありましたが、オススメは朝顔斎王。不器用サン二人の恋がカワイイです。 | ||||
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