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ボーダーライン



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【この小説が収録されている参考書籍】
ボーダーライン
ボーダーライン (集英社文庫)

ボーダーラインの評価: 4.00/5点 レビュー 11件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(4pt)

銃を撃つことへのためらい

米国に渡って12年の日本人探偵のハードボイルド小説です。米国の人種や所得による格差を描きながら、日本人という微妙な立場を示すエピソードを交えて進行します。
特に銃社会といわれる米国で、人を撃つことに対し日本人が持つためらいが印象に残りました。
ただ最後まで信吾という登場人物のイメージが掴めませんでした。「未熟な赤ん坊のような心」との記述もありましたが、理解不能なまま読了しました。
ボーダーライン (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ボーダーライン (集英社文庫)より
4087474518
No.10:
(4pt)

親の子を思う気持ちの究極の回答

ロスで探偵として働く二世のサム・永岡は日本より捜索依頼を受けた日本人を探す。
その男はどうやら日本で何件かの殺人事件に関わっているようである。
そんな中父親がその息子を殺すためにロスにやってくる。
永岡の裏をかき先回りして息子の殺害に執念を燃やす。
探し当てた息子に自ら父親は銃殺される。
緊迫した場面が次から次へと展開していく。
この作品もまた重苦しい重厚な出来だ。
一般文学通算1315作品目の感想。2016/08/15 14:05
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4087474518
No.9:
(3pt)

テーマは悪くない

悪とは何かというテーマにスポットを当てた作品なのだが、
全体的に間延びしまくっていて読んでいて辛い
それなりにページを費やされる恋人の失踪が事件と無関係だったり、
犯人との対決があまりもあっさり過ぎたりと不満も多い
親子の対面のシーンには主人公も居合わせたほうがよかっただろう・・・
もう少しコンパクトに纏めていてくれたらという惜しい作品
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4087474518
No.8:
(5pt)

実の父と探偵が追う、生まれながらの悪を宿した少年

個人的に、真保作品の中でベスト3に入る作品。
ロスで探偵業を営む永岡が探すことを依頼された少年・信吾には、人を殺すことに罪の意識はない。彼は、天使のような笑顔を称え、人を殺せる人間なのだ。
人間に罪を犯させるのは、環境なのか?
それとも生まれながらに、悪意を秘めた人間が存在するのか…??
愛され、慈しまれ育ったにも関わらず、罪を重ねていく少年。
死を覚悟しつつも、その暴走を止めようと、息子に向き合おうとする父。
別々に信吾を追う父と永岡が、彼に近づくほど見えてくる現実…。
人間の闇を描き、キレイごとで終わらせない本作は、ずっしりと重く心に影を落とすが、読み応え十分!
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4087474518
No.7:
(3pt)

悪とは何か?

笑顔で人を殺す「サニー」、それを追う私立探偵の主人公・サム永岡。ストーリーの中心は、この追走劇になるのだが、その過程で、日本に生まれながらアメリカで探偵家業を行い、永住権を持つこととなった永岡がそれまでに接してきた犯罪者達の記憶が表れる。「生来の犯罪者は存在するのか」「犯罪者とそうでないものを隔てる境界とは何か?」という問題へと突き進む。ストーリーとしてつまらない、ということは無い。だが、テーマが壮大過ぎて、いささかピンボケしているような印象があるのは否めない。そのため、他の作品と比較するとやや地味な印象が残る。深く考えさせられる作品であることは確かなのだが。
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No.6:
(4pt)

悪を描くむづかしさ

 本作では,純真無垢な子供のように微笑しながら,喜んで虐殺行為を繰り返すという人物が描かれる。幼子が昆虫などを相手に,残酷な遊びをすることがあるが,善悪を知らない幼児の精神そのままに,肉体的に成熟し,残酷な行為の相手が虫から人間にかわってしまったのだ。 もし自分の愛する子がそのように育ってしまったら,親として,あるいはそのような人物と関わりをもったものは,どうしたらよいだろうか。本作の問いかけの一つである。 著者は本作以前の「小役人シリーズ」では,社会問題を取り入れてきたが,本作ではより普遍的な「悪」が問題として取り入られているのだ。その結果,かえって読後の印象は薄くなった。作品が面白くないのはない。ただ,社会問題に巻き込まれた主人公のモラルを描くのと,悪に対峙した主人公のモラルを描くのとでは,作者に要求されることが異なってくる。 社会問題ならば資料集めをすればよいが,悪を説得的に描くには,自身の心のなかの虚無を徹底的に観想する作業が不可欠だ。体験しない悪を読者に説得的に提出することはできない。 小説として面白く書けているから,読んで損はないが,著者の本領が十分発揮されているとは言い難いと思う。 
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No.5:
(4pt)

反則かなこれは?

前半はアメリカという国家での探偵のあり方をうまくとらえていてかなりリアリティを感じることができましたが、(日本の作家の場合はマーロウの焼き直しが多すぎます)後半になるに従ってぼろが出てきたように感じます。特にラストシーンはいい意味で裏切られたと感じられる人とこれは全面的に反則だと感じられる人が半々ではないでしょうか。
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No.4:
(5pt)

「生まれながらの犯罪者というのは存在するのか」というテーマを背景にしたハードボイルド

ロサンゼルスで日系信販会社の調査部に勤めている探偵(調査員)が主人公のストーリー。ある日本人を捜す依頼を受けて調査を始めると、その相手は人なつっこい顔で握手をするように簡単に人を殺す殺人鬼だった。彼の行方を追う父親も登場し、主人公はさらにこの父親も追うことに。相変わらず詳細で緻密な描写が随所に見られ、カリフォルニア南部とアリゾナ南部を丹念に取材したことが伺えます。登場人物の会話(の文章)が冴えているのも相変わらずで、その独特の世界へ心地よく吸い込まれていきます。一言で言えば「生まれながらの犯罪者というのは存在するのか」というテーマを背景にしたハードボイルド。決して目新しいテーマではないものの、笑顔のまま他人を撃ち抜ける精神は先天的なものなのか、教育の問題なのか、社会的な要素が影響するのか等々、父親と探偵が夜を明かして議論する過程は読ませるし、考えされられることも多かった。タイトルの「ボーダーライン」は、殺人鬼が密輸商売をやっているアメリカとメキシコの国境という意味だけでなく、物語のあちこちで(それとなく)触れられている目に見えない境界線(殺人鬼と普通の人、社会と個人、会社と個人、親と子、愛情と憎悪、モラルと犯罪など)のことも示唆しているのだろう。
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No.3:
(4pt)

普通じゃない人。。。

ボーダーライン、というタイトルではあるけれども「サニー」という”笑いながら人を殺す男”は、普通じゃない人、です。この人と小学校を襲ったTという男をなんとなく重ね合わせてイメージしていたのですがそれは見事に裏切られました。どちらかというと「サカキバラ」かな??「サニー」は実際にはほとんど第三者、もしくは身内の話の中でしか登場しません。だから、なんとなく『ほんとかな??』という実体として捕らえられない、そんな印象を受けました。日常生活に必要な知識や判断力などは持ち合わせているけれどもどこか異常な部分(しかも強烈な)がある、、そんな男を 探偵の主人公が探す。。。というストーリーです。この「サム」という探偵のアメリカンドリームに焦点を当てながら「サム」との対決に進んで行くのです。初めてサニーに出会った場面は、どきどきします。とても恐い。ここから一気に盛り上がります。普通じゃない人が、普通の顔をして生活している、、そんな今だからこそ読みたい、そんな一冊だと思いました。
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No.2:
(4pt)

心の病の原因はどこにあるのか

この小説は、表向きは永岡を主人公とするハードボイルド小説なのかもしれませんが、私にはサニーを主人公とする『心に暴力的な病を持つ中人(心の病が原因で大人になれない小人)』の小説であると読めました。いわゆる筆者の『小役人シリーズ』とは違った、「奇跡の人」に続くシリーズではないかと。子供のような笑顔で人を殺すサニーの心の病は、生まれつきなのかもしくは成長過程でそうなったものなのか、小さい子を持つ親としては非常に気になりました。そのため、サニーの親と永岡の会話や、サニーが入っていた刑務所の看守の言葉は何度も読み返しました。しかし、その原因についてはなぞのままです。その中でも、「奇跡の人」の次に本書を読むと、そのなぞが徐々に姿をあらわしてきたような感じがし、このシリーズの次作では、その答えについてかなり期待が持てるような気がしました。筆者の作品のほとんど読んできている私は、その作品の中でも『小役人シリーズ』など、綿密な取材を行うことによって読者を自分の知らない世界に導いてくれる作品が好きです。しかし、この本も「奇跡の人」同様最初は読むペースが遅かったのですが、後半は時間がたつのを忘れてたことから、読み終わった後はもう次の作品への期待が膨らんでいました。
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No.1:
(4pt)

悲しい親心

 舞台はアメリカ、主人公は日本人の私立探偵。といってもハードボイルドではない。どこにでもいる男が日本のクレジット会社の在米調査部に身を置くはめになり、そのまま探偵の免許と銃の許可証を所持して居ついたに過ぎない。主な仕事は「旅の恥はかきすて」のあと始末。そんなある日、本社から得体の知れない人探しの依頼がはいる。調査が進むにつれ、追跡している若者の異様さが浮き彫りになる。人を惹きつけずにおかないあどけない笑顔を見せながら、握手するような気軽さで見境なく引き金を引く「サニー」。 この物語にはヒーローはいない。主人公は流されるうち、いつしか銃を手に「サニー」の前に身を挺していく。だがそこまで彼を駆り立てたのは、息子「サニー」自ら始末しようと後を追う父の悲しい親心だ。その父のことばが空しく空回りする。「あなたは、生まれながらの犯罪者がいると思いますか?」 現実に凶悪事件が起こるたびに、世間もメディアも世を挙げて家庭環境を取り沙汰する。そのあたりまえの風潮に、この父のことばは一つの疑問となって立ちふさがる。 正常と異常の境界線、その答えは底知れない深淵を覗くようだ。
ボーダーライン (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ボーダーライン (集英社文庫)より
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