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死ねばいいのに
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死ねばいいのにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全105件 21~40 2/6ページ
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初めて京極夏彦の作品を読了した。タイトルにインパクトがありすぎて、いつか読もうと思っていた作品だった。 アサミという女性が殺され、その女性の知り合いだと名乗るケンヤがアサミの関係者である人々にアサミについて尋ねるという形で物語は進む。 一人目は派遣先の上司。 二人目はマンションの隣人。 三人目は情夫のヤクザ。 四人目は実の母親。 五人目は殺人事件の捜査をしている刑事。 六人目はアサミ殺人犯の弁護士。 ケンヤはあくまでもアサミ殺人の犯人を捜査しているわけではなくて、アサミがどういう人物だったのかを聞いて回る。 正直犯人については四人目のあたりで『もしかして……?』と思った人物だった。その前にも多少違和感はあったので、五人目の章の最後の一文を読んだ時はその違和感がなんだったのかわかって、はっ、とされられた。 しかしこの小説の主題はあくまでもアサミという人物自身であって、犯人は誰かは問題ではなかった、と読了後は思った。 つまり、『アサミって本当はどんなことを考えていたのか?』ということだ。 聞き取りをされた全ての人たちは、本当に『人間』だった。 「本当はこんなはずじゃなかった」 「自分はもっと認められるはずだ」 「自分はなすべきことをしているのに、周りは理解していない」 「自分の立場では仕方ないことなんだ」 誰だって生きていれば思うような、そんな事をケンヤに吐き出している。 人生や自分の信念、理想が現状にそぐわない、躓いている人達の、何の虚飾もない心の底からの訴えだ。 それに対するケンヤはそれまで相手の話を「自分は馬鹿だから」とか「礼儀とかもよくわからないから」と言いつつも、何を言いたいのかきちんと汲み取ろうとしていた。 所々まるで子供のように、大人になると『暗黙の了解』という名の不文律が邪魔をして聞けない、もしくは聞こうとも思わないような質問を交えつつ、相手の訴えを聞く。 しかしそれはほとんどすべて、彼が聞きたかったアサミについてではない。 どの人物にも最終的には「それはあんたのことでしょ、俺はアサミについて聞きたいんだけど」という一言から、まるで反撃するような勢いで、正論を語って行く。 ケンヤは決して馬鹿ではないと思う。相手の話を聞き、矛盾があるようなら指摘し、責任は誰にあったのかを、拙いながらも理路整然とまくし立てて行くからだ。 そして六人目の弁護士が言うようにまさしく『愚直』なのだろう。 真っ直ぐ受け止め過ぎるのだ。だからこそ六人達への矛盾も誤魔化されずに指摘できたのだと思う。 ケンヤは常にニュートラルだ。 誰が一方的に悪いとも、良いとも言わない。相手の心情を慮り、理解を示す。しかしそれゆえに残酷でもあると思う。 『確かにあなたの立場や職業では、そうするしかなかっただろうし、理解できる。でもそれとこれとは関係ないよね?』 『じゃあ、そう言うならどうしてこうしなかったの?』 そしてどうにもならなかったんだ、という相手の訴えをそのまま受け止めて、 『なら、死ねばいいのに』 と言うのだ。 どうにもならないなら死ぬしかない、というとても分かりやすい理屈だが、誰だって死にたくはないし、一瞬ぽかんとなる。 そしてまるで憑き物が落ちたかのように、真にアサミの『死』について受け止めるのだ。 最初私はアサミとケンヤは似たもの同士なのかと思っていた。 あるがままを愚直に受け入れ、どうにもならないことに悲観しない。嬉しいことや幸せだと感じたことも全てそのまま受け止めて、感情のままにあらわす。 だから彼女が『死にたい』と言ったこともきっと本当にそのままの意味だったんだと思う。 でも、こんな人間って本当にいるだろうか? 全てを受け入れるということは、欲がない、願望がない、と言い換えられないだろうか? だから私はアサミはもちろん、ケンヤもニュートラルすぎて人間だと思えない。 しかしケンヤは最後の最後にアサミに対して恐怖を抱いているし、『自分は一度も死にたいと思ったことはない』と発言しているので、まだ『ああ、こんな奇妙な奴でも人間なんだな』と、変な風に安心してしまった。 しかしアサミは違う。自身の境遇に悲観的でもないし、むしろ幸せをも見出していた。 もしかしたら彼女も生きていればもっと人間らしい何かがあったかもしれないが、彼女視点の話はないし、そもそも登場人物全てがアサミを、正しく理解していたとも思えない。謎のままである。 ただなんとなく、口絵の『菩薩』を読了後見て、本当にアサミは菩薩だったのかもしれないと思った。 | ||||
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この本に辿り着いた方々は、僕のレビューを読まなくても購読されることでしょう。 京極道シリーズや妖怪シリーズにはない魅力が溢れています。 やっぱこの人天才だわ。 | ||||
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お気に入りの作家なので毎回欠かさず読んでいます。今回策も期待を裏切らないものでした。 | ||||
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先の読めない展開と魅力的な登場人物に惹きつけられて ついつい続きが気になってしまい、目が離せません。 推理ものとは、少々違いますが、推理小説が好きな方におすすめかもしれません。 色々 考えさせてくれる一品です。読んでよかった…! | ||||
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まだ読み切っていないので★4つにしました。 タイトルで読んでみようと思った本です。 口の悪い、常識のないようなあるような若者に「死ねばいいのに」って言われる大人・・・。な 短編が集まったもので。 言われた大人も自分のしていることにハッとさせられる内容です。 まだ最後まで読んでいないので他にどんな話があるかわかりませんが、最後まで読もうと楽しくページをめくっています。 | ||||
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初めはとても読みずらかったが、何とか読み進めていくと作者の意図が少しずつわかってくる。 立場、立場で人の死を含めた色々な事がどう現されるのかを、これでもか、これでもかと、 明らかにしてくるのを一つ一つ読み進めることは、傍観しない読者になることだった。 | ||||
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まず始めにタイトルに驚きました。 このタイトルはインパクトがあり、一度読めば覚えてしまう。 そして内容が気になってしまって、読み始めたら一気に最後まで読んでしまいました。 主人公が「馬鹿っすから」と何度も言うところ、毎回展開が同じなのには正直最後は少し飽きてしまいました。 主人公が言う馬鹿というのは、教養がないというだけ。 この世の中でも、有名大学出身の人でも仕事が出来ない頭が回らない人は沢山います。 有名大学出身だから仕事が出来るとは一存にいえないのではないでしょうか。 途中から、決め台詞がこじ付けに思えてきたりしたので☆は一つ減点してますが、 心理描写もしっかりしていて面白かったです。 | ||||
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昨今のニートなどと言われ大人の型にはめられた若者を、鋭く且つ的確な描写でありありと表現し、 この若者達を見下すような各世代の代表として登場する人物達を、論破していく様子は愉快であり爽快です。 主人公の若者は現代版の又市と言っても良いかもしれません。 それにしても、主人公の描写が秀逸です。 京極氏は、よくここまで現代の若者の心と理屈を把握しているものだと関心至極。 現代へのアイロニーであり警鐘として書かれたような気がします。 | ||||
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初めて買った単行本ということもあり、非常に楽しく読ませていただきました。 題名の印象が強いですが、登場人物それぞれの人間像を第一者視点で作り上げる京極氏は、やはりプロ作家と呼ばれて然るべき実力を持っています。 第一人称の語り口調を基本に据えてはいるものの、大なり小なり誰もが持ち得る利己的な側面を、非常に上手く書き上げています。そこはかとなく、その庶民的なプライドが滲み出てくるんです。 途中から結末が読めるという意見も散見しますが、そういった方々は、恐らく一つの誤解をしています。ミステリ要素はあるかもしれませんが、殺人事件の犯人が誰かは、話の流れで勝手に判ることなんです。犯人探しなんて読者には要求していません。本作品の謎は、「心の昏い部分」、被害者の人間像とそれを尋ねて回る男の真意という三つです。 鬱憤を抱える人々、弁の立つ男によって本性を暴かれる小気味の良さなど、他にも読み所が満載です。 ただ、外で読むには気後れするかもしれません。 | ||||
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その通り 死ねばいい その時がくれば 死ねばいい 猫のように 人眼を憚り死ねばいい | ||||
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トぶ感じ。 TVO以来の感覚です。 星五個です。 まだ二人目までしか読んでいませんが。 読了しました。 いい話でした。 50年前に読んでも傑作だと思います。 | ||||
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探すこともできず途方にくれていましたが、今回購入することができてよかったです。 | ||||
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結局そういう意味なのだと思いました。 自分が一番大切なのは別に悪いことではないけれど、いつの間にか自分が大きくなりすぎて 自分を守る理屈を築きあげ、他者の存在も理屈に組み込んでしまう。 そういう人物たちの心の昏い部分が列挙されていくだけともいえる作品です。 本当にどうにもならない事など実際には少なくて、どうにもしようとしていないだけ。 嫌なら辞めればいい、 辞めたくないなら変えればいい、 変わらないなら妥協すればいい、 妥協したくないなら戦えばいい、 何もしたくないならひきこもったっていい、 私は、その通りだなあと思いました。 文章や口調に少し違和感はありましたが、主人公の人物像は私には違和感ありませんでした。 善悪から乖離したような、もしくは素朴な質問や駄々を繰り返す子供のような、 そういう存在でなければここまで突っ込んで後ろ暗い部分を抉り出せないと思います。 | ||||
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1人目 2人目 3人目 4人目 5人目 6人目 の6章で構成されています 1〜5人目までは、のらりくらりとすすみながらも 真綿でじわじわと締められるような、 詰め将棋でじわじわと追い詰められるような感覚があり それでも次々と読み進めていきたい思いに駆られます 6人目はいよいよ種明かしなのですが これまた、のらりくらりとかわされながらも真実に行き着きます で、「なんだ?これは?」という感想にいたりました 人の生き様や状況をこんなに淡々と説明?解説?されたら 何だか困るなぁ…とちょっと動揺した1冊です | ||||
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『死ねばいいのに』なんてタイトル…。 もう初版が刷られてから2年近くになりますが、ようやく手にして読んでみました。 ちょっと今までに無い語り口でストーリーが展開して行きます。 またその語りが妙な案配でストーリーに嵌って、読んでいるうちに読み手もハマってしまいます。 読んでみて、この作品は著者から読者へのエール?なのかとも思えてきました。 「取りあえず愚痴をこぼす位なら、現状打破に向けて動いてみろよ。」と。 タイトルがタイトルだけに、もっと暗いじっとりしたイメージを持っていたのですが、 然にあらず。 タイトルで引いちゃった私の様な方も、一度手に取って読んでみて下さいね。 | ||||
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一人目。二人目。三人目。四人目。五人目。六人目。の章からなる、ある殺人事件にまつわるお話。 各章に必ず出てくるセリフ「死ねばいいのに」。 そのセリフを吐く人物こそが事件のキーマンであるのはもはや明白。 キーマンのニュートラルな視点は、ざっくりと六人の本質を露呈させる。 誰もが持つ人間のサガ。 しかし、キーマンが捜し求めたのは、そんな悲しいサガを持たない被害者の真実だった。 死んでしまったほうがいい人なんかいるのか。 ラストにその答えが待っている。 自分の人生、不満だらけの方、幸せってなんだろ?と悩んでいる方におススメいたします。 | ||||
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久々に京極さんの本を読みました。 …なんとももやっとした気分になったのでレビューという形でここに書かせてください。 「しねばいいのに」 今回のタイトルは何だか凄いですよね。 初めて書店で見かけた時はそのインパクトあるタイトルに物怖じしてしまいなかなか手を出さずにいました。 話の大まかなストーリーは他のレビュー様でもすでに書かれていますが、とある女性が死に…その女性のちょっとした知り合いだという男が女性の上司、隣人、恋人、母親、警察官と順々に死んだ女性について聞いていくという話になっており、話につながりはありますが一応短編?のような感じです。 京極さんの本読むのはこれが初めてという方にはとても新鮮な作品だと思います。 しかし、ある程度ミステリを読む方、または京極作品に慣れ親しんだ方は話の中編あたりでもう落ちがどうなるか分かってしまうかもしれませんね。 私個人としては途中で話のパターンが読めてしまい、どうしてもじっくりと読む気が起きなくなり、また締めの台詞もだんだん口説く感じたので飛ばし飛ばしに読んでしまいましたf(^ー^; でもこの本はある意味前向きに頑張ろうという気持ちになれるお話です。 口説いと感じましたが、主人公?の渡来君の言葉自体はとても理に叶っていて、読んでいて『実は凄く頭が良いのでは?』と感じました(笑) 色々とぐだぐだ書いてしまいましたが、今何となく気合いが入らない・すぐ誰かに当たり散らしたくなってしまう…そんな方に読むのおすすめします。 是非、渡来君にお説教してもらってください。 | ||||
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内容も何も知らずに、なんとなーく厭世的な気分になってみちゃって読んでみた。 電車ではカバーせずにちょっと読みづらいくらいのタイトルだが。 ワタライケンヤという謎の青年が一人の死んだ女性に絡んだ 6人の人間に、彼女についてのインタビューをしていく話。 設定も展開も最後までなかなかわからないのが面白い。 6人はすべて、ワタライとのやり取りの中で、 これまでの人生で否応なしに彼らを縛り、歪められてきた思い込みやら人生観 を少しだけ、見つめなおすことになる。誰もがきっとどこかの章ではっとするだろうと思う。 誰に対してかわからないが、「ごめんなさい」という気持ちになった。 自分だけが不幸みたいな気分に浸って。 なにもいいことがないとか口癖で。 いつも何に対しても否定の精神で。 なんかすごく恥ずかしくなった。 これまで結局、自分のことしか考えてなかったんだな―と。 と、さりげなく自己反省ができる本。こういうものの見方をに気づいてみることは、 すごく貴重なことだと思う。前述のとおり、自分のがんじがらめな考え方をすこし緩められた気分。 タイトルとは裏腹に、不思議と読後は少しラクな気持ちになっている自分がいた。 | ||||
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通勤電車の中でこの本を読んでいる人がいて、タイトルをみて???って思いどんな本だろうと思い買いました。 読みながら、これって私に言われてるみたいって思いました。今までの事とか思い返して、この少年に会ったら私も 同じ事を言われるんじゃないかなって思いました。 迂闊に物を言ったり、態度にだしたり、自分を振り返らないといけないって思いました。 | ||||
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京極夏彦というと、すぐに薀蓄とお思いでしょうが 実は説得力こそが、その本領なのでしょう どれだけ言いたいことがあろうと、相手が聞いてくれなければ何にもならないわけで この、聞かせるテクニックこそが、まさに京極夏彦の真骨頂なのだなあ・・と 今回の小説でつくづくと思い知らされました あの、相手に絡み付いて、そうとはしらずに、どんどんと、思いのままに引きずり込んでいく話術は恐ろしくも、魅惑的ですよ、ホント 出来たらば、この犯人、今後イシドロパロディーみたいな名探偵になって蘇ってほしいものであります。はい | ||||
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