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(短編集)
厭な小説
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厭な小説の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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登場人物が理由もなく理不尽に厭な目にあう小説。 ほとんど怪奇現象なので、打つ手なし。 ひたすら厭な目にあって終わり。 『厭な彼女』は、これは厭だなぁー。と思わず笑ってしまうほどだけれど、実際にやられると発狂するんだろうな。 京極作品で1番好きかも。 | ||||
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厭だ。 簡潔に感想を述べるならこれ以上の言葉はありません。 厭な子供は見たくないし、 厭な老人の介護は死んでもしたくないし、 厭な扉はくぐりたくないし、 厭な先祖の詰まった仏壇はいらないし、 厭な彼女とはつきあいたくないし、 厭な家には住みたくない。 五つ星をつけておいてこう言うのはなんですが、 救いのない話は好きじゃないという方は、 この小説は読んではいけません。 しかしながら、こんなにも徹底的に厭な話を ついつい最後まで読ませてしまう 京極先生の圧倒的な文章力には脱帽です。 | ||||
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装丁もわざと汚らしく、ページも垢じみた汚れが印刷してあって、これは厭な内容ですよと言いたいわけであるが、そのお遊び心が読む前から楽しそうだ。 「厭だ」から始まる全7編の内容は、確かに、気持ちの好いものではない。気味の悪い子供のお化け、得体の知れない変態老人、うじゃうじゃといる先祖、厭なことばかりをし続ける彼女(物の怪?)厭なことが延々と繰り返される家、等々であるが、読後感は意外と爽快である。あっさりとした文章も少しも厭ではない。ああもっと厭な気持ちになりたかったと思ったくらいである。 物語はそれぞれバラバラではなくある会社の社員というくくりで繋がっている。そして全編を通じて出てくる深谷氏が最終編の主人公で、全編を総括して厭な目に遭うという趣向である。 語り口は著者流で、頻繁に出てくるルビのついた漢字が雰囲気をだしている。よくできたお化け屋敷を体験したような、上手い怪談を聴かされたような、つまり上質なエンターテインメントを味あわせていただいた、ということなのでしょう。 | ||||
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面白かったです。 やはり、幻のような妖怪のようなものが登場しました。 古本屋のオヤジが、すごく気になったけど、結局、素性が明かされず残念だった。 | ||||
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生理的嫌悪感満載の本。日常での苛々の種が文章の所々にありそれがじわじわ来る この本を一言で表すとしたら「厭だ」 | ||||
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「厭な小説」ねぇ〜、面白い事を考えるものだ。普通、読者に"厭な感じ"を与える小説は伝奇ホラーとかサイコ・サスペンスに分類されるのだが、本作にそうした意図は感じられない。ひたすら、読者に"厭な感じ"を与える事に執心している。「どすこい」に続く作者の異色短編集と言って良いだろう。ただし、当人にとっての"厭な感じ"は、第三者的に見ればある種の滑稽感を伴うものである事を訴えた物の様でもある。また、各編間に直接の関係は無いのだが、各編の主要登場人物が全て深谷と言う男が勤める広告代理店(作者の勤務先を想起させ、遊び心が窺える)に係わっていると言う不思議な体裁の連作短編集でもある。 冒頭の「厭な子供」は、構成や背景設定が巧みで怪談調の因果譚として纏め得る内容を敢えて"厭な感じ"に壊している。「厭な恋人」は、本来それこそサイコ・ホラーに分類される類いの作品だが、タガが外れ過ぎていて、むしろ落語の構成に近い。「厭な老人」、「厭な先祖」の両編は筒井を思わせる作風だが、妖怪作家(?)としての佇まいが独自の味を醸し出している。特に、「厭な先祖」はやはり落語的オチが光る。「厭な扉」は、本作中最も普通の小説に近いのだが、それだけに予定調和的で、本作の中では浮いている感がある。「厭な家」は、本作の流れに沿った作品だが、それだけに結末がパターン化しており、流石に食傷感を覚えた。そして掉尾を飾る「厭な小説」は、......面白い趣向である。「百年の孤独」に触発された物なのだろうか ? こうした視点でエンターテインメントを書ける作家は筒井だけかと思っていたが、本作も充分楽しめた。全体として落語の影響をかなり受けているのではないか。最終編に登場する古本屋の屋号が"京極堂"だったらと思うとチョット惜しい気もしたが。 | ||||
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完璧に厭な小説です。 心温まる描写は一切なく、読後感としては、えー…うそー…そうなっちゃうのー。。という感じ。 うっかり寝る前に読んでしまったから、急いでホッコリ系エッセイ読んで口直ししました。 でも、つまらなかったわけじゃない。むしろ引き込まれたんだけど、なんかねちっこい厭な気分にさせられるんですよね。 | ||||
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厭な気分になる小説とは、一体どんなものだろうと思って購入しました。表紙や日焼けした紙の色等、外見から厭な気分になることはあっても、小説の中身で厭な気分になることはありませんでした。小説として非常に面白かったです。どの話も理不尽な終わり方をするのですが、どうしてもこの話の続きが気になってしまいます。文章もテンポが良いので、普段小説を読まない方にもお勧めです。 | ||||
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厭な小説というからには、読後感も厭な感じなのかと読むのを躊躇しましたが、 面白くさっくりと読めました。 あったら厭だなと思う出来事・取り巻く環境などが延々と続くので本当に「厭な」んですが、 実際にありそうな話ではなく、いや、ここまでではないものならあるかもしれないけど、 そんな次元を突き抜けて、ありえないほど厭な方向へ振りきれちゃっているので、 ホラー短編とかオチのあるブラックでシュールな短編のようなテイストになっています。 しかし、どうやったらこう厭なシチュエーションを思いつくのか、感心してしまいます。 「厭な彼女」がマジで厭(笑) 頭掻き毟りたくなる厭さ。読んでいるこっちが”彼女”の厭さに殴る蹴るの暴力を振るいたくなる という、それほどの厭さ。絶対に故意としか思えないのに、毎回、無意識ですみたいな純真な目で 見返し、ごめんなさいと泣き、さらにもっとエスカレートする…そんな心の病気、あったらホント厭です。 装丁も凝っていて、最初、あれ、新刊のはずだけどなんでこんなに薄汚れて汚いの?と 本気で思ったくらい上手く古ぼけさせています。 蚊の死骸がはさまっていたり、手垢のついたところや日焼けしたところ、わら半紙のような紙質の古さなど、 懲りに凝ったり、という感じ。京極さんでなければやらせてもらえないでしょうね。 | ||||
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これ、ほんとに自分に起こったら「嫌だ」じゃ済まされないよなぁ・・・ と思いつつ、面白く読ませていただきました。ボリュームはあるけれど短編だし、京極作品では読みやすいほうだと思います。短編だけど、実は最期に繋がってくる、というのもよかった。古めかしく見せる印刷等、本の作りがこっているのも楽しい。それぞれの嫌なこと(現象?)にすこし謎解きがあるともっと楽しかったかな。 嫌だけど、私は暗い気持ちにならずに楽しく読めましたよ。 | ||||
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本当に厭な小説。 7つの連作短編で、それぞれに厭なことが起こり続け、 結果、廃人となったり、失踪したり、再起不能になったり。 その「厭なこと」が本当に厭なこと。 厭な風貌をした子どもが突然見え始めたり、 同居している老人が人間としてどうしようもなかったり、 預かった仏壇から厭な臭いがもれてきたり、 恋人に、厭だと思うことを延々やり続けらたり、 家のなかにいると、厭なことが繰り返されたり。 この厭なことを延々と考え出し、 延々と書き続けた京極夏彦がすごい。 楽しそうでいて、実はとっても厭なことだったのでは? 厭なことに共通しているのは、厭な臭いは我慢がならないこと。 そして厭なことが繰り返されると、 本当に厭になってくること。 さらに、本人が一度厭だと思うと、 それが繰り返される傾向にあること。 このへんになってくると、もはやエンタメ小説から派生した 純文学か、自己啓発書かといった雰囲気が 小説から醸し出されてきます。 それぞれの小説のハブ的役割に 深谷という中年独身男性がいるのですが 最初は酒場で同僚に愚痴を連ねる厭なヤツだったのですが 友人の心配をしたり、果ては葬式を出したりと 人の世話をするいいヤツとして、 ちょっとずつ印象が変わっていきます。 そして本当に厭な上司の亀井が 最後まで厭なヤツなんですよねー。 不条理な世の中を感じます。 | ||||
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嫌と厭がどう違うのか調べてみた。 嫌は本当にキライっていう意味らしい。 で、厭は飽き飽きすることらしい。 この小説はまさしく、飽き飽きすることの連発だった。 でも、そういう状況を創造するのってけっこう難しいと思う。 それをさくっと読ませてしまう手腕がすごいなと思いました。 軽い感じの文体の中に厭さ加減が満ち満ちております。 京極堂シリーズもかなり待っているのですが、こういう小説も面白いです。 | ||||
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厭だ、・・・・で始まる物語。 厭だけど面白かったです。 恐怖は悪寒と共にやって来ます、怖いもの観たさとはこういうことかもしれません。 このお話の前に先生の書かれた「幽談」と同じように、ひたひたと押し寄せる日常の恐怖に身を置く心地よさすらある嫌悪感、文章にし難いです。 恐怖や嫌悪感、居心地の悪さ、そんなマイナーな感覚を文章で伝えることのできる稀有な作家が京極先生だと思います。 できれば先生の以前の作「幽談」と共に読まれることをお薦めします。 「幽談」は精製した「上白糖」のような冴えた恐怖の甘さ、 「厭な小説」雑味を残した「黒糖」の粘りつく甘き恐怖、 読み比べることをお薦めします。 但し、この小説に限れば京極先生で無ければ書けない物語ではないような気がしますので、十分面白いのですが、星はあえて4っつとさせていただきます。 | ||||
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みるからに古めかしい古書のような装丁。見た目は不気味だし、紙質もざらついてるし、紙の色もなんだかもう・・・。 よく、気づかないうちに本に虫の死骸が挟まっていることがあるけれど、この本はあえてところどころにその虫の死骸を印刷してあります。 読者を徹底的に厭な気分にさせる演出もバッチリです。 450ページほどもあるし、こう厭な条件がそろうと、途中で読むのがいやになっちゃうはず。 なのに不思議なことに「読みやすい」。 このついついページを進めさせるリズム感の良さはなにっ!? どのお話のはじまりも特におかしなことはなく、いたって現実的。 でも、次第にその現実感がねじれてきてあっという間に不可解と不条理の世界に落ちていく。 そのじわじわ感もイヤ〜な感じ(-_-) どれも厭なんだけど、私がいちばん厭だったのは「厭な彼女」でした。 だけどこの本もたしかにイヤなんだけど、個人的には新堂冬樹の「吐きたいほど愛してる。」のほうが私はイヤです。 グロさが少ないだけ「厭な小説」の方がマシかも。 | ||||
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京極作品を読むのは久しぶり。時代は間違いなく現代なのだが、文体のせいでちょっと昔の話のように思える。それも含めて京極ワールド全開。あったら厭だなと思える話が全部で7編。どれも不条理な話で、解決も説明もない。ただ、厭なことが繰り返される。「厭な先祖」とか「厭な彼女」なんかは、本当に厭です。そして、最後の一編。これを読むと、なぜこの本の装丁が汚らしいのかがわかります。私は好きです、この厭な小説。 | ||||
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■汚れて破れやシワのある退色したカバーをはずすと、やはり経年劣化+手垢+煤の汚れが目立つキタナイ表紙。見返しも扉も本文も奥付も広告も全て薄汚い。が、これらはそのように印刷された造本なのだ。本書は読者が厭な気持ちになることをめざして書かれた連作小説なので書物自体が厭な構造になっているのだ■第1話「厭な子供」は、飲み屋で同僚の深谷(ふかたに)が厭な部長のことで散々ぼやき、それをなだめて帰宅した主人公の周囲に、異形の子どもが出没。夫婦が狂気の世界に落ちてゆく話■第2話「厭な老人」は同居老人の不快さと嫌がらせに怒りが炸裂し、とうとう殺してしまう主婦が主人公だ。主婦は警察の取調べで、その老人の身元素性を問われ、初めて肉親でないことに気づく■厚かましい後輩から仏壇を無理やり預けられ、その仏壇の中に無数のご先祖様(小さくてぷよぷよしている)が詰まっていたという「厭な先祖」■紹介文を書いていても背筋が凍り、厭な気分が甦る7つの短編。読み進むうちに判明するのだが、本書の短篇の主人公達は、皆厭な目にあって自殺したり発狂したり、原因不明の死を遂げていた……■最終章では、随所に登場する深谷が古本屋で本書『厭な小説』を購入。読み進む内自分と周囲の人々が描かれていることに戦慄して破滅してゆくのである。ああ厭だ。が、しかし、とても面白かった。 | ||||
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ぶっちゃけ評価に何点付ければいいのか、さっぱりわかりません。 面白いのは面白いんだけど。 帯見た時はギャグかと思ったんだけどなぁ。 『厭な老人』は本当に厭です。 『厭な扉』が個人的に好き。 絶対最後の話の主人公は、深谷さんだと思った! 京極版『世にも奇妙な物語』って感じかなぁ。 でも、いきなり他の作品すっとばしてこれ読む人いないだろうから、京極ファンには満足出来る本ではないかと。 | ||||
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本当に厭なストーリー7編の短編集。梅雨時に相応しい?気の滅入る様な話が続きます。 各編様式を整え読むに従い反復感を感じさせる、そして各話のリレーションが見えてくる手法は巷説シリーズでおなじみの手法。不快な話をすいすいと読み進めさせられます(泣)。 '70年代ぐらいの筒井康隆の短編を京極風に再現したのかな?という雰囲気。TV/映画『Rookies』の露出に辟易してしまうセンスの持ち主の方には是非(笑)。世の中きれい事ばかりで出来上がってるんじゃない。 あと、装丁も立派ではないですが、凝っています。意外と小技も効いてたり(^_^)。 | ||||
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ズルい。そのタイトル名、著者自身による帯の一言、そして、いきなり書き出しから「厭だ」(笑)。ここまで確信的にやられてしまうと、反って読んでみたろか、と思ってしまう。 厭な本と言うが、これは主人公たちが体感、遭遇する厭な思い、生理的衝動、心理、感情、狂気、恐怖、あるいは、妄想と偏執が、全編ひたひたと横溢するような印象の本。確かに、グロくてエグい箇所も多々あるが、それほど不愉快な思いに陥る事はない。少なくとも、自分は面白く読んだ。 短編集な為、個々のパートが嫌悪に感じる以前に次のエピソードに転じられるし、著者お馴染みの独自のセンテンスの取り方で、厭な描写をもリズミカルに読み込んでいけるので、不思議と不快感を感じない。著者のファンはもちろん、筒井康隆や本谷有希子らの読者であればかなり楽しめるし、後味の悪さから言えば、それこそ今年の本屋大賞受賞作の方が、その称号には相応しい。 500ページ弱、かなりのヴォリューム感だが、行間は広いし、紙質の関係で、本自体、見た目よりかなり軽量なので、持ち運びする分にはラク。そして、今まで読んだどの京極本より読み易い。 奇妙な味わいの怪奇心理小説のアンソロジーとしてお薦め。 | ||||
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実際、どんよりした気分になる作品である。 しかーし、一気に読み終えてしまった。 それぞれの切り口というか、テーマが秀逸。 京極先生は、本当に口等や文章で表現し難いことを本質で掴んでいるのだろう。 だから、エンターテイメントとして成立する。 ネタばれをするつもりはないが、これまでの認識という領域から、時間という領域にまで踏み込みましたね、今回。 思い返しても、「厭だ。」 星一つマイナスは読み終えたばかりで、気分が重いため。 先生ごめんなさい。 | ||||
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