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木でできた海
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木でできた海の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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ニューヨーク州の小都市クレインズ・ヴューで警察署長を勤めるフランシス・マケイブは、ある日奇妙な犬と出会う。 ホテルの駐車場で寝ているところを保護され、署に持ち込まれたその犬は、脚が三本半しなく、片目も失われ、頭には大きな古傷もあり、呼吸すら浅い。 首輪のタグに記された「オールド・ヴァーチュー」が名前らしい。 予想に違わず保護から2日後に、犬はフランシスの執務室で息を引き取るのだが、妙な親しさを感じていた彼は、郊外の森の中に自ら墓穴を掘って埋葬した。 しかし、自宅に帰ったマケイブは、ガレージの中の故障しているはずの車のトランクの中に、再びオールド・ヴァーチューの亡きがらを見出すのだった・・・ 「蜂の巣にキス」、「薪の結婚」に続きクレインズ・ヴューを舞台にした作品で、これまで脇役を務めていたフランシス・マケイブが主人公。 埋葬場所から舞い戻る犬の死体、夫婦喧嘩の最中に忽然と姿を消してしまった住民と、後に残されたあり得ないほど色彩に富んだ鳥の羽根。 奇妙な事件に頭を悩ませるフランシスの前に、更に奇妙な人物が現れる。 30年前の、つまりは17歳の自分自身。悪ガキを絵に描いたような奴で、本人だけに間違いようがない。 と、このあたりまでは従来のキャロル調であり、読者の予想を裏切る仕掛けもあるのだが、今回は悪い意味で裏切られた。 「薪の結婚」は一風変わった「ヴァンパイアもの」だったが、本作は一言で言うと「エイリアンもの」だ。 ヴァンパイアについては「奪うことによって生きる者」という特徴に関しての独自解釈が現実世界とクロスしてリアルな話になっていたが、荒唐無稽な話のタネがエイリアンというのは全くもってキャロルらしくない。 「7日目以降、ずっとお休み中の宇宙創造者を起こす」という着想は面白いが、被創造物が進化の過程の中で自然にそのような行為に至るという話はSFの巨匠アーサー・C.クラークが「90億の神の御名」で描いており、目新しいものでもない。 | ||||
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