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(短編集)
私が語りはじめた彼は
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私が語りはじめた彼はの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 21~40 2/3ページ
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なぜかもてる、大学教授の村川融←ぶさいくな中年(笑 彼をとりまく、妻・略奪女・子供・教え子・教え子の彼氏・・・ そんな人たちが、村川について語ります。 村川は一回もでてきません。 最後、死にます(笑 なんていうのだろう。。。 けっしてドラマティックではなく、まして純愛でもなく、 それぞれの立場の人間のエゴが、ごっつんごっつんぶつかり合い。 でも、淡々としている。 当たり前のことだけど、人間のすべてが、 自分が主人公なのだなぁと。 好き嫌いが別れる本かも知れないです。 盛り上がりとか、起承転結とか何もないです。 でも、妙に心に残る本でした。 | ||||
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なぜかもてる、大学教授の村川融←ぶさいくな中年(笑 彼をとりまく、妻・略奪女・子供・教え子・教え子の彼氏・・・ そんな人たちが、村川について語ります。 村川は一回もでてきません。 最後、死にます(笑 なんていうのだろう。。。 けっしてドラマティックではなく、まして純愛でもなく、 それぞれの立場の人間のエゴが、ごっつんごっつんぶつかり合い。 でも、淡々としている。 当たり前のことだけど、人間のすべてが、 自分が主人公なのだなぁと。 好き嫌いが別れる本かも知れないです。 盛り上がりとか、起承転結とか何もないです。 でも、妙に心に残る本でした。 | ||||
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とある、色情教授をとりまく女と、その女に関わった男の話の短編集。 助手と、教授の妻。 教授の2番目の妻の連れ子、それを見張る男。 娘。息子。。。。 すごく、びっくりするんだけど、これだけ、色情教授をとりまく人が出てくるのに 教授自信の人物像がまったく出てこない。 なんで、この教授がこんなにモテるかが、最大のミステリーな感じ。 この関わったひと達は、少なからず、人生を狂わされている。 いろんな人の視線で、1つのことを語る手法は、わたしの大好きな手法。 この本も良かったです。 一番、不幸な感じがするのは、最初の妻から、教授を奪った2番目の妻。 最初の妻に「次は、あなたが、こういう思いをする番です」の予言通り 一生、夫を信用して暮らすことはなかった。 そんな夫婦と暮らした娘も歪んでしまう。 好みです。 | ||||
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文庫待ちしていた作品のひとつ。 いまや安心して文庫になるのを待てる作家さん。解説では作者の巧さに対する評価が高いように見受けたのですが彼女の読書歴を考えればある意味当然というべき作品。同じような読書傾向を持つ人間が必ずしもこのアプローチと質で作品を書けるわけではありませんが。様々な人物から語られる或る大学教授とその家族。ストーリーは彼の部下である三崎で始まり三崎で締めくくられます。いつかこってり分厚い作品を読んでみたい作家さんでもあります。 | ||||
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村川教授なる人物に関わりを持っていた人間についての物語。それぞれが短篇としても独立していると思う。 私は三編目の「予言」からぐっと物語の中に引きずり込まれた。 不倫のスキャンダルで学校を追われ、妻子を置いて出て行った大学教授の村川。村川については多く語られないが、新しい妻と妻の連れ子との新しい家族のなかで淡々と自分を変えずに生きている。村川の内面は分からないが、村川の行動の波紋を受けて、村川の弟子、妻、子供たちは、それぞれの人生に波を受けてもまれていく。その連鎖のような物語の紬方が面白かった。 謎に満ちているってことが、小説を読んで面白い所だと思う。 もちろん、三浦しをんの言葉の世界も堪能できる。 | ||||
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とても素敵なタイトルに惹かれ思わず読んでしまいました、が、チョット残念な読後感です。私は初めてこの作者を読みましたが、ちょっと(私個人の好みですが)残念でした。 中心人物である(しかし主人公にした短編は無い)何故かモテる中年の『教授』の周りの人々(弟子、『教授』の浮気相手の夫、『教授』の息子、『教授』の実の娘の彼氏、など)をそれぞれ主人公にして(何故オトコの一人称を使うのか?私には最後までワカラナイですし、狙いの効果が薄い)の連作短編小説です。が、どうしても私には馴染めなかったです。 読ませる技術はありますが、どうしても「読まされている感」が最後まで取れなかったです。作者が隣で「どう、びっくりしてくれた?どう、この展開、気が付かなかったでしょ。」と言われてる感がしてしまうのです。上手いけれど、上手いといってもらう為の作為が透けて見えると興ざめですし、キメの文章が各章にそれとなくあるのですが、「このキメのために持ってきてます、この流れ」が読めてしまうのが悲しかったです。 しかし、タイトルは良い!でも何故このタイトルなのか不明。 | ||||
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「私は、彼の何を知っているというのか?彼は私に何を求めていたのだろう?大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘−それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。だが、それは愛というようなものだったのか…。」という文庫裏の文章を読んで、川上弘美の『ニシノユキヒコの恋と冒険』をもっとドロドロしたようなものかなと思いながら読んでみたのだけど、ちょっと違った。というのも、この大学教授・村川を語る視点が、彼と直接関わった人の配偶者とか恋人とかいうように、ちょっとひねった設定になっているから。それがおもしろいといえばおもしろいけど、結局この大学教授がどういう人物だったのかと想像しながら読むと欲求不満に終わるだろう。ただ、この教授の行動が周辺の人々に確かに影響を与えたということはよくわかるし、そういう周辺の人々の人生を描いた一編一編はとてもおもしろい。しばし人間の孤独をかみしめつつ、胸を痛めたり、時にゾクっとなりながら、他人の背後には色んな人生が隠れているのだなぁと思わされる。 それにしても、こんな年齢(昭和51年生まれ)で、こんな小説を書けるなんて、すごい作家さんだなぁと素直に脱帽。すごいです。 | ||||
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物語の核になる教授が、どういう人物なのか今ひとつわからない。わからないままでいい、 という著者の考えなら、前振りの割に「さほど語るべき事のない男」と推測します。 でなければ、彼の視点からの話が一つはあるべきではないかと思いました。 純文学の好きな人が書いた、純文学の本という気がしました。 一人称なので仕方ないのですが、相手のことをよく伝えないまま、 こうである、と見た側から言い切ってしまうところに、都合のよさも感じました。 そう言われたら、読んでる方はそう思うしかないし。いや、そう思って欲しいんでしょうけど。 ひたすら美しくて鬱陶しい。紙の上の美しさと言葉では、あまり共感できません。 なので、最後の彼の告白も少々上の空に聞こえてしまいました。 あなたがそこまで陶酔して語る心理過程が、こっちには見えてこないよ?と思いました。 ちょっと退屈でした。 | ||||
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村川教授を取り巻く人間達により、静かに淡々と、村川との係わりによって歪んでいった人生や気持ちが語られていきます。冒頭は文章が硬く感じ、読みずらかったのですが、読み進めるうちに様々な語り手たちの気持ちに共鳴できる部分を自分の中に発見し、引き込まれていきました。語り手たちが村川による影響を引きずりつつも、最後にはそれぞれ歩みだしてゆく部分に救いを感じました。 | ||||
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寝盗った者と寝盗られた者。その間に、寝盗られた者を裏切った者がいる。 裏切り者と寝盗った者は、物語のはるか遠景で二人だけの幸せに浸り、ほとんど不在である。この本は、裏切られた者たちが、紡ぐ連作だ。 一方的で、理不尽で、裏切りは、愛と自尊心の両方を傷つける。その嘆きが、読んでいて息苦しい。 思っても思っても想っても思っても、思い知らせることのできぬ思いは無駄であっても、時間がすべてを私ごと過去にと追いやることができる。 裏返せば、この喪失だけが残されたもの、誰にも奪えぬ私だけのもの、私の一部になったあなた、死ぬまで抱く愛のようなもの。 その傷つきは消えることはなくとも、もっと他の他者に関わりあうこともできる。裏切りをどうでもよい思い出の一つにしてしまうことも。 裏切られたという受身で無力な自分に、主体性を取り戻す。かすかな希望を最後に感じた。 | ||||
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この男 つまり私が語りはじめた彼は 若年にして父を殺した その秋 母は美しく発狂した 上記の詩からインスピレーションを受けた著者が綴る連作短編小説。 村川教授によって微妙に人生を狂わされた人々。 妻、愛人の夫、教え子、息子…… 彼らが自分の人生を、そして村上教授の人物をそっと語っていく。 まず文体。かなり繊細な雰囲気をかもし出しているのに芯はかなり強い。静かで強い表現力にびっくり。ここまで実力者だったとは…!! 三浦しをん恐るべし。 登場人物たちは皆どこか歪んでいる。 でも最後にはみんな自分なりの選択をし、先へ進んでいく。村川教授の影を振り切るように。影なんか最初からなかったかのように。 あるいは影を全部受け入れるかのように。 読んでいて、なんともいえない妙な連帯感を感じた。ああ、そうそう嫉妬ってそういう風にするんだよねとか、その歪みが魅力に感じたりするんだよね、とか。 明暗を併せ持った雰囲気のある小説でした。 長く続いた雲間から曙光が差す寸前のような。 純文学が好きな人は絶対はまります!! 建物が爆発したり猟奇殺人が起こったりはしないけど、心がゆっくり動くのが感じられる本でした。 | ||||
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この男 つまり私が語りはじめた彼は 若年にして父を殺した その秋 母は美しく発狂した 上記の詩からインスピレーションを受けた著者が綴る連作短編小説。 村川教授によって微妙に人生を狂わされた人々。 妻、愛人の夫、教え子、息子…… 彼らが自分の人生を、そして村上教授の人物をそっと語っていく。 まず文体。かなり繊細な雰囲気をかもし出しているのに芯はかなり強い。静かで強い表現力にびっくり。ここまで実力者だったとは…!! 三浦しをん恐るべし。 登場人物たちは皆どこか歪んでいる。 でも最後にはみんな自分なりの選択をし、先へ進んでいく。村川教授の影を振り切るように。影なんか最初からなかったかのように。 あるいは影を全部受け入れるかのように。 読んでいて、なんともいえない妙な連帯感を感じた。ああ、そうそう嫉妬ってそういう風にするんだよねとか、その歪みが魅力に感じたりするんだよね、とか。 明暗を併せ持った雰囲気のある小説でした。 長く続いた雲間から曙光が差す寸前のような。 純文学が好きな人は絶対はまります!! 建物が爆発したり猟奇殺人が起こったりはしないけど、心がゆっくり動くのが感じられる本でした。 | ||||
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「しをんのしおり」を読み、作者の三浦さんに親近感を覚え彼女の作品を読む ようになりました。「私が語りはじめた彼は」は全体的につなぎが凄くしっかりしていて、そのスムーズさに読んでいて心地よさすら感じる構成でした。でもちょっと腑に落ちない点は物語を取り巻く人物の軸となる教授像というものが、なぜが安易すぎなくはないかということ。最後に教授の告白があるともっと明確になるのでしょうが、そこは読者にお任せしますということなのでしょうか。 それから気になったことを一つ。他の作品を見ても思うのですが登場人物の名前がなかなかイケてます。子供の名前に悩んでいる親御さんがいらしたらぜひ 参考にしてみてはいかがでしょうか? | ||||
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とはいかないだろうか。 魅惑的な題名と物語の内容がまずあっていないと思う。 大学教授、村川という男を取り巻く女たちの物語。だが、その村川のキャラが不透明であるのだ。岩井俊二の『リリイ・シュシュのすべて』のように、キーとなる存在を完璧に隠蔽するならすればいい。そうすれば、そのたのキャラがもっと色濃く浮き立つ。あるいは、もっと村川というキャラを立たせるかである。この状態では中途半端な印象が否めない。 語り口はなかなか好感が持てるが、時々変にくどくなるのが難点。 実力ある作家だと思うので、さらに精進してほしい。 | ||||
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不倫の恋という欲望に生きた男・大学教授の村川。この作品は村川の奔放な欲望によって人生を振り回された助手、娘、不倫相手の夫など“村川以外”の人々の人生だけを描いているのが特徴的です。軸になるのはあくまで村川。しかし、村川は決してどの章の主人公にもなることはない。一人の人間の人生が、本人の知らないところでどれほどまでに他人の人生に影響を及ぼしているのか・・・。どんな人生にも他人との関係というのはつきもので、切り口を変えてしまえばいろんな側面が見えてくる。とても面白いところに目をつけた小説だと関心しました。洗練された美しい文章。著者は私と同世代のはずですが、その才能に圧倒されました。 | ||||
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~ まず、文章がしつこいです。しつこさの是非を問うのは、こってりラーメンの是非を問うのと同じくナンセンス。ただ、しつこいのです。 内容は村川という男のぐるりを描いた作品。彼は女はいつでも誰でもウェルカムで、でも相手の女はもちろん世間もそうではないので色々確執が起き、その確執に翻弄されるかよわき男たちの視点から事を描くという、かなり~~込み入った方法をとっています。 各章の筋は純粋に面白いです。著者が女性であることを忘れてしまいます。描かれているのは村川を我がものにしようとする女の姿ですが、そこには我々が普通考えている「愛」がすっぽり抜け落ちています。なぜ村川が好きなのか、どんなに愛しているのか、がきれいさっぱり抜けています。それは込み入った記述方法のせいで、~~描かれているのが第三者である男の目を通した女たちの姿だからです。だからなのか、人物描写は正直ぎこちないです。 で、結局どうなったの、というのが最終章ですが、ここはちょっと承服しかねます。村川は誰からも理解されなかったのではなく、込み入った記述方法が読者に(そして作者自身に)村川を見えなくしているだけです。~ | ||||
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不思議な感覚の本です。作中で語られていく、一人の男と、一人の女。しかし物語の主軸は彼らではなく、彼らと関わった、あるいは彼らを知っている人たちです。こんな書き方をすると一人の男と女について、各々の人物が静かに語っていく印象を受けますが、そんな形式ではありません。つまり、語りの文章ではないということです。文章の質は高い。かといって、硬質な文章ではない。美しいと形容するのが似合う文章です。愛があれば、すべてなのか?性格の不一致、考え方の決定的な相違、などが男女の間にあっても、両者に愛さえあれば、愛という器さえあれば、すべてを喜びに還元することはできるのか?自分を、周囲を幸福にすることはできるのか?現代の氾濫する愛に対して、作者は静かに愛をおさめる容器を示唆してくれます。 | ||||
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~三浦しをんさんの作品を初めて読みました。なんというのか、面白いというのか、不思議な魅力の小説です。物語はグロテスクな「二千年以上前の話」をプロローグにして始まります。そして、現代に戻り、5人の男たちの目を通して一つの物語が紡がれていきます。弟子、娘婿、息子、殺し屋、婚約者、そして再び弟子。それぞれには全く無関係な5人の男~~たちに一人称で語らせることによって、ある男と女の人生の流れを追っていきます。通り過ぎてゆくものと、忘れられないもの、その二つを引きづりながら生きていく男と女が描かれていきます。それは、虚無でもないし、みちみちた生きることの歓びでもない。惰性でもなければ、情熱でもない。不思議な感覚です。構成力、そして文章力とも秀でた作品だ~~と思います。そして、この装幀もいい。~ | ||||
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いろんな読み方があるのだろう。愛ってなんだろう。簡単に言葉にするけど。答は本書を読み終わってもわからないが、愛と呼んでいたものの内実に、急に不確かな心もとなさを感じる。 愛は人を不安定にする。本書の登場人物たちは皆、危なっかしく揺れ動いている。不可能に近いからこそ、「永遠の愛」などという言葉があるのかも知れない。愛というものを手に入れようと本気になってしまったから、登場人物たちはどちらかというと不幸になったのかもしれない。「愛」ではなく「愛」に限りなく似たあきらめのようなものこそ、私達が愛と呼んでいるものなのかもしれない。 | ||||
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昼ドラのようなどろどろにも飽きた。いわゆる「純愛」にも飽きた。そんな人が辿り着く境地がこの本ではないかと思う。人はいつまでもきらきら輝く恋愛ばかりしていられないし、溢れるような愛だっていつかは停滞する。どんな熱湯だっていつかは冷めるのだから。それでも、人は激情が冷めた後も生きていく。熱くも温かでもなく、それでも冷たくもない、常温の空気のような愛を抱いて。その常温を深く美しい文章で綴ったのがこの物語だ。愛憎劇には飽きた。もう純愛にときめく歳でもない。そんな波打つことのない静かな人生も、こんなに美しく綴ってもらえるならば、悪くない。 | ||||
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