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幸福な朝食
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【この小説が収録されている参考書籍】
幸福な朝食の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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読んだのはハードカバー版、本の帯から以下、 第1回日本推理サスペンス大賞優秀作受賞! 妖しい狂気が彩る女性心理のサスペンス。 どうして大きくならないの? なぜ返事をしないの―― マリオネットの手足がてんでに宙を舞う。 狂気が胎児のように、着実に育っていく。友人の死にまつわる「赤い記憶」も、しだいに形をとりはじめ、そして―― <選評から> 動きが少なく小事件なのに、濃密な心理描写だけでじゅうぶん劇的であり、“事件”を感じさせる……(連城三紀彦氏) 女性心理を陰影鮮やかに描いた点でもっとも地に足のついた作品……(逢坂剛氏) 目のつんだありそうな嘘で、主人公の物腰や表情が読み進むにつれてじわじわとそれらしい形をなしてくるところが嬉しかった……(椎名誠氏) * 著者は1996(平成8)年『凍える牙』で直木賞を受賞、 本書はデビュー作で1988年に第1回日本推理サスペンス大賞の優秀作を受賞されています。 最後四作残ったうちの一作だったみたいですね、選評を読むと、文章に難ありなど辛口には書かれていました。 最初読み始めた時、推理だから殺人が起きるのかなと思ったんですが裏切られて狂気への階段を上るか下るようでした。 若い頃はもてはやされてはいても次第にそうではなくなっていく日常。 それこそサスペンスであり、とくに女性にとっては儚いもの。 選評どおり文章や視点にやや読みにくさはあるものの、恨みや嫉妬、光と陰、そこからの逃避。同じ世代頃として感極まるシーンがありますね。 どこまでも鬱々としてしまい、最後にちょっとだけ光が当たって終わるかなと、浮かばれない話ですが、サスペンスとしては悪くはないかなと思います。 人間くさい。 女性って怖いね~。 | ||||
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最後には「悪魔の同盟」を結んだ者たちが笑う結果になりますが、主人公もけっこうなワルだったわけで、冒頭からいけ好かない感じを醸し出す、鼻つまみものの彼女に感情移入できなかったこともあり、読後感は清々しくすっきりとした感じさえ受けました。 ただ、善と悪がはっきり分かれているわけではなく、その場その場で善にも悪にもなる人間。騙し騙され、その場から退場したものが負けという世界。最後のシーンで皆の前で笑っていた三人の今後もまたドロドロなんでしょうね(笑) | ||||
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非常に良いで購入したが、評価が甘い。元からかクリーニング作業によるものか本の上部がガタガタ。 | ||||
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芸能界を夢見るが、自分にそっくりな子がアイドルとして先にデビューしてしまい、表舞台に立てずに裏方の人生を歩む。それを恨みに思ってたのか、変な復讐をするからおかしくなってしまう。心のバランスがだんだん崩れてしまうが、変な復讐心や恨みを早い所捨てていれば、幸福な朝食もあったでしょう。 心のバランスが崩れたのは自分のせい。そんなに芸能界の表舞台は魅力的なのでしょうか。。。 女の悲しさというより、夢破れた女の未練かな。。。 | ||||
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でも不幸な話だな、、、と。 表紙の不思議な絵に惹かれて購入。 サスペンスなのでネタバレできませんが、主人公の女性 沼田志穂子 は自他ともに認める美貌にめぐまれながらも 「なぜ?」と思うほどの不運な出来事が立て続けに起こり、幸薄い人生を歩んでいます。 ただ、現在は有能な人形劇用の人形使いとして自立した人生を歩んでおり、 そこを起点に彼女の人生がたどる道のりが描かれています。 結末が不幸と感じる人や狂気を感じる人もいらっしゃるようですが、 私には、始めからすでに破たんしていた彼女の人生が、 最終的に呪縛から解放され救済されたように思いました。 そして自分の犯した罪はやがて自分の元に贖いを求めて戻ってくるのだと。 乃南アサさんのデビュー作のようで、他の方が書いていらっしゃるように 若干主人公のパーソナリティが一定してないように見えるところがあります。 (精神的な不安定さを表現したかったのか?) ページ数はちょうどよく、通勤途上でサクッと読める本です。 私は感じませんでしたが後味が悪いと思った方もいらっしゃるようですね。 やっぱり皆感性が違うのだなぁとレビューをみてしみじみ思いました。 残虐な描写が少なく、日常の穏やかな風景の中に潜む人間の怖さを 読みたい方にはおすすめです。 | ||||
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この本をよく30±1〜2歳の女の人に薦めています。私もこの本を読んだのがそれくらいの時でした。 もう少し若い人に薦めたとき、読後の感想は「嫌な気分になった」でした。 40近い人だと、「そういう時よね〜。いたいた、こんな人」でした。 30前後の人だと「一気に読んだ」「しばらく本の中から抜け出せない」「キャベツ…うぅ」でした。 なので、この本は対象がすごく限定されているんじゃないかと思います。 独身でも既婚でも、30歳女性なら入り込みます。危険なほど。 私の親友が29歳の時に躁鬱病を発症したのですが、それくらいの歳が女性にとって一つの山のようです。 人の不幸を覗き見る気分で読むのか、一緒に落ちていくのか… スリルを味わいたい30歳の女性はぜひどうぞ。 | ||||
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女性が持つ心の奥底にある『欲』というものをあらん限り、書き尽くしたという感じです。 まずは名誉欲というか、演技性人格障害ともいうべき、周りから称賛されたい、男性にちやほやされたい。私だってあんな女優よりはましだという虚栄心、嫉妬…。 そしてだれもがこだわる「幸せの形」結婚して、一戸建てがあり、お庭もあって…そこにはやっぱり子どもが必要不可欠。いつだったか、20代の時でした。職場の同じ年の子が結婚するときに「先に行くわ」と若干、優越感に浸っていたことがあります…。しかし、旦那さんの職業を聞くと「・・・え〜っと普通」ってそこは言えなかったらしい。たしかブルーカラー職で。「女って怖い」と思った瞬間でした。そんな彼女のことを思い出した作品でした。 | ||||
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40代男性です。女流作家の方の作品を読むと”男の自分には思いつかないユニークな考え方”と思うか”理解出来ない。共感できない。”と思うかのどちらかの感想を持つ事があります。この作品については、どちらかと言うと後者です。おまけに、女の人が描く女の人の心理なのですから、そのような気持ちを持つ事にある程度の真実がある、ということだと理解しました。恐ろしいです。作中の男性たちが感じた恐ろしさと同じ気持ちを持ちました。家内もこんな気持ちをもったの?などと想像しました。その意味で、とても勉強になりました。しかし、娯楽としての楽しさは持てませんでした。読後感は良くないです。ただただ、怖い…他の作品も読んでみます。 | ||||
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乃南さんの作品で初めて読んだのがこれでした。彼女のプロフィールはもっぱらサスペンス物を得意としているように思えたのですが、この作品ではサスペンス作家のにおいをさせないほどの見事な心情描写が行われているように見受けられました。確かに、この作品には天才的な純文学作家のような「百を語る一言」は存在しませんでしたが、綿密に蓄積された心情描写は読者に(少なくとも僕には)十分なリアリティーを与えてくれるようなものでした。 一度読んでみる価値はあるのではないでしょうか。 | ||||
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昔から読んでみたいと思っていた一冊。 タイトルに惹かれることも然ることながら、表紙のまたなんとも言えない少女の絵にやられました。 本を選ぶとき、僕は表紙とタイトルに釣られることが多いのです。 これはまさに -狂気- でした。 冒頭の“襖を開けると、ぬらぬらとした光を放つ、真っ赤な海”という表現が印象的で忘れられません。 映像が脳にダイレクトに浮かんでくるようでよかったです。 内容としては心理サイコサスペンス、なのかな? 一人の美しい少女が夢を持って上京し、挫折を経て大人の女になり、 失ったものと叶わなかった夢との間で心を揺らし、そして徐々に壊れていく話。 全体的な感想としては、導入部分に退屈を感じるものの 中間部分まで読むと本から手を離せなくなりそのまま一気に……という感じでした。 登場人物の心情が丁寧かつ巧妙に描かれていてよかったです。 人が美化されることなく本当に“人臭く”書かれている本。 主人公が崩壊していく様は恐怖を呼び、圧巻を抱かせ、そして哀しくもありました。 | ||||
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読み始めてまず気付くのは、独特の時間感覚によるストーリー展開です。説明も無しに登場するミカ。読み手の潜在意識にこっそり不安の種を植え付けます。そしてルームメイトの弓子の壮絶な死で、不安の陰は確実に延びてきます。その不安は、終盤の主人公 志穂子の狂気と正常との間の揺らぎへの長い伏線になっいます。ストーリーにはさほど特別の山があるわけではありませんが、芸能界や演劇の世界でうごめく登場人物のそれぞれの心理描写、互いに相手の心の奥底を読むシーンが、緊張を生んでいます。人形のミカは、我が子供であり、解決できない自分自身の性格でもあります。ミカに象徴されるのは、人格の分裂でありながら、結末では自己回帰のための重要なポイントになっています。粗削りのような部分もありますが、 各所の意味合いに二重性を持たせているのも著者の魅力でしょう。秀作だが、若いワインといった印象で★3つ。 | ||||
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私は乃南さんの他の著書を読んでからこれを読んだんですけど、やっぱり乃南さんだなぁと読み終わってちょっとしてから思いました。直後は興奮で何も考えられないんですよ。読んでる時は頭フル回転なんで、その余韻が残ってる感じで。乃南さんの小説は頭使いながら読むんで、それが好きな人にとっては最高だと思います。嫌いな人は本当に無理だって思うような作品だと思いますけど。乃南さんは何といっても昔の短編だと思います。最近はハズレが多い気がします。私はですけど。本当に過去の短編は最高なんで、乃南さんファンで、まだ読んでいないなら、ゼヒ読んでみてください。 | ||||
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友人から、もう読まないからとこの本をもらいました。だから、何の情報もなくこの本を読み始めました。読み終わったとき、読まなければよかったと思いました。 主人公は周りに認めてもらえないことに常に不満を抱き続けてきた30代の女性。過去の事件に蓋をして、自分の心にも蓋をして生きています。そして訪れる精神の破綻。 こういう心理モノって苦手なんです。自分も壊れているのに、それに気がついていないだけなんじゃないだろうかって気になってくるから。もちろん、そう思わせるだけの力がある小説じゃないとそのようには感じないので、そういう意味ではこの小説は読者を惹きつけるすばらしいものと言えますが。 私が主人公にシンクロしてしまったのは、小説の力だけでなく、主人公が30代の未婚女性であり、子供がほしいなあと思っていて、仕事に対する思い入れが強いことなども重なってしまったからだと思います。取り戻せない過去への後悔、結婚に「成功」した人への複雑な感情など、身につまされました。30代の未婚の女性だったらきっと主人公に共感する部分が多いと思います。小説にシンクロすることはないという強い女性にはとってもお勧めします。でも、「最近心が弱っちゃって…」という人は決して開くべき本ではありません。 | ||||
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高校時代、有名になったアイドルは自分そっくりだった。昔から人付き合いも少なかった志穂子は女優を目指し上京するが。思い通りに行かない日々。そしてその裏にあったのは成功者としての自分のそっくり人物の存在。所詮自分は彼女の偽物に過ぎなかったのか。 相変わらずのヒューマンサスペンス。これが処女作であるからここから乃南アサという存在は始まったわけでどうしても志穂子の描写は丁寧で上手い。それに加えて同期の存在や友人も手を抜かない。その協調性が毎回出てくると上手に演出できてくる。今回はどうだったかと言えば個人的にうーん、とややうねるんだけどな。 後半の展開は分からなかった。というか志穂子自身がもはや分からない。自分に似た女優の存在のせいでここまで落ちぶれてしまうとは。その為の何かは意味はあったのだろうか。 いやはや落ちぶれてしまうと言う言い方はあまりよくないかも知れないが。客観的に見る志穂子は明らかに以前とは違う存在になっている。ミカだけが頼りの存在。しかし何故そこまですがりたがる? 終わり方は、やはりこういう展開か。終盤にようやく方向性が見えてきたのだが、どうしてもこうなってしまうわけか。上手いと言っちゃ上手いが読み物としてはどうかとは思う。 ぞくっとした恐さは変わらない。ここでも切羽詰まる展開は志穂子を中心として周りに存在する。そのせいかどうだか視点が固定していないのが途中どうかと思った。如何せん読みづらさもあった。別に読めない訳じゃないんだが。 皮肉なまでの設定であるし、彼女自身それを持ってしてなのかも知れない。このストーリーは、小説は終わったが志穂子のストーリーはまだ続きそうだ。それはどうしてもどうしようもなさそうである。 | ||||
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芸能人を目指していた高校生の沼田志穂子であるが、彼女にそっくりな柳沢マリ子というアイドル歌手が先にデビューして人気を博してしまう。志穂子もそれに続こうとするが、あまりにもそっくりなため、断念せざるを得ない。そして時は過ぎ、人形使いとなっている34才の志穂子は、再び柳沢マリ子に出会う。マリ子より先に志穂子がデビューしていれば、マリ子と志穂子が似ていなければ、結末はどうなったであろうか? | ||||
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この作品だけはいまいち好きになれませんでした。まだ文体が不安定という感じがしました。不用意に視点が飛び、ちょっと読みにくい気がします。内容も、どこかキャラを描ききれていないような…。他作品と同様の期待を抱いて読むと、ちょっと違うかもしれません。 | ||||
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