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二十世紀鉄仮面
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【この小説が収録されている参考書籍】
二十世紀鉄仮面の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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小栗虫太郎大好きで、黒死館など本当に面白いと思っていて楽しみにしていたのですが、この作品はちょっとわかりにくかったですね。場面転換が一行くらいでさらっと書かれているので、誰がどこで何をしたということを把握するのが難しいです。最初の方は川崎でのペストについて、途中はヨットによる航海、最後にやっと鉄仮面の謎に肉薄するという流れになっていて、統一感を欠く出来栄えなのはファンの私でも感じてしまいます。法水麟太郎全短篇が出たのでそちらに期待。 | ||||
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表題作を最初に読んだのは桃源社版だった。 当時中学生だった私にとっては、小栗の文体や独特のスタイルよりも、まずそのストーリーが伝え聞いていたミステリ度の高いものではないということに、正直驚いたものだった。 しかし、巻頭の本作のあと、「後光〜」、「夢殿〜」、「失楽園〜」、「聖アレキセイ〜」と続く作品群は、まさに目眩く幻妖怪奇なミステリ世界を堪能したものだった。 あれから何十年を経て再読した表題作は、しかし、実に面白く読めた。 この「二十世紀〜」には謎とそのロジックによる解明とがあることはある。 しかし、どちらかというと冒険活劇といった感じが強い。 探偵役の法水からして、他の作品とは違って実に活動的というか行動的であるし、なにより活劇する。 いや、活劇どころか、○○までしてしまうのである、えっバレバレじゃ・・・ うーむ、なぜばれなかったんだろう?不思議だ(笑)。 さて、本作のモチーフはタイトルのとおり「鉄仮面」である。 つまり、仮面の幽閉された人物を救出する、というのがメインプロットであり、そこにさまざまな人物が影になりひなたになって絡んでくる。 この仮面の囚人の正体は別に秘密でもなんでもなく、いかに相手の裏をかくかということに、本作のミステリとしてのポイントがある。 そして、ラストに披露される著者独特の和風暗号もまた、著者の作品を良く知るものにとっては、実に微笑ましくも嬉しい。 著者が早世せずに戦後も作家として活躍していたら、本作のような作品で法水がハードボイルドに活躍する作品を創作していたかもしれない。 そうしたら、「黒死館〜」を始めとした一連の法水ものミステリの評価もまた、違ったものになっていたかもしれないな。 ああ、本作の雰囲気は、「潜航艇鷹の城(鉄仮面の舌)」と似ている。 本シリーズのもう一冊、「失楽園殺人事件」と併せて読むと、著者のミステリに魅了されること間違いなしだ。 ただ、個人的には著者の持ち味は「人外魔境」などの秘境冒険もの等に良く出ていたと思うね。 入手が難しいかもしれないけれども、本書を読んだひとは、ぜひ「人外魔境」シリーズも読んでみてほしい。 | ||||
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