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(短編集)

修道女フィデルマの叡智



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修道女フィデルマの叡智の評価: 4.14/5点 レビュー 7件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.14pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

古き良き時代

ミステリが好きですが、昨今の過激な描写、サイコパスな登場人物、などという作品はもう読みたくありません。そんな中出会った本作は古き良き時代の雰囲気を色濃く残し、わたしの求めていたのはこれ!と思いました。
当時の風俗や人々の生活の様子の描写も興味深いものでした。
修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)より
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No.6:
(3pt)

テンポが良く面白い作品だが、詰めが甘い

私は、推理小説が大好きで特に、緻密で合理的な組み立てが得意な、バズラーと呼ばれるエドワードDホック(サイモンアークシリーズ、サムホーソーンシリーズ、怪盗ニックシリーズほか)の作品を好んで読んでいる。

 フィデルマシリーズはレビューの評価も高かったので今回、その書籍を初めて手に取った。
 ピータートレメイン氏の作品を読むのは今回が初めてであることを付け加えておく。

 率直に言って、全体的に詰めが甘かったり、真犯人を追い詰める前に読者に対してすべての事実を提示していない記述があり、フェアではないという印象を受けた。

 例えば、作品『聖餐式の毒杯』では、
   被害者は聖餐杯に入った毒入りワインを飲んで死んでしまう。
   毒入りワインは、強い刺激臭があり、毒の入っていないワインは刺激臭がないと作中でフィデルマが言っている。
 ならば、なぜ被害者は聖餐杯の毒入りワインを飲んだのだろう。
 被害者はこの一週間毎日ミサに出て、毎日聖餐杯に入ったワインを飲んでいる。
 昨日までは刺激臭がなく、今朝はむせかえるような刺激臭がしたのだ、どう考えても飲むのを止めるハズである。
  また、被害者は巡礼の旅をしているのに、一週間も宿泊して同じ教会のミサに出席しているがその理由は何か、
 といった読者が当然抱く疑問について全く触れられず、解決されずじまいで、消化不良を起こしている気分になった。

 作品『ホロフェルネスの幕舎』では、
 書籍に暗褐色のしみがあることと、手の跡のように見えると言うことは事前に述べられているが、それが男の掌の痕であるとフィデルマが気がついたと言うことについては、真犯人が明らかになってから述べられており、私のように推理小説を読者が探偵役になって読み進めるタイプの人間にとっては、フェアではないと感じる。

 ホックと比べてしまうのは気の毒なのかもしれないが、作品自体の詰めが甘いと感じざるを得なかった。

 とはいえ、全体的にはテンポが良く面白い作品なので、ここまで細かいことを気にしない方には良いと思うが、私のように気にする方は他をあたった方が良いかもしれない。
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No.5:
(4pt)

なかなか凝ったどんでん返し

古代ローマやアイルランド王国を舞台に、美貌の修道女探偵フェデルマ女史が活躍する短篇集である。

比較的とざされた状況の中で犯人を探し出す形の短篇となっているが、なかなか凝ったトリックやどんでん返しもあり、うーんとうならされる出来である。

それから、最近の翻訳にしては、もともとの重厚なストーリを、かなり抑えめの感じの文章にまとめているのも好印象。主人公の設定上、宗教ネタがやたらに多いにもかかわらず、不自然な訳に陥らないところは素晴らしい。

難点を一点挙げるとすれば一部の短篇では、キリスト教、その中でもローマカトリックに特有の概念などが出てくるのだが、それがいかに宗教人に取って重要かがポイントになってくる話があり、この辺りはニュアンスがどうにも掴みにくくて困りました。たぶんキリスト教圏の読者には違和感ないのでしょうけど。

このシリーズとして長編や短篇がいくつかでているのだが、ちょっと宗教的にお腹いっぱいになった感があるので、個人的には少し様子見ですかね。

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No.4:
(5pt)

修道女フィデルマの叡智を読んで

同シリーズの「洞察」と共に非常に優れた短編集。フィデルマの叡智と洞察のほとばしりは極めて歯切れよく小気味よい。7世紀のアイルランドというわれわれの馴染み極めて薄い世界でこれまで聞いたこともないような名前の人々が生き生きと動くさまは
読んでいて感動的でさえある。それもこれも翻訳者の甲斐萬里江さんのすばらしい仕事のおかげである。私は編集部に電話で問い合わせてフィデルマ・シリーズはすべて甲斐さんの翻訳だと聞いて全部読もうと決めた。佐藤一公
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No.3:
(3pt)

期待しすぎだったかも…

ミステリも好き、歴史も好きなので、割と期待していたのですが…期待しすぎだったのかな?
ミステリとしては悪くないと思います。フィデルマのキャラもいい。有力な王家の一つの王女であり、努力と才能で古代アイルランドの高位の法執行官に登りつめ、さらに古代では尊敬される存在である聖職者。二重にも三重にも尊敬されるべき女性で、しかもそれが血筋だけで手に入れたものではないからカッコいい。探偵役として、とても魅力があります。
ただ、他のキャラがちょっと…。短編集なので、個々の作品によって違うのですが、どうも古代人っぽくないというか、価値観があまりに現代人っぽすぎ、と感じてしまう場面が多々ありました。何か、現代人がコスプレしているテレビドラマを見てる感じと言うか。
まあ、古代アイルランド人について何を知っているわけでもないんですが…人間性に昔も今もない、と言えばそれまでですが、せっかく時代劇ならもう少し昔っぽさがあってもいい。
長編作品の方は違うのかもしれませんが。
あくまで好き嫌いの問題であり、私見ですけれど。
「大王の剣」と「旅籠の幽霊」は大変楽しく読めました。
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No.2:
(5pt)

美貌の修道女フィデルマの胸のすく名推理が味わえる新鮮な歴史ミステリー短編集。

七世紀アイルランドのドーリィー(法廷弁護士)にして美貌の修道女フィデルマの胸のすく名推理を描く英国歴史ミステリーの初短編集から5編を選りすぐって集成した傑作選です。私は日本で既に紹介されている二長編は未読で、歴史ミステリーと言うと凄く堅苦しくて難しいだろうなという先入観が先に立ちましたが、読んで見ると最初の方は少し馴染むのに時間が掛かった物の雰囲気に慣れると心配は杞憂で、すんなり物語世界に入って行けて存分に楽しむ事が出来ました。本書のヒロイン、修道女フィデルマは若く(残念ながら実年齢は書いていません。)美貌に恵まれた上に絶大な権威を誇る才色兼備な申し分のない女性です。私が感心した点は、彼女の何物も見逃さない観察眼と人間心理を読み切る洞察力を基盤にした鋭い推理に加えて、権威になびかず誰彼の区別なく公平に疑いの眼を向ける公正で毅然とした態度です。ひとつ欲を言えば、彼女は愛を信じる乙女だと思いますが、愛する男性への恋愛感情について一切書かれていないのが残念で、ぜひ何時かロマンチックな物語も読んでみたいと思います。
『聖餐式の毒杯』フィデルマが巡礼に訪れたローマの教会で聖餐杯のワインを飲んだ若者が急死する。彼女は事情聴取により動機と機会を吟味し複雑な人間関係と意外な真相を暴きます。『ホロフェルネスの幕舎』フィデルマは幼なじみの〈魂の友〉リアダーンの助けを乞う手紙を読んで急ぎ駆けつけ、夫と幼子を殺した罪で捕えられた友の事件に敢然と挑む。古代の伝説が暗示する手掛かりが興味深く、常に冷静で感情に流されないフィデルマの姿勢が感動的です。『大王の剣』大王位を継ぐ為に必要な王家伝来の宝剣が盗難に遭い、フィデルマは即位式の刻限までに探すという重大で困難な依頼を受ける。複雑で巧妙なトリックに唸らされる本書一番の傑作です。貴方もたまには気分を変えて新鮮な歴史ミステリーの魅力に触れて頂きたいと思います。
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No.1:
(4pt)

魅力的な探偵役を擁する端正な短編

「修道女」といっても、若い美人でしかも高位の弁護士資格を持ち、おまけにやんごとなき身の上という、ほとんど反則的なヒロインが探偵役です。ついでに所は五王国時代のアイルランド。
こういった魅力的な配役と舞台の上で、端正な本格推理が展開されます。特に一本目は本格の王道を行く、優れた短編の見本のような佳品です。早く読めば良かった、このシリーズをもっと読みたいと思わせる一冊。
修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)より
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