■スポンサードリンク
ジェシカが駆け抜けた七年間について
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ジェシカが駆け抜けた七年間についての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.17pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
スポーツミステリー小説は以外と少ないです。自分が読んだ本は、東野圭吾氏の『鳥人計画』とこの『ジェシカが駆け抜けた七年間について』の二冊だけです。 果たして、どのようにスポーツとミステリーを融合させて、どのような事件が発生し、どのように問題を解決していくのか、読む前は興味津々でした。 題材は陸上競技でマラソンです。しかし、残業ながら、マラソンシーンはほとんどありません。どのようなトレーニング方法をしているのか?はらはらどきどきのマラソン大会のデッドシーンは?どういうふうにマラソンで大成していくのか?また、その後の挫折は?マラソンをテーマとしているのに、マラソンを介しての詳細な内容が描かれていないんです。何だか、読者が望んでいる肝心なものが抜け落ちている感じでした。スポーツミステリーとは程遠い内容でした。 また、事件の真相も首を捻るような不思議な内容でした。物足りなさが残る作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリーとして期待して読み進めて叙述トリックだったって時に自分は基本的にがっかりする。 どんなトリックをどんな風に意外性のある形で解き明かして、そこにどんな面白い動機があるのかを期待している。 この作品については例外で、結局謎は叙述のカードをひっくり返すことであっさり語られてしまう。 だが、殺人者の女の動機が面白い。そして、操作から見えてくる殺害されるマラソンのコーチの狂った人となりが、そしてその背景にある日本、海外の陸上という世界におけるコーチの立ち位置(この作品が捉える世界観)が面白い。 とりわけ興味を惹かれるのは、コーチのドーピングも辞さないストイックさが、選手に自分の子供を孕ませて堕胎させてタイムを伸ばさせるというめちゃくちゃな指導を呼び寄せてしまうという悲劇。 だが、コーチはただの狂った指導者というわけでもなく、本来はものわかりのよい指導者なのだが、かつて自分を追放した日本陸上界への復讐心もあってその凶行にいたる(いやいや、結局こいつはただのマッドプロフェッサーだろw)。 動機や世界観が重層的に設定されていることが、叙述トリックオチっていう語りの都合の良さを乗り越えてしまっている、ある意味キメラ的な面白さがある小説だと思う。 自分と同じように面白さを感じる人はかなりのカルト好きなのかなという気もするが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書はマラソンを舞台にしたミステリなのだが、トリック面からみてもスポーツ物としてみても、 動機に関して以外マラソンである意味は特に無い 女二人が部屋で話してあとは事件が起こって終わりだ 近藤史恵のサクリファイスのようなスポーツ物としての熱さなんかは期待しない方がいいだろう そもそも丑の刻参りとか、いつの時代の話だよと思わず突っ込みたくなってしまう 良くも悪くもどこかでその知識を手に入れたので適当に使ったというだけの作品で、ただそれだけ どの方面から見ても平凡な一冊 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
葉桜の季節に君を想うということに続いて出された作品で、これまた葉桜と同系統の読者に巧妙に仕掛けられたトリックが秀逸な歌野氏らしい技巧的な作品。 個人的にはハードボイルドタッチの葉桜より本格ミステリー仕立ての本作の方が断然引き付けられた。 エチオピア人が主役で海外の陸上クラブが舞台という異色作だが、奇抜さを狙っただけではなくてこの設定でないと成立しないトリックが仕掛けてある。 事件自体は複雑な物理トリックもアリバイトリックもないシンプルなものなのに、読者にだけはとてつもない謎が立ちはだかっているかのように思えてくるというのが本作の叙述トリックの肝。 葉桜の・・比べるとマイナーな位置付けの作品だが、一読の価値ありである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
葉桜〜と同じく意外な結末系ではありますが、メイントリックは一個なので、いくら考えても理解に苦しむということは多分ありません。なのでこの手のミステリ初心者にはお勧めの作品です。物語の舞台が海外の陸上クラブという変わった設定ですが、特に難しい専門用語の羅列とかもないので、ガチガチのお堅い本格推理物が苦手な方にも読みやすいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2004年に原書房から出た単行本の文庫化。 女子長距離走という、ミステリでは異色の世界を取り上げた長編。 小ネタをいくつか集めて一冊にしたという感じの内容で、それぞれのトリック/仕掛けはなかなのもの。驚かされる。しかし、全体としてはまとまりがなく、殺人事件の真相が明かされても、「だから、なんなのさ?」と思ってしまう。 とはいえ、ストーリーとしてはおもしろい。ぐいぐい引っ張られて一気に読んでしまった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルが暗示するように、七年間という“時間”に詭計が仕掛けられた叙述ミステリ。 メインとなるのは叙述トリックの一発ネタですが、それを成立させるために実に 多彩なテクニック(被害者が主人公のネックレスを握っていたことや主人公が マラソンを七キロの地点で棄権したことに基づく心理トリック、ある呼称を利用 した誤認トリック等々のミスディレクション)が用いられており、さらに、各章の 配列も、計算し尽くされたものとなっています とはいえ、本作のトリックを読み解く際、特殊な知識が必要になることに納得 できない向きもあるでしょうし、トリック自体が、数字の絡む煩雑なものである ことをわずらわしく感じる向きもあるかと思われます。 そういった意味で本作は、技術的には申し分ないのですが、総合的には、 いまいちインパクトに欠けるという、実に惜しい仕上がりとなっています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小説の中にはとりたてて謎は無く、読者の中にだけ謎がある、というスタイル。 「それがどうした」的な最後の種明かしでしたが、 全編とおして軽いタッチ(無駄なプロットがなくスリム)だったので苦笑いですみました。 著者の名作「葉桜の季節に君を想うということ」が強烈に印象に残っており、だまされまいと 身構えたせいか大体からくりが読めてしまったのは残念でした。 次回はもっと読者を裏切ってほしいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
合法ドーピングを背景にした殺人事件。 事件自体は動機も手口もいたってあっさりしている。 が、歌野昌午ならではの仕掛けがしてあり、捜査陣で はなく読者を引っ掛けるように作られている。 けれど、小説としてどうなのよっていうと、登場人物 どうしの会話やアスリートのルーティングの繰り返し 描写などでイラっと来る部分がある。 長い時間をかけて短編を読んだような読後感と、これ だけの仕掛けをしておいて、ネタばらしが『そんなの 知らね〜よ〜』って言う類のものだったのでがっかり 感が強かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
エチオピアの女子マラソン選手ということで、アトランタ・オリンピックで全く無名ながら鮮やかな優勝を果たしたファトゥマ・ロバ選手をどうしても思い出してしまうのですが、あのレースの中継での報道ぶりを覚えている人だと、思わずニンマリしてしまう作品です。 特殊な指導方法を採る監督と、期待されながら記録の伸びない選手の葛藤が描かれていますが、丑の刻参りとかエピソードの設定に違和感がつきまといました。途中で登場する根性主義の監督とか、今でもいるんだろうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
正直、歌野さんの作品レベルとしては普通。あっと驚く仕掛けのあった「葉桜・・・」の次ぎに出た本と言う事で、期待し過ぎの感もあるにはありましたが、う~ん、やっぱり物足りないですね。 序盤から中盤にかけては、ミステリアスな雰囲気でいつも通り期待させてくれるのですが、だんだんファンなら、オチがある程度見えてきてしまい、またラストもファンの期待通りの終わり方。あっと驚くのですが、正直目新しさが欠けています。1冊ごとに用意される歌野さんのビックリ箱のような面白さがこの本はやや弱いと言った感じがしますね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「葉桜の季節に君を想うということ」で一躍メジャーとなった歌野さんの最新書き下ろし作ですね。多くの読者は「葉桜~」で初めて著者に触れて消化不良感に苛まれ、再挑戦ということで本作を手にとられることと思う。前代表作の「世界の終り、あるいは始まり」から著者に触れているファンの読後感としては、「今度はこう来たか!やられた!」というよりも、「またこれか!」という印象が強いですね。ミステリーの出来てしてはマズマズで十分それなりに楽しめるし、読後ただちに要所要所を読み返してみたくはなるのですが・・(エチオピアに造詣のある読者を除く)。著者には、次作では是非「新しい路線」を開拓していただきたいと思いますね。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!