■スポンサードリンク
ジェシカが駆け抜けた七年間について
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ジェシカが駆け抜けた七年間についての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.17pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリーとして期待して読み進めて叙述トリックだったって時に自分は基本的にがっかりする。 どんなトリックをどんな風に意外性のある形で解き明かして、そこにどんな面白い動機があるのかを期待している。 この作品については例外で、結局謎は叙述のカードをひっくり返すことであっさり語られてしまう。 だが、殺人者の女の動機が面白い。そして、操作から見えてくる殺害されるマラソンのコーチの狂った人となりが、そしてその背景にある日本、海外の陸上という世界におけるコーチの立ち位置(この作品が捉える世界観)が面白い。 とりわけ興味を惹かれるのは、コーチのドーピングも辞さないストイックさが、選手に自分の子供を孕ませて堕胎させてタイムを伸ばさせるというめちゃくちゃな指導を呼び寄せてしまうという悲劇。 だが、コーチはただの狂った指導者というわけでもなく、本来はものわかりのよい指導者なのだが、かつて自分を追放した日本陸上界への復讐心もあってその凶行にいたる(いやいや、結局こいつはただのマッドプロフェッサーだろw)。 動機や世界観が重層的に設定されていることが、叙述トリックオチっていう語りの都合の良さを乗り越えてしまっている、ある意味キメラ的な面白さがある小説だと思う。 自分と同じように面白さを感じる人はかなりのカルト好きなのかなという気もするが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
葉桜の季節に君を想うということに続いて出された作品で、これまた葉桜と同系統の読者に巧妙に仕掛けられたトリックが秀逸な歌野氏らしい技巧的な作品。 個人的にはハードボイルドタッチの葉桜より本格ミステリー仕立ての本作の方が断然引き付けられた。 エチオピア人が主役で海外の陸上クラブが舞台という異色作だが、奇抜さを狙っただけではなくてこの設定でないと成立しないトリックが仕掛けてある。 事件自体は複雑な物理トリックもアリバイトリックもないシンプルなものなのに、読者にだけはとてつもない謎が立ちはだかっているかのように思えてくるというのが本作の叙述トリックの肝。 葉桜の・・比べるとマイナーな位置付けの作品だが、一読の価値ありである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2004年に原書房から出た単行本の文庫化。 女子長距離走という、ミステリでは異色の世界を取り上げた長編。 小ネタをいくつか集めて一冊にしたという感じの内容で、それぞれのトリック/仕掛けはなかなのもの。驚かされる。しかし、全体としてはまとまりがなく、殺人事件の真相が明かされても、「だから、なんなのさ?」と思ってしまう。 とはいえ、ストーリーとしてはおもしろい。ぐいぐい引っ張られて一気に読んでしまった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルが暗示するように、七年間という“時間”に詭計が仕掛けられた叙述ミステリ。 メインとなるのは叙述トリックの一発ネタですが、それを成立させるために実に 多彩なテクニック(被害者が主人公のネックレスを握っていたことや主人公が マラソンを七キロの地点で棄権したことに基づく心理トリック、ある呼称を利用 した誤認トリック等々のミスディレクション)が用いられており、さらに、各章の 配列も、計算し尽くされたものとなっています とはいえ、本作のトリックを読み解く際、特殊な知識が必要になることに納得 できない向きもあるでしょうし、トリック自体が、数字の絡む煩雑なものである ことをわずらわしく感じる向きもあるかと思われます。 そういった意味で本作は、技術的には申し分ないのですが、総合的には、 いまいちインパクトに欠けるという、実に惜しい仕上がりとなっています。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!