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てのひらの闇
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てのひらの闇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
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非常にインテリ感漂う作品。作中の大原のような人物が会社にいたら自分は惚れ込んでしまうに違いない。商売とヤクザは一種似たような存在であると藤原伊織の作品を読むと認識させられる。仁義や道義などは今の社会では説得力を失っているかもしれないが「まっとうな仕事」とはそのようなものであるに違いない。見事に二つの職業が融合され、ビジネス小説でもなくヤクザ小説でもない絶妙なバランスがとられた作品だ。然しながら、主人公のバックグラウンドや取り巻く環境の非日常性が現実感をなくしていると思うのが残念。強いていえばだが… | ||||
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飲料メーカーの宣伝部に勤務する堀江は、 早期退職を勧められ、あと2週間で会社を去ることに。 そんな時に、自分を20年前にその会社に引っ張ってくれた会長が自殺。 その死に納得できない堀江が調べていくうちに、 会社を移る原因になった20年前の事件と人物、堀江の過去などが関わりあってきます。 極道の人たちに政治家、様々な人間関係が絡みあい、どう考えてもハッピーエンドにはなり得なそうな雰囲気。 藤原さんの書く男性は本当にかっこいいです。 無頼派っていうんですかね。 アル中だったり、だらしないところもありつつも、 責任をきちんと負えて、余計な言い訳をせず、秘密を抱いたまま生きていける。 そんな大人の男性に憧れてしまいます。 | ||||
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主人公 堀江雅之 有能であるのにリストラに直面している、46才の大手飲料メーカーの宣伝制作担当課長 離婚して現在独身 高一のときに極道の父を目の前で亡くす 剣道の達人 20年前とある出来事が縁で知り合い、中途入社することになったタイケイ飲料の会長から ビデオフィルムをみせられCMに使えないかと意見を求められる そのビデオフィルムが合成であることを指摘したその夜会長は自殺した 何故、会長は自殺しなければならなかったのか 合成フィルムをドキュメント映像としてCMに使用させようとしたのは何故なのか 残り2週間の会社人生でやらなければならないことができた 企業に吸着する極道と政治家、悲しい過去を持つ女・・・ いい作品です また読みたいと素直に思えます ストーリーは当然ですが、やはり主人公の設定がうまい 暴力団と力でわたりあうサラリーマンというのはともすれば陳腐な現実味のない設定になりがちですが 主人公の出自を極道としたことで各所うまく話がまとまるようにしている 冗長過ぎる(ページ数を無駄に使う)人物説明や会話がない うまいな 素直にそう感じることができました 読後感が爽やかで誰にでも薦められる1冊だと思います | ||||
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初めてのジャンル、ハードボイルドに挑戦! 予想以上に良かったです。続きが気になってたまらず、 読み終わったら気分はカッコイイ中年オヤジ!! 続編があるようなので、また是非読んでみたいと思います。 読まず嫌いでは損ですよ! | ||||
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事件の核心に迫りながら主人公の意外な過去の話をしたり、バー店員との軽快なやりとりがあったり、やくざとの駆け引きがあったりと目が離せない展開にはまってしまった。主人公の堀江はどこか抜けたところがあるものの、放っておけない魅力ある人物であり、そんな彼の人柄もこの物語に惹かれた理由だと思う。ただ、会長自殺の原因が意外と単純で個人的には納得できなかった。 | ||||
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くたびれた中年男のプライド、弱さや強さ、自らの意志を貫こうとする意地。 そんなのを書かせたらイオリンの右にでる作家なんていないのだ。 そんなイオリン作品が大好きなんだな。 ワープとか白髭みたいな空想ハードボイルド物も読みたかったな。 本作も中年男の話。能力はあるけど、上司の肩たたきに応じた中年男の話。 まぁ、とりあえず読め。 何でもいいから読め。 その価値がある。 | ||||
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主人公の堀江はもちろんながら、友人で取締役の柿島、会長の石崎、やくざの親分の坂崎や勝沼、最初はイヤなやつかと思っていた部長の真田、賢すぎる六本木のマイク、みんなかっこいいのだ。 こんな男気のある連中はそうそういない。 藤原伊織の小説に登場する主人公はいつもくたびれたアウトロウっぽい中年が主役。 クールさを気取りながらも心優しいおじさんなのだ。 そしていざとなると俄然強くて、かっこいい。スーパーヒーロー並だ。 そして登場するヒロインたちもまたかっこいいのだ。 特にこの大原女子はいい。 堀江に胸キュンながらも自分は夫持ちであるゆえに心の葛藤がある。そんな女心も描き方がうまい!(男性の女性からこんなふうに思われてみたいという願望もかなりあるだろうが。。) いつもながらしゃれた男女の会話が心にくい。 | ||||
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やはり非日常的な設定だと思う。ストーリーは面白い。展開も悪くなし。しかしながら、現実にはありえない話だと思った。日常的なストーリーを期待したい。 すでに故人であるが・・・ | ||||
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パターン的には、藤原作品の特徴をなぞった作品で、世界観はテロリストのパラソルとほぼ同じと言っていい。 でも、作品の完成度からみたら、こちらのてのひらの闇の方が格段に上だと思う。 主人公である、リストラ寸前のくたびれた中年男が胸の裡に内包する負の部分を、暗くなりすぎず、じめつかせず、スタイリッシュに描くことに成功している。 いい加減でくたびれていて、情けないのにカッコイイと喝采を贈りたくなる不思議な魅力が、主人公の男性にはある。 微妙に溜飲の下がらない、どちらかというと中途半端なラストが多い藤原作品にあって、この作品のラストシーンはすんなりと腑に落ちてくる感があった。 その意味でも、これは藤原作品の中でイチオシと思える作品になっていると感じた。 | ||||
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表面化することは少ないが、バブル時代の後遺症として現在でも影響を色濃く残している事柄は多々ある(らしい)。 直接の後遺症もあれば、そこから接ぎ木のように派生・拡大した間接的なものまである(らしい)。 この物語はサラリーマンと表現するには少し問題があるものの、まごうことなきサラリーマンの残滓を備えた男性を中心とした企業サスペンスである。 作者の直木賞受賞作「テロリストのパラソル」と同じく、「くたびれた中年男性・秘密の過去・病気」の主人公が再び登場。 社会一般的な視点で見れば実に頼りなげなのだが、その実、何かしら秘めたる能力を持っているという設定。 実際問題として、その能力を発揮できる道から外れ、転進した道ではそもそも使えないという能力である。 それがかえって中年のくたびれ感を助長しているのが興味深い。 知性の高さをかいまみられる端的でテンポのよい会話が読む者を引きつける。 いかに自分のボキャブラリーが少ないかを実感するあまり、メモを取りながら読み進めてしまった。 初回はメモを片手に読んだため、せっかくのテンポを阻害したような気がしないでもない。 通常再読は相当期間のインターバルをおくことにしているが、この作品に限ってはすぐにでも読んでみようと思っている。 評価はもちろん星5つ。 | ||||
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会長が自社のコマーシャル用にと極秘で渡してくれた 「実録の八ミリのビデオテープ」 は実はCG合成されたものだった。 宣伝部の課長堀江がそれを指摘し、コマーシャルには使えないことを告げた晩、会長は自殺する。 会長の自殺の原因、CGテープの作成された理由。 それを知りたいと堀江が調べ始める。 大会社の社内の様子や人間関係が 「もうすぐ退職する」 堀江の視点から描かれていて、それぞれが、経営や宣伝などの仕事もこなしていく様子がリアルで面白いです。 堀江自身があまり好きではなかった真田部長も愛嬌のある人物として最後に登場するなど、人物ひとりひとりに向けた視線のやさしさが、スマートな筋立てに奥行きを与えていて読みやすい小説になっています。 長い小説ですが、どのページも面白くて一気に読みました。 | ||||
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経営では無能であったが、人格的に優れていた会長の自殺。そして、CG合成されたビデオテープ。CGであったことを指摘した堀江は、会長の自殺の理由を探り始める…。この作品の最大の魅力は、登場人物の魅力だろう。暴力団組長の息子という経歴を持つ主人公・堀江、自殺した会長である石崎、堀江の部下・大原、堀江を見守る暴力団組長・坂崎、バーの姉弟…など、それぞれのキャラクターが立っており、何より格好良い。格好良過ぎてどうだろう? と思えてしまうくらいに。まさに「ハードボイルド」なのであるが、テンポも良いし、確かに面白い。もっとも、この手の小説ではよく感じることではあるのだが、この作品も登場人物達の人間巻系が出来過ぎているような気がしてならない。あまりにも関係し過ぎていて、逆に人工的に感じてしまうのである。そこだけがちょっと気になった。でも、十分面白かったけれども。 | ||||
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登場してくる男たちがかっこいい。昔、受けた恩に報いるため、石崎の死の真相を追いかける主人公の堀江はもとより、元の組長の息子堀江を鍛え、あくまで温かい目で見守る、暴力団組長坂崎。中でも一番は石崎である。無能な経営者かと思えた彼だが、実は愛する女を支え、命をかけて守り抜く、男の中の男であったとは。彼が堀江にかけた最後の言葉「感謝する」。それに込められた石崎の思いがわかって、堀江と同様、石崎に惚れこんでしまった。ふやけた男ばかりが増えている現代、こんな男たちの物語に、素直に感動した。 | ||||
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藤原さんの作品にははずれがないので楽しんで読めました。主人公をはじめとする格好よすぎる登場人物のキャラクターがいいですね。タイトルの闇は確かにあるのだが、正直なところ純粋なエンターテイメントとして割り切れるのがいいところかな? | ||||
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藤原伊織さんが描く人物は皆どこか優しい。ほっとする。一見普通に見える世界が、物語が進むに従って、実はとんでもないアレコレにかなり都合よく変わっていくのには、おおそうきたかって、実は笑ってしまったりして・・・許すけど。でもちょっと甘いかな? | ||||
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藤原伊織の作品は2冊目だが、「ひまわりのパラソル」と同様、格好良いアウトローが主人公。アウトローでありながら、広告会社に勤めるサラリーマンであるというのは、現実味がないが、なぜか許せる。ただ、大きな暴力組織の「若」であったことで、安全な場所にいるというのは、ハードボイルドとしてどうか? 作者は、ハッピーエンドにしたかったのかもしれないが。 | ||||
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