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虹の谷の五月
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虹の谷の五月の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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フィリピン・セブ島に暮らす日本人ハーフの少年の成長物語。13歳から15歳までの二年間足らずであるものの実に濃密だ。 上巻は、主人公トシオ、トシオの庇護者”爺っちゃん”を中心に、貧しいながらも逞しく生きる日々がつづられる。娼婦の子であり、ジャピーノと蔑まれるトシオ。闘鶏用の軍鶏を育てながらチャンピオンになることを夢見ている。 閉鎖的な村社会の中での権力争い、差別、悲恋などてんこ盛りである。読み進めながら感情が沸騰してしまうことしばしば。 日本からセレブとなって帰国した女クイーンの登場から物語はきな臭い展開を見せる。元ゲリラ ホセが一人潜伏する「虹の谷」への案内をするはめになったトシオ。これが血生臭い戦いのきっかけになるのだった。下巻に続く… | ||||
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フィリピン・セブ島に暮らす日本人ハーフの少年の成長物語。 下巻は、死が暗い影を落とし始めた主人公トシオの暮らす村。トシオは、元ゲリラ ホセが潜伏する「虹の谷」明かしてしまったことから、ゲリラたちの戦いに巻き込まれていく。 ここから、著者の本領発揮となる。銃弾飛び交う中の戦闘は、本作品の時代背景となっている2000年頃の日本ではあり得ないシチュエーションだ。それでも、ハラハラが止まらない。 ホセと合流したゲリラ V.S. 暗殺部隊の斃し、斃されの戦いが続く。トシオの目を通したこの戦闘の結末は!著者らしい決着の付け方である。 主人公が使う”おいら”など、散見される死語が気になったりして。 【直木賞】 | ||||
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フィリピンでの少年の冒険を描いた約900ページの長編小説。国内全土を巻き込む内戦、地区内の権力争い、主人公が生業としている闘鶏、仲間内でのいざこざなど、さまざまな闘いを経る主人公の成長を一人称視点で体験できる。 | ||||
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二十年前の小説 読みごたえ十分 直木賞も納得 | ||||
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やはり船戸与一は良い、最高だ!!! ある人がこの小説は語彙が不足していると言っておられました。その時、私は夏目漱石の『吾輩は猫である』という小説を思い浮かべました。「吾輩」が小説のはじめあたりで、「言語道断」を「言語同断」と言っているのです。 最初、誤植かと思いました。漱石ともあろう人が何故? やがて、ある時、腑に落ちました。 これは猫が語っているのですよね、だから、これでいいのですね。 これと同じで、この小説の語り手は13~15歳の少年です。そのボキャブラリーの少なさを補って余りある誠実さ、人として真摯に生きてゆく姿、これが素晴らしいのではないでしょうか? とかく難しい言葉、モノをよく知っている人が偉い人だと思われがちですが、本当に偉大な人は多くを語らず、行動によって人のために働くひとではないでしょうか? | ||||
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フィリピンのセブ島付近の小さな街の中学生トシオが主人公。とても心が綺麗な少年で、周りを囲む人物も素敵だ。ちょっぴり悲しいストーリーな部分もあるけれど、ハートウォーミングな名作。心が汚れたらまた読みたい | ||||
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主人公の少年の心の機微が巧く書かれており、わくわくしながら読める。正直で正義感が強く、ハートウォーミングなキャラクター。フィリピンのセブ島の田舎の話。 | ||||
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船戸与一という作家を知ったのは最近のこも。「山猫の夏」から。以降何作か夢中で読み続けたが、ドライな読み応えの辛口なハードボイルド世界にはすっかり魅了されてしまった。普通人の主人公が凄まじい体験を乗り越えて男として大きく成長していく。名作揃いの船戸与一作品の一番の醍醐味だ。虹の谷の五月は、少年が男へと大きく成長するカタルシスが特に強い作品。文句なしにおすすめ。 近代小説の金字塔的な作品だと思うが、グロやエロスも赤裸々に描いてあるので、男性向けかとは思う。 | ||||
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カカヤン薔薇の白い花が咲く。バナナをもいできて、5本食べたらそれが朝ごはん。 少年は、無口だが、気丈な祖父と闘鶏を生業に暮らしている。貧しいカルソボンガ地区から、虹の谷に住むゲリラの生き残りの青年ホセのところへ、ラム酒と煙草を届けられるのは、少年だけだ。虹の谷には、雨季になると円い虹が出る。閉鎖的なムラで、汚職や馴れ合いに満ちた大人たちに囲まれていても、誇り高い祖父や希望を捨てない青年ホセに導かれ、少年は12歳から15歳の青年へと成長していく。 うーん、中2男子って本当に変わっていく時期があるよな、とシミジミ。 | ||||
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10年ぶりくらいに読み返してみての感想です。 とにもかくにも、ページをめくる手を休ませない。 それくらいに引き込まれる筆致です。 内容に関しては、他の方が書かれているのでほぼ割愛します。 船戸与一氏の作品は、勝つか負けるかという図式がはまりやすいですが、 この作品はそこを主観ではなく(勿論勝つか負けるかはありますが)、主人公 トシオの成長物語なんです。 一人称を「おいら」から「俺」に変わって行く様。 自分の意見だけだったのが、相手の気持ちを慮るようになる。 などの様子を楽しむ小説です。 そして、ヒロインともいえる「メグ」との関係も、人間らしい思春期を 過ごしてきた方にはキュンキュンするのではないでしょうか。 船戸与一氏の小説は、支流がいくつもあって、終盤にその支流が大きな本流になるところに 醍醐味があります。 直木賞受賞作ということもあり、船戸与一氏の作品に触れたことの無い方は ここから入るのもいいかもしれません。 物事の本質を教えてくれる小説でもあります。 ずるい人間が増えてきた日本人に読んで欲しいとも思いますね。 自分が幸せなのは、自分の信念が作ったもの。 それをわからせてくれるというか、確認させてくれる小説でした。 ★4なのは、繰り返しの説明文が多すぎたことですかね。 | ||||
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届いた本は一ヶ所小さな汚れがあったが、ほとんど新しい物と同じだった。 内容もフィリピン駐在経験者には、物語に引き込まれ一気に読んでしまうモノだった。 | ||||
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フィリピンのセブ島に生まれた日本人とフィリピン人のハーフの少年の成長物語。 単純な子供が成長する過程にも、フィリピンという国のフィルターがかかると一味違う。 暗い歴史の民族闘争の影がちらつくし、貧困もそうだ。 とてもよく取材がされているので、小説の世界の中でいろいろなものを知ることができる。 | ||||
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直木賞を受賞した本作。ゲリラの闘争の中に次第に巻き込まれていく主人公の少年の行方が手に汗握る。 最後は爽やかな読後感。日本の小説家が描く外国を舞台にした小説は、成功するとその場に居合わせたかのような妙な臨場感がある。 素晴らしい小説だった。 | ||||
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日本人がマクタン島のリゾートで宿泊しているだけではわからないフィリピンが描かれています。ややデータは古くなりましたが、よく描かれています。さすが直木賞受賞作に相応しい出来です。ただ、著者の初期の作品のような爆発的なエネルギーには欠けますが、丁寧に描写されています。 | ||||
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セブ島に行く方にお勧めします。日本人がマクタン島のリゾートで宿泊しているだけではわからないフィリピンが描かれています。ややデータは古くなりましたが、よく描かれています。さすが直木賞受賞作に相応しい出来です。ただ、著者の初期の作品のような爆発的なエネルギーには欠けますが、丁寧に描写されています。 | ||||
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第123回直木賞受賞作品。著者船戸与一は、発展途上国を舞台として貧しい人々に焦点を当てた小説を数多く世に出している。彼の作品には、ゲリラや反政府武装勢力関係者が多く登場する。本作品も、これまでの「船戸ワールド」と同様に発展途上国であるフィリピンの片田舎が舞台であり、長年フィリピンで活動してきたゲリラ組織「新人民軍」の元メンバーが登場する。舞台はセブ島で、日比混血児を意味するジャンピーノと皆から呼ばれているトシオ少年の目を通じて、日常生活とそこで起こる事件を描写している。日本とフィリピンの間には、戦前から今日に至るまで様々な人々の交流がある。混血児も多い。フィリピンの首都から遠く離れた村であるにもかかわらず、日本との関係が様々な形で描かれている。 本書は、2000年5月に新刊として発行された作品を上下二冊で文庫化した上巻である。上巻の本書では、ジャンピーノ少年が13歳の時に巻き込まれた事件と、14歳の同少年が見た村の出来事の約半分が納められている。その後の展開は、下巻(虹の谷の五月(下) (集英社文庫))で描かれている。(2012/9/8) | ||||
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フィリピンのセブ島の片田舎に祖父と暮らす日比混血児トシオ少年は、虹の谷への道筋を知っている唯一の人物であった。虹の谷では、丸い虹を見ることができる。そこでは、新人民軍の元ゲリラ兵士ホセが一人で反政府活動を継続している。本作品は、13歳から15歳にかけてトシオ少年の目を通じて、フィリピン社会の矛盾が描写されている。闘鶏師であるトシオは、虹の谷への道を知っているが故に、様々な事件に遭遇する。それらの事件を通じて成長していく少年とその関係者の物語である。 上巻(虹の谷の五月(上) (集英社文庫))に比べて、本書の下巻では、様々な事件が立て続けに発生し、ストーリー展開の早い構成となっている。第123回直木賞受賞作品。(2012/9/9) | ||||
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セブ・シティからバスで1時間くらい。大きな教会と市場があり,「ちょっと栄えている田舎町」という感じ。闘鶏場は(たぶん)ありませんでした。ビリー・ジョーやドクトル・ナカノはいないけど,ペドロ・ビガイならいるような感じ。セブからは案外簡単に行けるので,船戸ファンの方は機会があればどうぞ。 | ||||
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船戸作品を読むと、どんどん先が読みたくなり、時間がたつのを忘れてしまいます。この虹の谷の五月もそんな作品でした。ゆっくりとしたペースで始まったストーリーが、中盤以降怒涛のスピード感で一気に読ませてしまいます。今のところ、船戸作品にはずれ無し。全作品を制覇するつもりです。 | ||||
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雨期には空に丸い虹が浮かぶという、虹の谷。 そこには一人、ゲリラとして社会と戦い続けている戦士がいた…。 主人公であるトシオは、フィリピン・ガルソボンガ地区に住む13歳の少年である。両親もなく、祖父と二人、軍鶏を育てることで生計を立て、その仕事に情熱を注いでいる素朴な少年だ。 その村で、トシオが特別である点はただ一つ。村から続く「虹の谷」へと至る道をただ一人知っているということ。そのためにトシオは、虹の谷で起こる様々な、欲望と血が流れる出来事へと巻き込まれていってしまう。 段々と歪み変わっていく村のなかで、虹の谷に住む戦士・ホセへの影響を受けながらも、出来事を通してトシオは子供から、大人へと成長していく。 誇りと希望を。15歳になったトシオの胸には、しっかりと、一人の男としての生き方が刻まれたのだ。 徹底した取材を元として、フィリピンの混迷した時代を背景に、そこで暮らす人々の生活感、人間臭さまでをもしっかりと描いたリアリティー溢れる描写。 理不尽で容赦ない時代の中で、トシオの成長が実に見事に表現された冒険小説でした。 直木賞受賞作。 | ||||
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