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館島
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館島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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所謂本格ユーモアミステリーの高名な作家だが、「謎解きはディナーの後で」のような軽妙な感じとは全く異なって、読みごたえがある。瀬戸内の孤島の奇妙な形の別荘で起こる連続(?)殺人事件。どうしてこんな奇妙な形なのか。スキャンダルがあるのか。遺産相続と関係があるのか。 壮大な物理トリック。真相は思いもよらない方向へ。最後にまたひとつ驚きが。瀬戸大橋ができる前の事件なので、そのつもりで。とにかく一度読むことをお勧めする。 | ||||
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かなり初期の作品ですが、その分 【本格トリック】が施されてていて 面白い。しかも話の中で十分に伏線も 生きていて、思わずニンマリしてしまう。 私は最初から、あれじゃん、あれだよね? そうだよね。と自問自答してました。 パラグライダーが出てくる意味は 気がつきませんでしたが。 とにかく面白いのでおすすめです。 | ||||
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少し前に出た「仕掛島」を読むにあたり、久しぶりに読み返したのですが、やっぱり面白くて一気読みしてしまった。 最初に手にしたとき、この作者の作品は、古い映画の題名をもじったような洒落た題名という印象があったので、「館島」という素っ気ない題名から、初期の頃に書かれたコメディ路線ではない本格かと想像したのですが、中身はしっかりコメディ路線の本格。 奇想天外なトリックを軸にしながら、登場人物の行動を上手く当てはめて張られた伏線が最後に回収されていく様は見事というしかなく、なんといっても、登場人物のボケのなかにまで伏線が張られているところが全く油断ならないです。 コメディ仕立てなので、登場人物のやや誇張された性格や行動をついつい見過ごしてしまうというところを逆手に取られました。 | ||||
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ユキト・アヤツジさんの館シリーズを、 シリアススタンダードファンタジー(真犯人の動機はリアリティ)とします。 するとこっちはコメディマイナー(そしてある種の)リアリティ。 ただこっちは真犯人の動機が非道い。 嫉妬で目が曇ってたとはいえ、 被害者をちゃんと見てれば、 互いの想い人がかぶらない事くらい、 真犯人くらい頭働くならわかったと思う。 真犯人の観察眼(それゆえの動機)は、強引で説得力不足。 でもそこ以外は概ね好きです。 館シリーズって真面目だけど肩こる一面もあるかと。 あと時代性が少しわかりにくい。 こっちは憎いくらいに「その」舞台の時事イベントに絡めてきますね、 後出しの分を差し引いても。 現実と幻想の境界を旅したいならユキトさんの館系、 ギャグと現実の狭間で笑いを求めるならこっち。 | ||||
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綾辻行人氏の館シリーズへのオマージュ。 80年代が舞台なので、携帯電話があるとストーリーが成り立たないのかな、と最初に思いましたがそうではなく、当時の出来事がうまく絡んでいます。伏線もうまく効いています。 終盤、探偵の推理が急に冴えるところ、ギャグが古典的なのでそれほど笑えないところ、19歳が当たり前のように飲酒しているところがいまいちですが、よほど生真面目なミステリファンでなければ読んでほしい。 | ||||
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面白いし、血なまぐさい殺人だけでなく、人間らしいばかばかしさを感じられる会話もあり 若い読者でも楽しめると感じました。 ライトノベルに近いかもしれません、いい意味で。 ただ、肝心のなぞ解きに関してですが、少しわかりづらさを感じました。 推理探偵「マンガ」ならば図やイラスト、日程表があり、わかりやすいのですが。 | ||||
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東川氏が東京創元社から出した館ものミステリーの長編作品で、いつもの光文社などから出している作品と比べるとギャグ風味は抑えめである。 80年代を舞台に瀬戸内海の島に建つ奇妙な館を舞台にした奇妙な墜落死事件をモチーフにした本格ミステリーとなっている。 伏線も巧に張られており、時代背景も意味があるが、館のメイントリックは読む人によってはバカバカしく感じてしまうもろ刃の剣的な大トリックだが、個人的には先例に島田荘司の斜め屋敷の殺人もあり、これはこれで十分アリなのではないかと思う。 著者がストレートに館ものに挑んだ意欲作として評価したい。 | ||||
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烏賊川市のシリーズにつづいて横島です。この地名からの想像どおり、孤島の建築の中で起きた事件を解決にやってきた女探偵と刑事の丁々発止は笑えます。 館に滞在する人間たちの人物関係はかなりわかりやすいものですが、密室的なこの孤島の六角形の館の中で、さらに不可能殺人が・・・ 東川作品ならではの物理トリックの大わざが仕掛けられています。 これはすごいです。 作中に綾辻行人の『十角館の殺人』は1987年なので、まだこの時点では書かれていなかった、と言及があるように、館ものの大作家に正面から挑んだミステリで、謎解きの快感は、この著者の作品中随一ではないかと思います。 螺旋階段のからんだ建物なら、篠田真由美の建築探偵のシリーズにもありますし、螺旋の形状自体もふしぎでまがまがしいものですが、この『館島』の建物の謎は、脳内映像に焼き付いて離れなくなるとともに、しかも島にかかる瀬戸大橋という、さらに大きなパースペクティブまでにらんだものだったというおまけまでついて、天才建築家の野望に胸を打たれました。 建築に興味のある読者なら必読、また今回はユーモアが薄めになっているぶん、本格の重厚な味わいが楽しめます。東川作品の物理トリックは、読者の脳内映像定着力が強烈で、現時点でほぼすべての作品を読んだわたしとしては、今後ともこの異能の作家から離れられないだろうと思います。 | ||||
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巨大な螺旋階段の下に倒れていた当主の死因は、転落死ではなく墜落死だった!? 天才建築家・十文字和臣の突然の死から半年が過ぎ、未亡人の意向により死の舞台となった異形の別荘にふたたび事件関係者が集められたとき、新たに連続殺人が勃発する。 嵐が警察の到着を阻むなか、館に滞在していた女探偵と若手刑事は敢然と謎に立ち向かう! 東川篤哉作品は初めてだった。 奇抜な仕掛けに現実の地名や出来事がリンクされ読みやすかった。 登場人物は少なくないが、皆個性的で覚えやすい。 映像が頭に浮かび、探偵と刑事の掛け合いは小気味よい。 | ||||
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このレビューを書いている2011年4月現在、連作ミステリ短編集がベストセラー入りしている著者が2005年に発表した長編本格ミステリ。 1980年代の岡山。 瀬戸内海に浮かぶ横島には、天才建築家十文字和臣の建てた六角形の4階建ての別荘が建っていたが、この建物内部の螺旋階段の1階踊り場で、建築家自身が死亡しているのが発見された。 当初階段からの転落死と思われた死体は、3階以上の高さからの墜落死と判明。 墜落現場は発見できず、事件は迷宮入りの様相を呈していた。 半年後、康子夫人の発案で、事件の関係者が別荘に集められたが、その夜、新たな事件が発生した…。 私は「ユーモアミステリを作風として全面に押し出している作家」に久々に出逢った気がします。 1976年に赤川次郎が「幽霊列車」でデビューした当初、評論家は日本には珍しいユーモアミステリの書き手と評しましたが、実際、その後、「作品によってユーモアミステリを書く作家」はいましたが、「作風として全面に押し出している作家」はあまり見かけなかったように思います。 著者は2002年のデビューとのことですが、久しぶりにユーモアミステリの書き手が脚光を浴びているということなのでしょう。 本書巻末の本文庫の宣伝ページには、「天藤真」の著作がずらり。 天藤真は赤川次郎以前に活躍した、我が国のユーモアミステリの草分け的存在で、出版社としても、彼の系譜を継ぐ者として売り込もうとしているのが分かります。 ユーモアミステリはともすると、「軽い」と敬遠されがちですが、本書を読む限り、筆が滑りすぎることなく、絶妙なバランスの文章になっていると見受けられました。 また、この作品には、かなり奇想天外な仕掛けが施されていますが、このような軽妙なタッチの作風でなければ、活かしきれないもののように思われます。 その意味でも、作品全体とマッチした作風が成功した良作と言えるのではないかと思います。 | ||||
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初めコテコテの館物を読みたくなり、ネットで情報を集めていたのにタイトルのせいもあるんですが、なぜかこの本にたどり着いてしまいました。 ユーモアがある。でも本格。という感想をきいて中途半端な作品なのではないかとおもい読みはじめたのですが、とんでもないです。 ミステリとしての完成度は高いし、それなのに読んでて声をだして笑ってしまうシーンもあり、とても読みやすい。こんな小説を呼んだのは初めてでした。 結構大胆な、人によっては無理があるとおもうかも知れないトリックには、好みがあるとおもいますが、ぼく的にはOKでした。 まあ、固くるしいミステリばかりよんでる人の息抜きにいかがでしょうか。 この作者にハマってしまって、コテコテに戻れなくなるかもしれませんが(笑)かく言うぼくもハマりそうです。 | ||||
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東川篤哉初挑戦でしたが、色々と楽しめる良い作品でした。 普通にギャグで笑わせてもらいました。 スラップステックなだけではなく、トリックもまずまず見事。 「十角館の殺人」や「斜め屋敷の犯罪」風な雰囲気を持ち ながらも、笑わせるだけしっかり笑わせ、伏線もきっちり回収 しながらトリックを決めるバランスが、非常にうまいです。 トリックは好みが分かれると思いますが、ユーモアミステリー が好きな方ならお勧めです。 | ||||
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2005年に出た単行本の文庫。 独特のユーモア・ミステリである。癖のある登場人物と、コミカルな会話と展開。楽しく読み進めることの出来る一冊であった。そして訪れる驚愕の真相。人を食ったというか、馬鹿馬鹿しいというか、良くこんなことを考えついたものだと感心させられる。 解決部分があっさりしすぎて弱いのが不満だが、それでも、このトリックだけで読む価値はあるだろう。 | ||||
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ユーモア・ミステリ仕立てで「孤島の館」ものに挑んだ意欲作。「孤島」と本格的な「館」を両方織り込んでいる点が凄い。トボけた味と奇想天外なトリックで読ませる。 天才建築家で会社社長の十文字が瀬戸内海の横島に建てた六角館。その六角館の螺旋階段で十文字が墜落死(転落死ではない)していたと言うのが発端。島には六角館より高い建物はないのに、六角館の周辺に墜落死跡がないのが最初の謎。半年後、未亡人の康子は事件関係者を館に集める。十文字の息子三人は異父母兄弟で、勿論仲が悪い。会社の跡目争い。そして、十文字家の縁の淑江夫人の美貌の娘、奈々子を狙う男達。動機に満ち溢れている。典型的なパターンである。本来なら緊張感が溢れる所だが、探偵役を務める刑事の相馬と飲んだくれの女探偵沙樹が漫才コンビのようで、むしろ笑いに包まれる。この二人の掛け合いで物語が進んで行くのだが、嵐によって島が孤立する中、「ユダの窓」を思わせる密室殺人、十文字と同様な墜落死事件と不可能犯罪が続く。だが、奈々子と沙樹の両方を狙う相馬の迷走で読者に的を絞らせない。ユーモアでトリックを包んでしまう手法が巧み。本当に事件は解けるのか...。 メイン・トリックは、「そりゃ〜ないだろう」と言うものだし(本作のムードには合っているが)、結末で沙樹が突然、名探偵に変身するのは唐突の感があるが、冒頭からちゃんと伏線を張ってある点が見事。社会問題を意外な形でトリックと結び付けている点も買える。二番目の事件を他の事件と同じ手法で解決している点も美しい。「孤島の館」ものをユーモア溢れる筆致で描いた楽しい作品。 | ||||
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六角形の四階建てで屋上にドーム型の展望室があり、 中心に巨大な螺旋階段を配した建物――。 この情報だけからでも、直感的に舞台となる建物に施された 大仕掛けに気づく人は結構いるのではないかと思います。 しかし、本作は大トリック一発勝負といった大味のものでは決してありません。 ベタなスラップスティックコメディと若干下世話な会話のなかに 巧妙に伏線をまぎれこませ、それを周到に積み上げていくことで、 論理のアクロバットを実現させる、まさに「端正な本格」といった 作風なのです。 特に、瀬戸大橋架設に係る土地売買の疑惑といった社会派ネタの挿入の仕方や、 意外性十分な建築家の設計意図などには舌を巻きました。 また、本作でキーワードとなるのが、「80年代」と「岡山」。 せわしい現代と比べ、のどかで牧歌的な「80年代」の雰囲気は時間の流れも ゆったりとしていて、なんだか和みます(殺人が起こるのに……w) 「岡山」を舞台にしているのもジモティーとしては、なんだか面映くもあるのですが、 知っている地名やローカルな店名が出てくると、思わずニヤリとしてしまいます。 「岡山」を舞台にしたミステリというと、なんといっても巨匠・大横溝がいるわけですが、 著者には是非ともその衣鉢を継いで、〈岡山〉ものを書き続けてもらいたいですね。 作風は真逆かもしれませんがw ▼関連書籍 ・〈速水三兄妹〉シリーズ(我孫子武丸)…スラップスティックな雰囲気が似ています。 ・『十角館の殺人』(綾辻行人)…本作は、この作品へのオマージュ(メイントリックは対照的)。 | ||||
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久々に、大満足しました! あえて小さな瑕を探すなら「この動機はどうなのよ!」って感じではありますが(笑) 真相が明らかになる場面では久々に快哉の声を上げました。実に良質なミステリです。 すでにアイディアは出し尽くされたと思われる館物で一体どんな新味を出してくるかと思いきや 予想以上の斬新さ、期待以上の楽しさ。いろんな事項に必然性があってとても読後感がいいです。まだまだアイディアってのはあるんだなあと感心しきりです。 活発で勝気な美人とおっとりして天然のお嬢様、ってどこかで見たなという気はしないでもないのですが(笑)楽しいので不問とします。 この軽やかな持ち味、これからもなくさないでほしいなあ。 | ||||
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登場人物のキャラクター、ユーモア感、伏線の張り方、すべてが満足できた。 そして、舞台設定が凄い。 現場と時代背景が見事に結合していて感嘆した。 トリックについても、テレビ朝日であの「トリック」のスペシャル版でやれば大うけ間違いないと思う。 CGを幾ら使ってもいいから、ぜひ映像化を望みたくなる作品である。 | ||||
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ミステリフロンティアの作品で、これで東川さんの作品に入った人も結構いらっしゃるみたいで、ミステリフロンティア恐るべし。カッパノベルスとの購買層の違いを感じます。 版元が違い、「烏賊川市」のキャラクター陣は出ないとはいえ、いつもの東川さんの作品で嬉しいです。特に今回は岡山が舞台なので、岡山出身としては楽しくなってしまいます。下津井とか天満屋とか。それだけでプラス1点。 やっぱり「烏賊川市」の方がキャラが確立されていていいかな。これも何作かあるといいのだけれど、もう少し面白くなる印象です。動機もそれはちょっと・・・と思ってしまいました。 しかし、トリックは驚きです。ばかばかしいですが、ちゃんと意味をもたせているし、意味とトリックが融合している様は感動的です。実際に瀬戸大橋をよく見ている身としては、(しかも出来るときには凄い盛り上がった)、胸に訴えかけますね。 この作品と「交換殺人」で東川さんはブレイクする・・・はず。 | ||||
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(;'Д`)ハァハァ この人はキャラが上手い・・・と思うな・・・。しかし・・・あの刑事といい女探偵といい、大金持ちのお嬢様といいどっかで見たやうな気がする・・・性格とキャラなんだが(笑)まあそれも好感が持てるので良しとしやう・・・。トリックもまあ・・・驚くべきところではある・・・。館島っていうくらいだし・・・何かあるってのは推察できるだらう・・・。その大仕掛けのトリックに気づいたときは驚きを隠せないだらう・・・。読みやすいので・・・是非とも・・・読書に勤しんでくださいな | ||||
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陸の孤島に、館、一族、そんな昔なじみの材料でどれだけ新鮮なものが書けるって言うんだ?そんな読む前に抱いた疑問など、読後にはすっかりを忘れさせてくれるユーモアと素朴な斬新さを詰め込んだ一冊になっています。時にビールを交え、時にブランデーも、コーヒーリキュールも交え、時に男女の攻防へ流れを変えて、女探偵と休暇中の刑事の謎解きは、ドタバタとした世界観の中で確実になされてゆく。時代背景が、なぜあえて、あの時代が選ばれているのか。それは読んでからでなくては分からない。一文一文を考えながら、そして大いに笑いながら読んで欲しい。最後にトリックが明かされたとき、なんともいえない爽快感と、古びた材料の中に見つけた新しさ、『やられたな!!』という心地よい悔しさを一挙に味あわせてくれる。そんな一冊を、趣味のひと時に加えてみては如何でしょうか? | ||||
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