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エンジェルエンジェルエンジェル
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エンジェルエンジェルエンジェルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
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コウコを視点とした現代の話と、おばあちゃんを視点とした昔の話が見事に絡み合っています。 また、熱帯魚が住む小さな世界と、実際の世界も絡み合っています。 色々なものが重なり合っていて、巧みに話が展開されていきます。 優等生で自分の心を素直に出すことができないコウコとおばあちゃんの触れ合いが、優しくもあり不思議でもあります。 昔、後ろめたい思い出があるおばあちゃんに、コウコがしてあげられたこと、 心に癒しを必要とするコウコにおばあちゃんがしてくれたこと。 それらは、意識してしたのではないけど、良い結果をもたらしたと思います。 幻想的で、優しい話です。ぜひ一度読んでください。 | ||||
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つい人の顔色をうかがってしまうコウコ。口をついて出てくる言葉といえば「自分の思い」ではなくて、「相手が望んでいる答え」なのだ。そんな自分に嫌気がさしているコウコは情緒不安定である。これはそんなコウコと、お婆ちゃんとの短い触れ合いの物語だ。いつも2人の間にあるのは大きな水槽。熱帯魚たちの住む小宇宙。そこにはそこでしか通用しない秩序がある。息を詰めてその世界を見守っているコウコとおばあちゃん。ある時気づく。私達の世界もこうして見られているのでは?心を痛めて見つめている人がいるのでは?と。 | ||||
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神様と悪魔、現在と過去、おばあさんと少女、などいくつもの対比をしながら静かに進む幻想的物語。エンジェルは魚の名前なのか、天使の意味か、それともおばあちゃんの若い頃のことを意味しているのかだろうか。パステルカラー調の表紙もいい。 | ||||
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とにかく中編で”落涙”と”ファンタジー”と”おばあちゃん”というキーワードで泣かせることに関してはこの梨木著作がナンバーワンである。同調と同期が見事に昇華させたファンタジー作品でもある。読進が停まれない。必読。必泣。傑作。 | ||||
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ある日、水槽の中の熱帯魚たちの世界で、恐ろしい出来事が起こってしまいます。コウコはその悪魔のような残虐性をおそれ、軽蔑しますが・・・ほんとうは彼らも、自らの行動を止める方法を必死に探して苦しんでいたのかもしれない。「創造主である神さまは、『悪魔』のことを本当はどう思っておられるのだろう?」静かに心の奥底に響く物語です。 | ||||
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梨木作品の中ではかなり分量・深みとも少なく感じてしまう作品。全てを語り尽くすのではなく、行間を探らせたり、情景描写から読者なりの読み方をできるのは確かに梨木作品のウリではありますが、今回は物足りなさを感じてしまった。解説にある通り、ハードカバーで読めばまた違う感想を得たのかも知れないが、文庫化する以上、その制限の中でも読者に対して最良の作品となるように仕掛けるのが作者および出版社に期待されることではないだろうか。今回の評価は「2寄りの3」が正直なところ。 | ||||
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コウコとおばあちゃんの、魂の二重奏です。題名に三つも使われている“エンジェル”がキーワードとして、作品の中で至るところにしかけられているのは、いかにも梨木さんらしい手法ですね。孫娘のコウコという名前にしても、読むうちに、ああ、おばあちゃんの「話」と絡んでくるんだ・・・と納得。夜中のトイレを、母に代わって担当するようになったコウコ(それによって、望んでいた熱帯魚を飼うことを許された)と、どうやら水槽のモーター音によって、覚醒されるらしいおばあちゃんの若き日の想い。あこがれと勘違いと、押さえきれない友へのマイナス感情。これらは、読者に向けて語られるもので、コウコには直接語られはしないところが救いです。おばあちゃんの断ち切れない、友への後ろめたさが、ういういしく胸を打ちます。水槽の熱帯魚の様子がおかしくなり始めたところも、作品の行方を暗示していて、うまいですね。さわちゃん(おばあちゃんのこと)、コウちゃんとして語り合う二人を、コウコがちゃんと受け止めているのが、とってもいいです。おばあちゃんは、どうしても自分の持った感情を、吐露して清めずにはいられなかったんだね。そうすることによって、魂の精算が行われることは知らないで・・・。最後、そうしないで長生きしてよ!と祈っている私の思いとは裏腹に・・・。水槽を乗せていたテーブルの引き出しの奥から出てきた木彫りの天使。図らずも、おばあちゃんのあずかり知らぬところで、全てがコウコに届くようになってるとは!!読み手冥利に尽きました。 | ||||
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不安定な気持ちを落ち着かせるために、熱帯魚を飼い始めた私。なんだかちょっと惚けたようになって、孫の私のことも忘れてしまったばあちゃん。そんなふたりの気持ちがいつしか不思議にシンクロし始めて、別々の時間が寄り添うように結ばれて行く物語……かな?奇数章が現代仮名遣いで、偶数章が旧仮名遣いで記されています。なんでも単行本では、「普通の黒色の活字とセピア色の活字とを使い分けるという趣向」だったんだそうな。この文庫版でも同じ趣向で印字して欲しかった、そのために値段がちょっと高めになってもと、そう思いました。そういう風に文字の色合いを変えて記載したほうが、作品の趣向としてより効果的だったろうと感じたからです。ばあちゃんが心に抱えてきた自責の念、その深かったことに、と胸を衝かれました。もはやどうしようもないことかもしれないけれど、自分の心に潜んでいた悪魔をぬぐい去りたい、何か許しのようなものを得て心の傷を癒したい、ばあちゃんのそんな思いを感じて切なくなりました。最終章では、あとちょっとで涙が出てくるところでした。しみじみと胸に広がり、染みてくるような話の調べ。いい作品ですね。読み終えて、しんと心に満ちてくるものがありました。 | ||||
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ふと、偶然手にした本ですが、レビューが書きたくなるほどお薦めです。 | ||||
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以前ハードカバーで出版されたときにこの本を購入したのですが、非常に凝った面白いつくりかたになっていて感心しました。詳しくは語りませんが、お話の形式が非常にわかりやすく読み手に伝わるような編集になっていたのです。文庫本になっているのをみて、そのへんはどうなったのだろうと思い手にとってみたら、案の定そういう作りはなくなっていました。ちょっと残念な気はしたのですが、以前より地味にはなったもののとてもさりげなくて、ある意味これでこそ梨木さんの本だなーという感じがしました。あからさまに物語の形式を主張するのではなく、読み進むうちに「ん」と気づくような・・・・もともとこの物語にはそんな形が相応しかったのかもしれません。なんにせよ、文庫本化ばんざいです(笑) | ||||
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少し呆けて、トイレに行くのにも人の手を煩わせるようになってしまった祖母の世話に疲れた母の代わりに、宵っぱりの娘コウコは、熱帯魚を飼う代わりにほんの少しだけ祖母の世話をすることになる。だけど、母の前ではぼうっとしているようにしか見えなかった祖母は、コウコの前ではお喋りな娘さんのようになるのだ……。コウコの話と、祖母さわちゃんの娘時代の話が交互に重ねあわされ、こんな短い話のなかに、祖母がずっとこだわってきた出来事が織り込まれてきていて、決して複雑なことは書いてないはずなのに、なんともいえない広がりと深みを感じます。登場人物が知ることの出来ない事実のつながりを読者だけが知っていることの疚しさを、こんなにも強く感じたのは初めてです(いつもは、逆に気持ち好く愉しいものなのに) | ||||
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コウコとさわちゃん(ばあちゃん)、二人の中にあるそれぞれの世界が重なって、不思議な感覚になるお話です。夜は二人の時間で、その間だけさわちゃんは覚醒します。さわちゃんの昔話と現在が同時進行して行き最後にはすべてが繋がります。ぜひ読んでみて下さい。 | ||||
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この本でまず面白いのは、ばあちゃん(さわちゃん)とコウコの話が字の色を変えてあるということです。これで2つの世界が自分のなかで分けれます。それから、なにより面白いのは最後にすべてが繋がるということです。ここらへんの不思議さが梨木さんらしいなと思います。とにかく一度読んでみて下さい、自分の中の神と悪魔に気付くはずです。 | ||||
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