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エンジェルエンジェルエンジェル
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エンジェルエンジェルエンジェルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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エンゼルフィッシュと天使と悪魔 聖書 教会 さわちゃんとコウちゃん ラストが違うーとレビューでみたので、単行本と文庫本、両方読みました。 文庫のほうがもちろん後に出版されているので、ラストは文庫のほうに作者の意図があらわれているのかもしれません。 ですが、私自身は、単行本のラスト2ページで赦された感じがしました。 そんな余韻が残る作品でした。 | ||||
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「エンジェル」をキーワードに、少女とおばあちゃんのそれぞれの交流を通して、時間と心が巧みに描かれている。現代語と文語(歴史的仮名遣い)の章を交互に編んだところが魅力的。おばあちゃんのエンジェルフィッシュへの行為に、一瞬、著者の他作品に見えた人の闇が想起されたけれど、本作ではそれほどの衝撃はなくホッとした。単行本と文庫本では最後が異なるとのことだけれど、どう違うのだろう。 女性が主人公になるお話では『西の魔女が死んだ』と並んでのお気に入りとなり、何度も読み返したい。可愛らしい木彫りの天使のチャームが欲しくなった。 | ||||
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本当に数時間で読めてしまう短編です。 ですが、読後感としてはもっと長い小説を読んだ後のような深い感慨が残りました。 後書きに「からくり箱のようなお話」といった記述がある通り、あちらこちらに仕掛けが組み込まれ、とても周到によく練られています。 「からくりからくさ」や「りかさん」と同じ系統の物語ですが、 「エンジェルエンジェルエンジェル」では、字体や装丁だけでなく、隅々まで気の行き届いた文章で、本当に完成度が高い作品だと思います。 寝たきりのお祖母さんの少女時代と、現代の少女であるコウコが同時並行的に編み込まれた時点で、何も起こっていないのにも関わらず、私は号泣でした。 ひとは誰しも必ず歳を取る。 そして、お爺さんお祖母さんにも、 そして父母にも、周りの大先輩方にも、少年少女時代は必ずあったのだということ。 そして、私もいつかは必ずお祖母さんになる。 当たり前だけれども、すぐに忘れてしまう、 でも、周りの人を尊重するために、おそらく、とても大切であろうことを思い出しました。 いろいろな切り口で読める作品です。 人におすすめしたくなる本だと思います。 | ||||
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小学生の孫が梨木香歩さんの「西の魔女は死んだ」を読んでもっと読みたいと言うので、梨木香歩さんの全シリーズをプレゼントしました。 | ||||
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読んで損はしないと思います。1人の少女がおばあちゃんの介護と熱帯魚の飼育を通して様々な経験をします。それと同時進行でおばあちゃんの子供時代がよみがえり最後には、意外なところできれいに話がまとまる・・・おすすめの一冊です。 | ||||
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エンゼルフィシュ、ネオンテトラ、天使、おばあちゃん。 出てくるキーワードは、優しいイメージのものが多いのになぜか優しさだけではないものを感じます。 おばあちゃんの深夜のトイレ当番中に二人だけのときに顔をのぞかせるおばあちゃんの少女時代のかーこ。 かーことさわこの会話にときどきちらつく切なく、暗い陰の部分。 淡々と描く短い作品の中に深い陰影のようなものを感じます。 決してエンジェルではない人間の悪魔的な要素など、深く洞察すればするほど考えさせられるところがある作品でした。 | ||||
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子供のころの思い出。 祖母のこと。 祖父のこと。 誰しも心の中に持っている懐かしい実家のにおい。 記憶を思い出させてくれるあたたかな作品。 | ||||
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優等生でついつい人に合わせすぎてしまうくせがあり、学校からかえるとバタリと眠り込んで しまって、起きてご飯を食べたり勉強したりは深夜の二時三時・・・という主人公のコウコの 毎日が「ああ、わかるわかる」とうなずけた。年代的には反抗期であってあたりまえなのに 外には出さず、夜の暗さの中に逃げ込む場所を見つける、その背景には「いいおかあさん」 のコワさもあり、そこらへんもうまく匂わせていると思った。 エンジェルフィッシュを暗喩として人の心のダークサイドを描いてはいるが、年齢による衰え から女学生に戻ってしまった祖母と共有する夜の時間には不思議に優しさを感じ、安らげる。 コウコとさわの二人に語らせたところといい、救いのある終わらせ方といい、申し分ない。 読むことの幸せを感じる一冊。 | ||||
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三世代の女性達、祖母−母−娘を軸にしてまわる物語である。 母を飛び越えて、コウコの物語と、祖母の物語と、二つの時間の交流が始まる。 愛したことも、憎んだことも、ぽろぽろと失われ、過去に封じられていく経験。記憶。歴史。 二人の娘たちの過去と未来において、悔やまれたことが赦されていく。 奥底に隠れて眠る天使にどれだけ気持ちが動かされたか、言葉にできないほど揺り動かされた。 小説の中で流れる緊張と緩和の一瞬を味わってもらいたい。素晴らしい体験だった。 | ||||
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誰もが痛みを抱えて生きている。悟りでも開いていない限り、どんなに幸せそうにに見える人でも心の奥のどこかには傷がある。 この本を読むと、その傷についての深い意味を教えられる。僕らが個人的なものだと思っている心の傷や痛みは、他の人の痛みともつながっているのだ。自分が抱えている痛みは、家族の誰かの心の痛みが伝播したものなのかもしれない。他人の痛みを受けとめてあげることで、知らず知らずに自分の痛みにも優しくしている。自分の心の傷を癒すことで、他の人をも癒している。痛みと向き合っていくことで、「実は僕らは世代を越えてつながっている」という事実にたどり着ける可能性は広がる。 字義通りに解釈すれば、善悪がはっきりしているように思える旧約聖書の世界。その教えに従って、自分が善になろうとすれば、他人に悪を押し付け、自分の中の悪を否定し続けなければならなくなる。もしくは、善があまりにも自分からは遠い理想と感じられ、自分に近く感じられる悪を一生背負って生きてゆくことになる。梨木さんは、この旧約聖書の世界の次元を乗り越える必要性を物語る。善悪の二元論を越えるために、まずは僕らが「悪」とみなしていることの中に癒しの種を発見してゆくことが肝要だというメッセージがこの本からは伝わってくる。 心の痛みに重荷を感じている人、自分の中に存在する否定しがたい「悪」について思い悩んでいる全ての人にこの本をお勧めしたい。 | ||||
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主人公とさわこおばあちゃんの一人称で綴られた物語が、交互に出てきます。天使と悪魔、神が悪魔のことをどう思っていたのか、というのが主題になっています。私がおもしろいと思ったのは、エンゼルフィッシュとさわこおばあちゃんが、テトラフィッシュとコウちゃんが重なっていることですね。それゆえにおばあちゃんは自分の少女時代のことを思い出したのでしょうし。"悪魔"的な立場にあるエンゼルフィッシュに"エンゼル=天使"の名が冠されているのがまた皮肉に思えて仕方ありません。 筋書きとは全く別のところで、おばあちゃんの一人称で綴られている部分の文体が好きです。旧字体をふんだんにつかい、「っ」が「つ」だったりと、古めかしい文体なのです。フォントも旧字体が使われていますし、まるで明治時代の小説を読んでいるかのよう。文字からセピアな香りが漂っていました。古めかしさ、結構好きなんですよね。 | ||||
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本書は文庫本一冊の体をとっているが、実質的には小説雑誌の一篇の読み切り程度の短編だ。 しかし、その内容たるや、複雑に交錯し、しかも有機的な比喩の連続なのには驚く。 コーヒー、エンゼルフィッシュ、ネオンテトラ、その他諸々は、象徴的な意味を持っている。 何が何を比喩しているのかという事を読む事も、この作品の醍醐味だ。 文章も美しく、現代仮名遣いと、旧仮名遣いが複雑に使い分けられる。 攻撃的な場面もあるにはあるが、全体的に穏和な作品。 癒し系だ。 | ||||
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ばあちゃんの時間とばばちゃまの時間が、オーロラのように重なり合って、不思議な世界が描かれます。不思議で幻想的なのに、とってもリアリズム。それは物語のテーマが、人のこころだから、天使でもあり悪魔でもある人のこころだからでしょう。神様が「私が悪かったねぇ」と言ってくれたら、気が納まるよねぇ…というくだり、しんみりと私の心をさすってくれるようでした。細やかな心配りで丁寧に紡がれてきたお話が、最後の仕上げ部分で、急にきめが粗くなったようなところが、ちょっと残念でした。 | ||||
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刺々しい言葉を使うわけでもなく、特別華美な言葉を使うこともしないのに、梨木さんは、いつも人間の醜さ、美しさを鋭く描いている。悪い人間が、でてくるわけではない。普通の人間のなかにある、「悪」の部分を梨木さんは描ききる。だから、今まで誰にも見せられなかった自分の奥底の感情に引き寄せて、彼女の本を読むことができる。 現代を生きるユウコと祖母の少女の頃の話が交互に出てくる所が面白い。現在と過去との時間の紡ぎあいに、他の作家には決して織り成すことができない彼女独自の手法が使われているように思う。 古い昔話に通じるような、神秘的な部分も含んでいてそういう部分も私は、気に入っている。 「生きることとは」と高々に叫び、読者に問うような場面はなくて、物語全体は淡々と進んでいくのだけれど、究極的には「生きる」ということを深く深く考えさせてくれる本。 | ||||
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表紙やタイトルからの印象では西洋の童話のようなお話かと思いきや、とても日本的なお話です。ばあちゃんのお世話をする孫であるコウコとそのばあちゃんがさわちゃんと呼ばれた少女のころのお話です。それぞれのお話が最初はつながっていないように見えますが、それぞれの章で1つずつ何かしらの布石をおいていきます。それがだんだんつながっていって、最後にはとっても素敵なものが完成します。時代を超えたお話の接着剤は熱帯魚であるエンゼルフィッシュ。このエンゼルフィッシュは憎たらしい存在なのに、最後にはとてもいとおしくさえ感じます。このお話全体に天使がちりばめられていて、最後まで読むとタイトルの意味がとっても深く感じられます。 最後にコウちゃんにゆるしてもらえてさわちゃんはしあわせだったんじゃないかな。 | ||||
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それまで母がやっていた、寝たきりのおばあちゃんの夜のトイレ係をする代わりに、熱帯魚を飼うことを許されたコウコ。しかし、その夜から、なぜかおばあちゃんはコウコの前では活き活きと話をするようになる。自分のことをさわちゃんと呼ぶおばあちゃんとコウコの、不思議な関係。 祖母と孫であり、友達であり、姉妹。 現在と過去を行き来するストーリーの中で、心のもやもやを抱えながら、考え、悩み、傷つくさわちゃんとコウコに、私自身も考えさせられ、癒され、涙した一冊。 | ||||
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コウコを視点とした現代の話と、おばあちゃんを視点とした昔の話が見事に絡み合っています。 また、熱帯魚が住む小さな世界と、実際の世界も絡み合っています。 色々なものが重なり合っていて、巧みに話が展開されていきます。 優等生で自分の心を素直に出すことができないコウコとおばあちゃんの触れ合いが、優しくもあり不思議でもあります。 昔、後ろめたい思い出があるおばあちゃんに、コウコがしてあげられたこと、 心に癒しを必要とするコウコにおばあちゃんがしてくれたこと。 それらは、意識してしたのではないけど、良い結果をもたらしたと思います。 幻想的で、優しい話です。ぜひ一度読んでください。 | ||||
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神様と悪魔、現在と過去、おばあさんと少女、などいくつもの対比をしながら静かに進む幻想的物語。エンジェルは魚の名前なのか、天使の意味か、それともおばあちゃんの若い頃のことを意味しているのかだろうか。パステルカラー調の表紙もいい。 | ||||
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とにかく中編で”落涙”と”ファンタジー”と”おばあちゃん”というキーワードで泣かせることに関してはこの梨木著作がナンバーワンである。同調と同期が見事に昇華させたファンタジー作品でもある。読進が停まれない。必読。必泣。傑作。 | ||||
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ある日、水槽の中の熱帯魚たちの世界で、恐ろしい出来事が起こってしまいます。コウコはその悪魔のような残虐性をおそれ、軽蔑しますが・・・ほんとうは彼らも、自らの行動を止める方法を必死に探して苦しんでいたのかもしれない。「創造主である神さまは、『悪魔』のことを本当はどう思っておられるのだろう?」静かに心の奥底に響く物語です。 | ||||
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