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逃避行
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逃避行の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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平凡な主婦だった妙子。 家族に囲まれていても実態は孤独を感じていて、そんな彼女に寄り添ったのがゴールデンのポポ。 家族って何なんでしょうね。 誰も妙子に寄り添ってくれず、自分の都合を押し付けるばかり。 妙子がどう思うか、どうしようと思っているか、誰も気にしない。 家の中しか知らない彼女が取った思い切った行動です。 きっとこれで良かったんだろうな。 著者は犬が好きだし、実際にも飼っているんだろうと思います。 犬の老いがとてもリアルだから。 久しぶりにのめり込んでしまいました。 | ||||
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丁寧な梱包、本も綺麗でした。 ありがとうございました。 | ||||
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『ゴサインタン』『弥勒』などの篠田節子さんの他の作品とは性格が異なります。ごくふつうの主婦が愛犬とともに家を出て、さまざまなことを思い、さまざまな経験をするロードノベルです。それでも、後半のポポの変容や主人公の末路を見ると、やはり篠田さんの世界が貫かれていると実感します。安易に甘いロマンチシズムに溺れることなく、読者に現実を突きつける篠田さんの作風が私は大好きです。 | ||||
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愛犬ポポが、隣家の子どもをかみ殺した。世間のそしりから逃れるため、そして娘たち、夫の反応に失望し、ポポをともなって出奔した主婦妙子。彼女に救いは訪れるのか――。直木賞作家篠田節子による、「女性自身」連載の問題作。 | ||||
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本自体は結構前に発売されているものなので古い感じでしたが、読む分には全然大丈夫でした。小説は号泣しながら読み終えました! | ||||
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面白く読みました。 結末がそっちに行くとは。 坊ちゃん育ちの箱入り犬が野生化していく過程での彼女の「やりきれなさ」が刺さりました。 よくも悪くも彼女はとても善良で、はたから見ると大変にいたましいんだけど、彼女自身はさほどの痛ましさを身に感じてはいなかったんだと思いたい。 憐れみやいたましさを感じてしまっては失礼なキャラだと思った。 敬意を持ちたいキャラでした。 | ||||
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主人公妙子の愛犬ポポが隣家の子供を噛み殺し、家に押し掛けるマスコミと積み重なった家族への不満で、妙子はポポと共に脱出を決意する。 展開は早いので退屈することはないが、肝腎の文章に入り込むことができず緊張感は全く覚えることができなかった。 三人称の文体は作者には合わないんじゃないかと思う。 まだ一人称で描いたほうが、切実さが出そうだ。 それほど文字で表現したいという欲も実力も感じなかった。 ステレオタイプな登場人物はいい。 しかし、読んでよかったと感動するほどの世界を作者は構築できなかった。 それでも二つの星をつけたのは、破綻のない小説をとりあえず書いたな、という評価に他ならない。 あらすじに負けている。 | ||||
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何回読んでも、考えさせられます 自分も、大切な愛犬が居ますから 自分も、同じような事をするかもしれません | ||||
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<種(ねた)露見(バレ)注意> 恐怖小説、推理小説、冒険小説、いろいろな分野を飛び越えて活躍する篠田節子。 この本は、恐怖小説か、冒険小説かと思って読み進めた。 動物をかわいがらない家族、 家族の絆が薄れてしまった家族からの逃避行。 あぶなっかしい逃避行を助ける人々。 人の死の前に、踊る報道機関。 辛口の篠田節子の筆が快調。 最後になって、主人公の寿命の話が飛び出てくるとは。 これは推理小説だったのだ。 してやられた。 | ||||
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我が子同様の愛犬が燐家の子供を噛み殺す…。 ショッキングな事件から幕を開けた本作は、その裂け目から漏れ出す家庭の闇を、主人公の目に刻む形で浮き彫りにしていきます。 愛犬との出奔を余儀無く迫られる50代の主婦。専業主婦である彼女が持つ社会との接点は希薄で、子育てを終えた今は尚の事。ただただ愛犬の命を守りたいが故に家を出たものの、生き抜く術を持たない彼女、そんな主人公は却って愛犬に救われ、見知らぬ人々の多くの善意と何かしらの導きとによって終焉の地へと辿り着きます…。 これだけの間に、それまで軽視されて生きてきた主人公の成長が目覚ましいのです。逞しくも、しなやかに変貌を遂げます。 何も持たない筈の彼女の、何と美しいことか。何と力強いことか。 少しも惨めな話ではなく、彼女の生き方に圧倒されました。羨望の思いすら感じました。 最後に、愛犬家には堪らないお話です。必要以上に感情移入してしまい、胸が痛みました。犬の本質もしっかり描かれていました。 ともかく、お勧めの一品です。 | ||||
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囲って飼っていたゴールデンレトリバー犬を、柵を越えて来ては苛める隣家の問題児が、遂に鼻先で癇癪玉を破裂させ、驚いて噛み付きその子を死に至らしめる。 飼い方に問題はなく刑事責任は問われなかったが、隣家やマスコミによる非難、加えて処分しようとする主人や娘達家族に耐え切れず、主人公の主婦は全てを捨てて犬と共に逃げる。 元々レトリバーとしては大したものではなかったが、気に入って買っただけに、そこまでの決心となったのは、犬を愛する人にはよく分かる心情であろう。人を疑うことをしないけだもの好きの気持ちが伝わってくる。 認知症になり彷徨の末、近くの池に落ちて死んだ老女の家を、知らずに手に入れ住んだが、残された見事な菜園の黒豆に感動して、彼女が決して哀れな人生でなく、終の棲家としてここを定めたと感じ、自分にも出来ると希望を見出す。 短い期間に、人も犬も逞しく野生化していく様の描写は凄い。全体を通して篠田作品に共通するひたむきな主人公の気持ちが良く出ており気持ちがいい。 私もおとなしいレトリバー犬は飼いたいと思うが、餌や散歩、下の世話を考えると面倒になる。そして先立ってゆくのが一般でその悲しみ・・・。それだけに、それを超えてまで飼う人々の心情が良く伝わる作品だった。 | ||||
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ご都合主義的な部分はあるが、マンガやRPGのストーリーに比べれば、十分許容範囲内である。 主婦の家出といえば、アン・タイラーの『歳月のはしご』を思い浮かべるが、それに勝るとも劣らない、面白い読み物になっている(雰囲気や方向性は全く違うが)。 凡百の「犬と人間の感動ストーリー」とは違って、人間の弱さ、狡さ、たくましさ、優しさ、さらには老いの問題まで書き込んでいるのがいい。犬を飼うことの覚悟や、犬にとっての幸せを改めて考えさせてくれる本でもある。 ただ、一点ナンクセをつけると、なぜ隣の子供が残酷ないたずらをしかけてくるとわかっているのに、妙子は外飼いを続けたのであろうか。もし、子供のいたずらでポポが死んだりしてしまったら、どうするつもりだったのか。 さらに言うと、ポポが隣の子供をかみ殺したことも(もちろん子供が悪いのだが)、家飼いにしていれば防げたはずだ。 このことを全く反省しないのが、まぁオバサンである妙子の強みではあるのだが・・・。 | ||||
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隣の馬鹿息子(失礼!)をかみ殺してしまった愛犬の「ポポ」(ゴールデンレトリバー)と普通の主婦が世間の目を逃れて逃げるお話。 篠田作品としては小粒でした。 でも犬馬鹿な私はポポの気持ち、主婦の気持ちが痛いほどわかって涙が出ました。 ポポが悲しい目で主人公を見上げるその目や、雨にぬれて汚れた被毛や、そんな情景がありありと手にとるように浮かんでしまい心が痛みます。 ゴールデンの表現がとても細かくて正確。篠田節子は犬飼ってたっけ?と思いましたがどうでしょう? 凄く良くワンコの様子が描けています。どこかの書評で犬についての記述が多すぎてよくわからないと言うようなことが書いてあったけど、飼ってない人にとってはそうかも。 そもそもこの主婦の気持ちがわからないかも。でも私にはよくわかります。 読み終わってから愛犬ををひしと抱きしめて「アポロ〜。どこまでも一緒に逃げようね。地の果てまでいくからね」と言いました。 犬飼いの方なら読んだ後必ずそう言うこと間違いなし! | ||||
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篠田節子が描く男性像は「ゴサインタン」が典型的だが,概して情けない。本作の主人公・妙子の夫は,妙子の気持ちに配慮する優しさがなく,単に世間体だけを考えて行動するような人間だ。 対して,篠田節子が描く女性像は「女たちのジハード」が典型的だが,概して自立した強い人間だ。本作の主人公・妙子は,まさにその一人で,確かに隣家の子供を噛み殺しはしたが,別に罪があるわけではない飼い犬ポポを連れて家を出,たくましく生きようとする。 本作は,ペット(飼い犬)と飼い主との関係にスポットライトを当ててはいるが,篠田節子が本当に描きたかったのは,家庭のしがらみを捨てても逞しく生きていくことができる(はずの)力強い女性なのではなかろうか。現実はそんなに甘くないのでは・・・と批判したくなる面もなくはないが,力強く生きていく女性を応援したいという篠田節子の励ましは,男の私にも,何となく勇気を与えてくれるような気がして,読後感はさわやかだった。 | ||||
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逃避行をするのは犬と、その飼い主である主婦だ。 この道程で、本書は色々な事を教えてくれる。 最も印象的なのは、第五章「終の棲家」だ。 この章に、犬の持つ野性、田舎暮らしに対する幻想、老いる事の意味、などが凝縮されている。 本書は感動的だ。 著者は、読者の内面を、深くえぐる形で、この悲劇を著わしている。 そこには、押し売りの感傷は微塵も無く、有りのままの人生を描いている。 顔をそむけたくなる場面もある。 何故なら、人生のステージにおいて、分かってはいるが、口に出しにくい事柄がストレートに描かれている。 タイトルは逃避行であるが、決して逃避したのではない。 当初こそ衝動的であったが、犬と主婦は、わずかな期間で、避けられない生の営みに近付いた。 注意深く読了すると、犬の本性の野性的な部分に驚く。 本書は、ペットとしての犬について、深く考えさせられる。 著者渾身の力作だ。 | ||||
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世の中にはいろんな人がいて、いろんな考え方、ものの見方があります。 もし私がポポに噛殺されてしまう男の子の母親なら、先に犬をあおった 息子に非があって起こってしまった事だとしても、犬と飼い主を憎むであろうと 思います。 しかし本を読み進めていると、どうしても主人公である飼い主をとりまく環境や ポポという犬の動物的本能の方に対しての方によっぽども同情を感じ共感してしまう。 これを読んで、本当に犬を飼いたくなってしまった。 身勝手な飼い主が問題になっている昨今、この主人公とポポの交流は、 一体私達に何をうったえているのだろうか、考えされられた。 立派な体と脳みそをもった家族である人間さまより、何故、犬なのか。 しかしこの主人公の旦那さんは、ひどすぎる。 それと、私も母の事を考えてしまった。娘として・・・。 読み終わって、本当にせつなくなってしまった。 | ||||
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多分、篠田さんの作品を読んだのは初めてだと思いますが、表紙のデザインに惹かれて手にしました。 犬好きな人の眼には必ず・・・・気になってしまいます。 隣家の子供を噛み殺したポポを連れて家を出てしまった主婦が周囲から逃れる様に辿り着いた山の中の廃屋同然の住居での生活が描かれています。 ここで問題なのは、ポポと言う犬が狂犬でも有るかの様な扱いを受けていますが、大抵の場合人間に対して牙を剥くのは過去に石をぶつけられたり苛められた経験が有る犬です。 そして犬には勿論弁明の機会等与えられず毒殺の対象となってしまいます。 人間は本当に身勝手な者です。作中の主婦が頼って身を寄せた先々でも、自分の事しか考えない者達によって行き場を失っていきます。長年連れ添った旦那でさえ! 唯一最期まで彼女の身を案じていたのはポポだけだったのかも知れません。 | ||||
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なんとも身につまされる小説だった。専業主婦としてひたすら家庭を守り、娘ふたりを育てあげ、夫を支え続けた主人公。婦人科の病気で手術を受け、術後の体調も思わしくない。「女としては終わっている」という夫の心ない言葉。社会に出てバリバリ働く娘たちとの間にできた溝。なりふり構わず子供のため夫のためと頑張ってきたのに、これまでの自分はなんだったんだろう・・そんな矢先、愛犬のポポが隣家の小学生をかみ殺してしまう。執拗に張りこむマスコミ、道義的にも犬の殺処分をと迫る近隣住民の目。仕方がないとあっさりそれに従おうとする夫や娘。 なんとしてでも犬を死なせるわけにはいかない・・彼女はたったひとり犬を連れて家を出る。預金通帳とはんこだけを持って。かくして彼女はポポを守るための逃避行を続ける。ときに長距離トラックのヒッチハイクをし、ときに廃屋で寝泊りし、その暮らしは苦難を極める。しかし彼女のそばにはポポがいる。辛いときも楽しいときも、自分のそばに寄り添っていてくれた唯一の存在。いまとなってはただひとりの家族になってしまった犬。そしてひとりと一匹は逃げ延び、終の棲家を得るのだが・・。 この逃避行を単なる現実逃避ととらえるのは切なすぎるように思う。確かに現実逃避には違いないが、そこにはなんともしがたい孤独の穴が口を広げている。ともすればその穴に落ちてしまいそうな彼女のたったひとつの救いは犬だった。家族にさえ理解されていないという感覚。自分ひとりが取り残されたような錯覚。そしてあまりにも切ない結末。「女三界に家なし」ということわざをつい思い出してしまった。 | ||||
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小尾慶一さんの解説で、語りつくされちゃって、あまり書くことないのですが、 面白いなと思ったのは、 好きと嫌いに、極端に別れていること。 マスコミの嫌らしさと、良識ぶった世間の怖さ。 そして、主人公の夫の「冷徹さ」子供たちの「身勝手さ」 といっても、そんなにひどいわけでもなく、世間iよくある程度なんですが。 それが、許せなかった、 許せなかったというよりは、追い詰められて、愛犬との逃避行を選んだ彼女を、 応援したい気持ちでいっぱいになりました。 最後がね・・・せつないのよ。 その最後を読むと、主人公の夫が本当に「嫌な男」だと思えてきます。 | ||||
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主婦が犬を連れて逃げる話。 ストーリーに目新しさは無いものの、スピード感のある展開で、飽きずに読めた。 登場する主婦は、性格の根本的な部分が、なんともエゴイストな感じ。 同情はするものの、正直、自分の母親がこのような人でなくて良かったと思った……。 | ||||
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