■スポンサードリンク
ゴサインタン 神の座
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ゴサインタン 神の座の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書を読み進むにつれ、自分自身の俗物性が恥ずかしくなる。結木家は俗世の象徴の様な存在だった。歴史的にも大勢の社会的弱者の犠牲の上に成り立っている富と名声だ。ネパール人妻淑子の奇行により結木家のそれらが崩壊するのを輝和は止める事は出来たはずだ。しかしそれをしなかったのは、輝和自身も望んでいたからかも知れない。そして、本当に結木家が崩壊した後に輝和が得たものは絶望ではなく安堵だと思う。 しかしその後の展開は興味深い。無からの再出発だったが、淑子を中心に人の和が形成され、経済生活が自然に生まれた。しかも、そこそこの利益が出て潤うに至った。ここに人間の生の力強さと再生力を見る。それまでの淑子の神憑り的な奇行は崩壊と再生をもたらせた。この一連の淑子の行動の意味は釈然としないが、結果としてそういう事になる。そして淑子が失踪した事は彼女自身の役割を終えたという意味なのか? そして輝和が淑子を追いかけて訪れたネパールの表の顔と裏の顔の落差の大きさには驚く。しかしネパールの山岳地帯の人々の生命力は殊の外強い。著者は日本的な物質文明を物差しにしてはならないと釘を刺す。 「神の座」と呼ばれる山を仰ぐ地で生まれた淑子の一連の行動は、もしかすると定められた事だったのかも知れない。ただし聖地は存在しなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
結木が、愛するカルバナを探しに、進む、進む。どれだけ離れていようとも、会いたければ会いにいけばいいじゃないか、という声がこだまするような筆勢に、勇気づけられる、衝撃を受ける作品です。カルバナの行動が、違和感なく、まさに有り得るように感ずるのは、作者の強い思いに基づく筆力だと思うと、作者の魂の動きが伝わるようです。かの地を訪れてみたいと、思わせます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
両親と同居する農家の跡取り息子・結木輝和のもとに嫁いできた、ネパール人の花嫁・タミ。日本語を全く解さない彼女が、やがて神懸かり的な力を得ると、結木輝和の人生は転落の一途をたどる。そんなタミに彼が最後にしたことは…。清々しいラストシーン。これは大人のためのメルヘンである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
独身で農家を継ぐ40男が、ネパールから花嫁をもらうところから物語りは始まる。言葉も通じず、生活習慣も違うヨメを、男の母親が懸命に躾けるのだが、徐々に奇妙なことが起こり始め、男の両親は次々と亡くなり、営々と続いてきた家の歴史が暴かれ、財産を全て失っていく。というとミステリーっぽいのだが、自分の意志の及ばぬところへと翻弄される、ショボイ地味な男に同情と共感が沸く。流された結末は、思いもしない方向へ。人生ってやっぱり自分の意志で立つことだよな。ショボくて地味な男がなんと凛々しく力強く再生していくことか。すがすがしくて、読後感さわやか。ミントの香りがしばらく持続します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人にとって、どのように生きるのが一番シアワセであり、何を大切にして生きなければいけないのか。そんな事をいっぱい考えさせられた話しでした。俗世間に生きる私にとって、捨てられないものはいっぱいあり、そんな私から見ると、彼にたいして、なぜそこまで?とイライラしてしまったりもしました。篠田氏らしい話といえば、そういう内容です。でも、なぜかしら、彼女の作品の中で一番好きな本です。これも読んだ後にはすっきりしたり、気持ち良くなったりするわけではなく、でも、もっと何か大切で重い事を気付かせてくれる、そんな1冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人の幸福とはなんだろう。さえないが裕福な男の幸福への道は失うことから始まった。次に捨てつづける。捨てることは喜びとなる。全てを捨て、全てをなくし、一時は幸福を得たように思えた。しかし、そこからも、まだ失い、求め、与えなくてはならないのだった。多くの示唆にとんだ、よい話でした。多くの方にお勧めします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一見、愚鈍に見える地元有力農家にやって来たネパール人妻に、時折神がかり的なものが降りてくる。そして新興宗教ができあがってゆくまでの過程、そしてそれとは対照的に地元有力農家が没落してゆく過程、土地も財産も父母もなくしても妻と離れられない主人公…、というのがとても悲惨で物語的にはいいね~。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
さえない農家の跡取り息子の主人公は、自国で結婚相手を見付けられず、外国人の花嫁を斡旋して貰って花嫁を迎える。しかしその嫁は、神憑りとなって古くから続いたその家を没落させてしまう。主人公を通じて、男の身勝手さ、古い人間性を無視した風習、など様々な社会問題が浮かび上がってくる。 これでもかと次々に悲劇に見舞われた主人公は、しかし次第に人間性を回復していく。何もかも失った主人公が取った行動は感動的なまでに美しいと思う。 本を読む人は彼と一緒に「魂の再生」を経験できるかも知れない。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!