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(短編集)
制服捜査
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制服捜査の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 21~40 2/3ページ
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タイトルが全てです。もうひとつ、評価があまり落ちないことも良作の証ですね。電車の中で読み出した第1話「逸脱」で引き込まれ、家で読み出した第2話「遺恨」から第4話「感知器」まで読んだ所で入浴時間。浴槽の中で第5話「仮装祭」を読み切ってしまいました。130ページ浴槽一気読みでへとへとになりましたが、途中で止められない罪な小説です。個人的には一番ミステリー色の薄い第3話「割れガラス」が好み。どんなにささやかに見える人にもそれぞれの想いがあり、どんなにささやかに見える職にもそれぞれの想いがある。こういうどっしりとした人情味のある話は、テレビでは絶滅しましたし、ネットでもほとんど見かけないような気がします。繰り返しますが本当に「良作」です。あなたが頂点至上主義でないかぎり、読んで絶対に損はしません。 | ||||
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作者が得意とする北海道警察を舞台としたミステリーで、5編からなる短編集。北海道の農村の駐在所に勤務する主人公。一見、平穏な町で起きるいくつかの事件。それぞれの事件が最後の事件に結びついていく。ミステリーの完成度は非常に高く、短編それぞれのつながりが巧みです。短編ひとつを読んだら、必ず次の短編を読んでしまいます。そして、結局最後まで読んでしまいました。時間つぶしに短編をひとつずつ読むつもりではなく、1冊続けて読む覚悟で読んでください! | ||||
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とても面白い。主人公の川久保篤は優秀な警察官であり、“普通”の感覚を持っている。 ただ、“普通”は、地域が変わったり、時代が違えば“異端”となる。本書は、そういった点を、警察小説という枠組みを使いながら、巧みに描いていると思う。 本書で描かれたように、北海道警が行う人事異動は、実は道民に対する見せかけの誠意にしかすぎない。また、志茂別町の地域のボス(特に防犯協会)たちが行っている行為の一部は、本来の防犯活動ではなく、実際は隠蔽にしかすぎない。こういったような、欺瞞的行為は、おそらく日本全国どこにいってもあることなのだろう。たまたま、作者が北海道と志茂別町を舞台にしただけに違いない。 良質なエンターテインメントの中に、作者の心の奥にある“怒り”が見えるようだ。 | ||||
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のどかな農村へと単身赴任してきた駐在さんが主人公。平和であるように思えて、えげつないことになっちゃう連作短篇集。ややもすると 過剰に演出しすぎの感もあるが、土地柄特有の濃密な人間模様が面白い。そう面白い。読み物としての側面を重視しているから、変てこな 潔癖精神で水をささない。ハードボイルドと言えばそうだが、一種の逆説的道徳も働く。まあそれだけだったら何てことないかもね。 ただこの人のクリエイティビーは頭ごなしじゃなくていい。頭ごなしの悪じゃない。単純に白と黒を交錯させるだけでは満足しない。灰色へ 交流させてから切り刻む。よって浮かび上がる悪の形に読者は戸惑うのだ。そんなシリアスに問いかけてくる魅力的な警察小説。 | ||||
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詳細は他の方が書かれているので省略します。 ただ一言。 おねがいだ〜川久保篤を小日向文世でドラマ化してくれい。 | ||||
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刑事課の経歴が長いベテラン、川久保篤巡査部長は、道警不祥事を受けた刷新人事により、北海道道東の駐在所に異動、単身赴任となった。 人口わずか6000人。寒村の歴史と人々の裏に流れるおもいとは…。 初めて読んだ著者の作品。右も左もわからぬ初赴任の地で、町のことを何でも知る元郵便局員の片桐にそれとなくストーリーを語らせる無理のない設定、不自然さを感じないディテール、細部の描写、作りこんだ、という勢いを感じさせない文体、どれも好感がもてました。 衝撃的な警察小説、というわけではうりませんが、大変味のある読後感で、私はいいとおもいます。 連作5短編となっていますが、個人的には4作目、連続放火の謎にせまる『感知器』がすきです。 今後の作品を楽しみにしています。 | ||||
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この街では犯罪がないのではなく、犯罪者を出さないようにする・・・。一見、警察から表彰されそうな街をイメージするが、実は住民結束の強い 田舎町にある何もかも自分たちで解決してもみ消す街だった。 短編集が一つにつながって最後に街の正体が明らかになるような展開はドキドキさせられ、ページをめくる手が止まりません。決して大きな意外性 がある訳ではありませんが、もはや定番の傑作警察小説と言ってもいいでしょう。安心して読める1冊です。 | ||||
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5つの短編でだいたい1つあたりが60ページなので読みやすかった。 もう少し他の短編との絡みがあればもっと面白かったと思う。 短編を通して大きな謎が解ける展開があって欲しかった。 人間の感情表現がうまく書かれていて、最後の盛り上げ方はうまいな〜と思えた。 続編の暴雪圏を読む前に読むことができてよかった。 | ||||
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これは面白かった。 この作家の小説は初めて読んだのだが、味わい深い警察小説だった。 北海道警の不祥事が発覚したその後の警察の対応で、北海道警全体が移動の嵐に翻弄された。 犯罪捜査を専門としてきた川久保も、札幌からここ釧路方面志茂別駐在所へ移動させられ25 年の警察官人生で初めての駐在勤務となった。 専門性が重視される職場の移動は、各部署での混乱を生んでいった。 ベテランの強行犯係りの刑事が運転免許の更新業務に回されたり、長く地元で駐在勤務してき た信頼されている警察官が、なれない鑑識仕事にたずさわったり、警察内部の矛盾も描かれ読 者を引き込んでいく。 川久保も家族を残しての単身赴任を決め志茂別駐在所にやってくるが、なんと初日から地元有 力者の訪問を受け無理やり酒を飲まされてしまう。 このコップ一杯の酒を拒めなかったために、後に川久保は後悔をすることになる。 こうして忸怩たる思いをした最初の事件から始まった駐在所の生活が、淡々とした筆致で描か れていく。 「逸脱」 「遺恨」 「割れガラス」 「感知器」 「仮装祭」 5つの短編からなる連作である。 どの章も北海道の片田舎に起きた事件の裏が暴き出されていくところに読み応えがある。 過去の秘密や、覆い隠されていた様々な人間関係が元になって起きる事件。 片田舎の人間模様が丁寧に描かれ、小さな村の腐敗や恥部が暴かれていく。 最後の「仮装祭」は圧巻。 淡々とした語り口が、一転臨場感溢れる筆致となり息も尽かさぬ展開に引き込まれる。 読者は祭りの只中に取り残されたような気持ちを味わう事となり、賑やかなお囃子、人ごみの ざわめき、埃っぽい祭りの空気を体験させられる。 警察小説の傑作として記憶に残る作品だった。 | ||||
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警察小説として横山秀夫と比較されますが、横山作品の結末がやりきれなさを感じる事が多いのに対して、わずかでも希望が見えるように思われます。基本的に著者の得意な冒険小説のバリエーションとして、一気に読めてしまう爽快感があると思われます。 | ||||
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存在しない志茂別は別にして、広尾やその他の町は実在し、リアルな感じだ。 十勝の雄大な自然の中で次々と起こる事件は、駐在さんの範疇を超えるのだ。 連作の中で描かれる日常の考え方のズレ。 それが重なることで犯罪が発生するのだろう。 | ||||
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本書は、’06年、「このミステリーがすごい!」国内編第2位にランクインされた、連作短編集である。 ’04年と’05年の間に「小説新潮」(臨時増刊号を含む)に掲載された5編からなっている。 主人公の川久保篤(あつし)巡査部長は、札幌で盗犯係や強行犯係などを経験した一線級のベテラン刑事だったが、北海道警の組織ぐるみの不正事件のあおりを受けて、釧路の志茂別(しもべつ)町という人口6千人の田舎町に転勤させられてしまった。しかも、25年の警察官人生でまったく経験のない単身赴任の駐在所勤務である。 物語は、そんな田舎町でも起こる、さまざまな事件を通して川久保が経験する、田舎町ならではの人付き合いというか、因習である。彼は制服駐在としての捜査の限界に阻まれながらも大小の事件に遭遇してゆく。情報源は35年間この町で郵便配達をしてきて、2年前に退職した片桐だ。片桐は志茂別町のデータベースとして、時に川久保の捜査を助ける。 そうして川久保は町に溶け込んでいく。いやいかざるを得ないのだが、人間模様に精通していくに従い、あらゆる不祥事に蓋をすることで、表向きは平和な町に見せかけようとはかる町の有力者たちが放つ腐臭を感じ取るようにもなってゆく。 本書は、小さな町特有のどろどろとした濃密な人間関係によって培われた虚構を、突然そこに放り込まれた元敏腕刑事の異邦人が、駐在警官の制服捜査を通して、えぐってゆく物語である。豊かな自然と純朴な人々に囲まれた田舎暮らし、などというのは都会人の持つ幻想であることは本書を読めば一目瞭然である。 | ||||
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駐在警官が主人公の短編集で、田舎町の闇の部分に切り込んでゆくストーリーは爽快の一言です。どの話も中盤までの地味な流れとは対照的にクライマックスの盛り上がりは目を見張るものがあり、読後感も良いです。 | ||||
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道警の不祥事の為に駐在所勤務の制服警官となった元強行犯係。 捜査の主導権を握ることはないが、警察官の本分をわきまえ自分でできる範囲の仕事を忠実にこなして行く。 駐在所勤務の警察官が主役である為か短編の読み物になっているが、主人公に好感が持て、読後は爽やかな印象を受けた。 | ||||
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道警不祥事をめぐる一斉配置転換のあおりで、強行犯係の捜査員から一転、単身赴任の駐在勤務となった巡査部長の川久保。一見すると平和で健全な田舎町で起こる微かな異変に、彼の元刑事としての勘が反応した・・・「犯罪発生率、管内最低」の実態は、「犯罪が発生しない」ということではなく、「犯罪が表沙汰にならない」ということだったのだ・・・・・・ 駐在の聞き込み情報を軽視する所轄の捜査員や、よそ者を嫌い犯罪や不祥事を隠蔽しようとする地元有力者に苦しめながらも、僅かな手掛かりを基に、地道かつ執拗に事件の真相を追及する主人公の(派手さとは無縁な)泥臭い奮闘が眩しい、極めてリアルな警察小説。「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」とは『踊る大捜査線』で本庁の傲慢と無責任に憤る青島俊作巡査部長の名言であるが、本作では所轄署に翻弄される駐在という、更に下のレベルでの悲哀が描かれている点(警察ものではあるが刑事が主役ではない点)に最大の特質がある。また日本的ムラ社会に潜む腐臭という舞台設定も巧妙である。 連作短編形式となっており、最後の中編では、これまでの短編での不完全燃焼ぶりを晴らすかのように川久保が見事な活躍を見せ、爽快な読後感がある。 | ||||
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一人の暴走警察官のせいで組織を挙げてランダムな人事異動が実施され、刑事から駐在所に転籍させられた川久保が主人公。 一見平穏な町に潜む犯罪の陰を川久保のキャリアが粛々と露見させていく。捜査に関して大きな権限を振るえない駐在が限られた情報の中から犯人を見つけ出していく様には溜飲が下がる。あからさまな表現を避けさり気なく川久保の手柄を語っていることも返って好感につながる。 特別な傑作ではないが納得できる一冊。主人公の家族仲が良いのも好感が持てる。 | ||||
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駐在に求められるのは、日々の業務の遂行である。町の治安に目を配り、事件が起きたら管轄署に応援を要請する。しかし、捜査に協力することはあっても専従することは許されていない。捜査方針に異論があったとしても、強く進言することはできない。主人公の元刑事・川久保はもどかしさを抱えつつ、何とか真相に辿り着こうとする。 本書は5つの短編から構成されていて、時系列で並んでいる。読みやすい文章と、あっさりした話のまとめ方が特徴。一般的に犯罪とは、都会で起きやすいと考えられている。事実その通りだろう。しかし、田舎では人々が皆心穏やかで、犯罪が起きない場所かというと、そうではない。人口が少なく、人の出入りの少ない土地だからこそ起きてしまう問題もあるのだ。読んでいて、その怖さについて考えさせられた。 | ||||
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設定☆☆ 展開☆☆☆ 人物描写☆☆☆ ストーリー☆☆☆☆ 設定は「うたう警官」(同著者)と同じともいえる.視点が違うだけ. 雑誌発表の連作短編なのでそれなりにまとまっているがあまり引き込まれない. 人物描写も今ひとつ.人物にある背景描写が薄い.本作家の特徴でもある. 一つ一つのエピソードはそれなりに楽しめるがもっと深く人物や地域,組織を掘り下げることによってもっと楽しめるのでは. 文庫化に際しては,ぜひ長編小説化して再発表して欲しいと願う. | ||||
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なんとなく読んでみましたが久々に面白い。飛ばさずあっという間に読んでしまった。小さな犯罪の話かと思っていたけど犯罪の温床のような町の話だった。現在、人口1万人の町に住んでいますがやはり犯罪はほとんどありません。でも本のようにいろいろな犯罪が隠された町も実はあると思う。いろいろ考えさせられました。 | ||||
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田舎は怖いですね。 特に自治会だの自警団だのがひたひたと恐ろしく感じられました。 もちろん昔から田舎に住んでいる人には独自の正義感や倫理観があるのでしょうが、 いやあ…怖い怖い。 物語としては北海道のある駐在さんを中心にして、いろんな流れが展開していきます。 とてつもない感動やとびっきりのドキドキワクワク感はありませんが、 「ちょっとしたミステリーものが読みたいなあ」というときにはちょうどいいかと思います。 ミステリーや推理ものはともすれば続きが気になって夜更かししてでも一気に読み進めてしまうことがありますが、 この本はそこまで読者を駆り立てないし、だからといって「もう飽きたから続き読まなくていいや」と 途中で放り投げてしまうほど面白くないわけでもありません。 老若男女、みんなに読みやすい良作ではないでしょうか。 | ||||
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